南  大  門  再  建
【 南 大 門 便 り (37)】

「四天王彩色プロジェクト参加学生紹介(2)」

  今回は、崇城大学芸術学部美術学科日本画コース4年生の藤吉美里さんを紹介致します。最初から、この「四天王彩色プロジェクト」に参加して、熱心に週末お寺で彩色をしてくださっています。

プロジェクトに参加して:

 幼いころから父の主催する矢部郷自然観察会にてふるさとの自然を見つめてきました。その影響もあり、素材が天然物で、観察や写生を大切に行う日本画を描いています。自然、海のイメージをよく描きます。

 蓮華院でこの彩色プロジェクトにかかわることができ、大変ありがたく思います。一流の方々と学生が、同じ空間で仕事ができることは貴重で、技術はもちろん、その姿勢からも学ぶことが多く大変うれしく、光栄に思います。

 お寺という特殊な場所でのお手伝いはとても楽しいです。ためになります。たくさんの方との関わり合いができます。よいお話を聞くこともでき、とても楽しくお手伝いをさせていただいております。この貴重な経験をすることで、ますます郷土の文化を大切に思うようになりました。

 完成したら本当に感激すると思います。先祖が仏師であったそうで、これもご縁だと感じています。家族も楽しみにしており、私にとっても一生のなかでかけがえのない経験になるとおもいます。これからもよろしくお願いいたします。

作品集:


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 昨年、スリランカで津波孤児の支援を行いました。そのレポートに蓮華院さんのことも少し書かせていただいたので、掲載致します。

「he ART giving project を終えて」

1、渡航まで

 この企画を聞いたときは、giving と言うところに違和感があった。正直私はスリランカをよく知らないし、自分になにが出来るのか検討も付かなかった。

 しかし、以前から交友のあった、留学生ルワニの祖国に興味があった。彼女は出会った時からとても温かく、親切で礼儀正しく、いつも笑顔だ。彼女が誘ってくれたおかげで、私もスリランカに行く決意ができた。

 私は今、蓮華院誕生寺というお寺で仏像の彩色に関わっている。そのお寺はスリランカに沢山の寄付を行っていて、広報などでスリランカの現状を紹介している。それによると、まだまだ貧困層の村では、幼稚園のトイレが完備できていなかったり、子供たちが、一日働いても、本当にわずかな収入しか得られないことなどが紹介されていた。

 津波による被害も深刻だった。2004年12月26日、ちょうどわたしの誕生日にニュースで見た津波後の悲惨な情景は未だに印象に残っている。

 私は今、何の不自由もなく、大好きな事を恵まれた環境でまなぶ事が出来る。その事におおきな感謝を持っている。同じように学びたいと思っても出来ない人がいて、その人たちに、何かをしたくても行動するのは一人では、難しい。このプロジェクトに参加する事で、何かのきっかけになればと思った

 渡航までの二ヶ月近く、他のメンバーたちと沢山の話し合いをした。何が出来るのか考え、折り紙や、ヤシの葉でできるバッタの作り方、日本の童謡や紙芝居の制作などをした。  自分の手で何かを作り出す喜びは必ず通じると思った。津波であらゆるものを失ったであろう子供たちには、なおさらそれを実感してほしい。きっと自信につながる事と思う。

 プロジェクトでは画材も集めた。子供たちに提供するためである。思いもよらないほど沢山の画材が集まり、驚いた。まだ新品のものもあり、賛同してくれた学生の思いが伝わってきた。渡航できなかった学生にためにも精一杯交流していきたいと思った。この画材がなかったら、このプロジェクトは出来なかったし、学校の中で、このような優しさを見たり、関わり合いが出来てうれしかった。率先してスタッフをしてくれた学生もいて感激した。

2、スリランカにて

 プロジェクト1回目はマータラという津波の被害が大きかったスリランカ南端の地方だった。学校に到着するとたくさんのメディアが取材に来ていた。とても注目され期待されていると感じた。

 挨拶をすると、子供たちが即興で歌やダンスを披露してくれた。シャボン玉や紙芝居をした。子供たちがどんどん慣れてきて笑顔になってきた。

 絵も描いた。テーマは『あなたの国の誇れるもの』。絵の具を開いて渡すと、すぐにそれぞれのスリランカを描きはじめた。象の群れ、きれいな海、家、太陽、ヤシ、花など。沢山の誇りを持っていた。

 私は5月に教育実習で日本の中学校に行った。美術のスケッチに時間、買いそろえられた絵の具や画材を前に何も描く事の出来ない生徒が沢山いた。感受性の違い、物質的豊かさのなかの虚しさを感じた。

 スリランカの子供たちは、本当に色を楽しんでいた。津波では私たちの想像を絶するような大変な思いをしたと思うが、心が豊かである。こちらまで純粋な気持ちになった。一緒に絵を描くことができてよかった。周りで見ていた大人たちも、子供たちの様子にすごくうれしそうだった。

 子供たちは、「ニヤマイ!」(すごい!)と褒めたり「ラッサナイ!」(きれい!)と言うだけでとてもうれしそうにする。絵を描く事はあっても、それを褒めたり、認められたりする事は少ないのだそうだ。中には、びっくりするほどに集中力ですばらしい絵を描く子供もいて、もっと描いてほしい、描く環境があればいいと切に感じた。

 プロジェクト2回目はシーギリアの貧しい地方の小学校だった。到着すると、かわいい子供たちからレイをかけてもらい、歌や鼓笛隊で歓迎された。生まれて初めてと言うくらいの暖かい歓迎に涙が出た。

 1回目より年齢が低く、とても無邪気な子供たちは、すぐに飛びついてきて、一緒に遊んだり、絵を描いたり、ねんどで動物を作ったりした。

 この子供たちは孤児ではないけれど、貧しい生活をしていると聞いた。しかし周りでは、お母さんたちが、ずっと参観して、一緒になって喜んでいて、とても暖かい雰囲気だった。

 このシーギリアの小学校の周りには工芸村もあり、美術の振興を応援しているようだった。シーギリアロックには美しい壁画や古代遺跡もあり、とても文化的な地方だと思う。これからのスリランカの発展の中でもずっと残ってほしい。

3、この旅で考えたこと

 仏教関係の遺跡などもたくさん見学する事が出来た。図鑑で見るものの本物を現地で見る事はすごく印象深かった。信仰心がパワーを持った仏教美術を育んでいた。もっと仏教、宗教を勉強したいと思った。美術をするうえで、とても重要だと感じる。

 私はこれまで"メメント"(何かを思って生きる)ための作品を作りたいと思ってきた。その何かとは、死であったり、感謝であったり。それを思って安らかに、たおやかに生きていきたい。その願いを描きたい、表現して心につなぎ止めるものを作りたいと思ってきた。

 死や別れを目の前にしたとき、ふとした安心感につつまれたり、許す気持ちや感謝の念がうまれる。それを常に感じていたい。その思いは宗教にも似ていると思った。

 スリランカの人々の日々の暮らしの中にある信仰とその祈る姿は本当に美しいと思った。そしていつも微笑んでいてくれる。それだけでありがたい存在なのだと教えてくれた。

 このプロジェクトでスリランカに来る事が出来た、それまでの様々なきっかけや人との出会いにとても感謝している。一緒のこの企画に参加した学生はこれまで交流がなかった方ばかりだったけれど、本当にいい出会いと経験ができた。企画していただいた楠元香代子教授にも本当に感謝している。

 heART givingのはずだったけれど、takingすることのほうが多かった。私たちのgivingと、関わり合いの中で生まれたtakingが循環してとても良いサイクルができたと思う。それを子供たちの笑顔で確信する事ができた。

 帰国したら、この旅で得た気持ちを絵にしてつなぎとめたいと思う。崇城大学はじめ、楠元教授、ルワニ、チャンピカさん、他多くの方々のおかげで、本当に貴重な体験をさせていただいた。

 ありがとうございました。

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