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大日乃光






大日乃光

2017年01月23日大日乃光第2164号
「三信条の深まりと三項目の実践で幸福な家庭を」

全国からお参りされた信者の皆様、改めて「新年明けましておめでとうございます」

近年は七日までの「松の内」や「小正月」、はたまた「女正月」といったのどかでゆったりとした気分を味わう事もなくなって久しくなりました。

その一方で、伝統的な正月の行事として一月八日の〝初薬師〟や二十一日の〝初大師〟などがあります。それと同じように、当山にとっては今日の初ご縁日こそが私達にとっての正月に当たるわけです。
 
お年玉代りに差し上げたい眺望
 
さて、先の元旦号の『大日乃光』を本日お参りの方はほぼ全員ごらんになっていると思います。この一面の五重塔の写真の姿を見られて、どう思われましたでしょうか?

右下の隅に「多宝塔の足場より望む」と説明してあるように、多宝塔が完成すれば取り去られる足場からの眺めです。相輪の周囲に組まれた最上部の足場から、東側の五重塔を写して貰って元旦号に掲載しました。これはこの時期にしか見る事の出来ない期間限定の景色です。

高所恐怖症の方は別にして、遥々遠方からお参りの皆さんには今日この足場に登って頂いて、あと三ヶ月しか見ることの出来ない視点から、五重塔や南大門、本堂などの姿を心の映像として焼き付けて頂きたいものです。

南側に目を転ずれば、約二百メートルの所に建つ南大門をほぼ正面の同じ高さから見られます。これもこの足場のある間だけです。この視点は私達の御本尊、皇円大菩薩様の視点でもあるように私は感じています。

皆さん方には、毎年の初まいりの恒例となっている五重塔の御開帳に加えて、この足場からの景色をお年玉代りに差し上げたいと思います。どうぞ法要の後で、足場に登ってみて下さい。
 
八千枚護摩行中に南大門と四天王顕現の御霊示
 

さて、六年前の南大門の落慶と来年の多宝塔の落慶などについての、皇円大菩薩様の御意志と言うべき深い御心について、今日は少しお話を致します。

二十年前には、五重塔が開山大僧正様と先代真如大僧正様の願いによって、この大地から湧き出すように地上に姿を現わしました。この大地はまた、九百四十五年前に皇円大菩薩様をこの世に生み出した同じ大地でもあります。

一方で南大門は先代の貫主真如大僧正様を始めとする、当山の約八百年に亘る歴代貫主の皆様と当山にご縁のあったすべての人々の願いが、皇円大菩薩様の衆生済度の御誓願に融合して姿を現したというのが私の実感であります。

具体的には南大門は、六年前の平成二十三年の東日本大震災の直後に落慶法要を修しました。更にその十年前の平成十三年、私にとっては十回目の八千枚護摩行の中で、〝南大門を建立すべし〟との御霊告が下されました。それは、平成五重塔の落慶法要からわずか四年後の事でした。

そこで早速、平成十四年の二月には南大門建立のための材木の手配を始めています。そしてその年の十二月には、約六百本の青森ヒバの丸太を奥之院の桜ヶ池の水に入れて、水乾燥を始めました。その時は御本尊様から動かされるようにして、かなり多めの量を購入しています。この時は、私の心中に取り立てて目的があった訳ではなかったのですが、後年その意味が納得できました。

その四年後の平成十七年には、〝南大門に四天王を祀るべし〟という御指示を頂きました。

これも先の南大門建立の御霊示(御霊告)と同じように、十四回目の八千枚護摩行の前行の中での事でありました。その後の南大門の建設工事と四天王の顕現には何の支障もなく、全てが順調に運んで行きました。

南大門落慶の平成二十三年には、『大日新聞』も現在の『大日乃光』と誌名を改め、新たな歩みを踏み出しました。
 
行の深まりの中で多宝塔と五智如来顕現の御霊告
 
そして更には、明くる年の平成二十四年、現在のこの本堂の御本尊様が、皇円大菩薩様御自身の御指示によって今のこのお姿を現して頂きました。この様にお話ししても、私が何をお伝えしたいのか、充分にはお分かりにならないと思いますので少し説明致します。

日々の祈祷の中で、御本尊皇円大菩薩様のお姿を冥想する作法があります。その冥想の中で明確なビジョンとして、行の深まりと共に皇円大菩薩様がご自身のお姿をお示し頂く事が何度もありました。そのお示し頂いているお姿が、現在のこの本堂の皇円大菩薩様の御尊像のお姿そのものなのであります。

そしてその年の、二十一回目の八千枚護摩行の中で、今度は〝五智如来を顕現し、多宝塔を建立すべし〟との御霊告を頂戴したのです。身の引き締まる思いの中で、「これはまた、大変な事を仰せつかった!!」と、しばし呆然とした事を覚えています。
 
多宝塔の建立は、時代が求める必然
 
平成九年の五重塔落慶から南大門落慶までは、十四年の間が空いています。それでもたて続けに工事をしているといった感覚は、周りの人達にもあった事でしょう。

昨年末に久々に語り合った旧友からは、「あなたが南大門の工事を発表したとき、先輩や友人達は心配していたんだよ。それにも増して今回の多宝塔はもっと休む間もなしというくらいで、私も少々心配していたのです。しかし、こんなに立派に建ち上がりつつあるのをこの目で拝見して安心しました」と言っておられました。

思えば、南大門落慶からわずかに七年後の平成三十年、皇円大菩薩様御入定八百五十年のその記念すべき年に、この多宝塔一層の内陣に金剛界の五智如来を収めて落慶するわけです。

外から当山を見ている人も、お弟子さんや寺の職員、そして信者さんとして内側から見ておられる人々も、まさに「立て続けにお堂と塔が建って行く」というのが実感かもしれません。

私は以前から、「社会が求め、佛様が求められている事は必ず成就する」という言葉を本誌で何度かお伝えして来ました。その意味では、まさに智慧(知恵)を象徴する多宝塔は、現代のこの時代に必要にして不可欠なのではないか?それだからこそ、多宝塔と五智如来様が姿を現わそうとしておられるのだ、と実感しているところであります。

先に南大門の丸太を多めに注文した事をお伝えしましたが、今回の多宝塔に必要な部分に、十分に乾燥した大事な部材(材木)として使われています。まさに皇円大菩薩様の先を見越した慧眼であったと、感謝し感動しているところであります。
 
世界に広めたい三信条
 
一方で、どのような時代であっても、家庭や地域、国家、そして世界にとって必要な事は、「反省」、「感謝」、「奉仕」の三信条に根差した生き方ではないかと思っております。

「反省」は個人にとってだけでなく、家庭においても社会においても、人の生き方、家庭生活のあり方、ひいては国家の品格を保つためにも大切な徳目であります。

外交交渉や国際経済は別にして、個人において大切な徳目である先の三ヵ条は、国家や国際社会においてはほとんど問われる事はないようです。しかし日本という国家や日本人という民族が、世界の人々から見れば尊敬に値し、信頼出来る国であり民族である、という評価は定着しつつあります。

それはまさに、私達日本人が自分自身で思っている以上に、「反省の心」「感謝の心」「奉仕の心」、さらには「助け合いの心」が強いからではないでしょうか?

私達日本人は、自分自身に対しても日本という国に対しても、世界の人々が思っている以上に低い評価しかしていないと言われています。国際的に比較した様々な統計でも、明確に表れています。

このように自己評価が低いのは、一面では「反省」の心が強く、謙虚な心構えとしてみれば立派なのですが、未来を開いて行く若い人達にとっては、この行き過ぎた謙虚さは決して良いばかりではありません。

世界から尊敬され、羨望のまなざしを向けられている私達の、この日本を造って来られた多くの先人や偉人の人々に対する、感謝の念を私達一人一人がしっかり持つ事も、家庭内においても、国際社会で活動する上でも、とても大切な心構えであるに違いありません。
 
良きご縁を広め、願いを叶え、未来を開く三信条
 
私達一人一人、そして私達のそれぞれの家庭が、更にこの三信条を具体的な生活の一コマ一コマで活かしていく時、人は次の世代の為に未来を照らす事が出来るのです。それをさらに具体的に申し上げれば、

一、互いに挨拶を交わし合う
a、佛様、ご先祖様への挨拶としての朝、夕のおまいり
b、家族同士が互いに朝晩の挨拶を交わす
c、職場などでも互いに明るく挨拶を交わす
※家族や縁のある人に対して自分から心を通わせる心構えを育て、ひいては「奉仕の心」を育てる事が出来ます。

二、「はきもの」を揃える
※この事によって、足元をしっかりと見つめて心を落ち着かせることで、自身を深い「反省の心」に導く。

三、食事の時、合掌して「いただきます」「ごちそうさま」をはっきりと心を込めて言う
※食物の命やそれを作って下さった多くの人々に対する「感謝の心」を日常的に保ち、高める事が出来ます。

今を伸びやかに、時には謙虚に、そして感謝の心を持って生きる事が、未来への良き縁を作り、良き縁を広げる事に繋がります。そして願いを叶え、明るく前向きに生きる事が出来ます。

一年の始めに当たって、全国の信者の皆様と共に三信条を更に深め、三項目の着実な実践の中から輝かしい未来、明るい明日を築いていきたいものです。合掌




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