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多宝塔壁画展覧会

開催日:2017年10月10日(火)
開催場所:岡山市 天満屋デパート


展覧会名称: 
「高橋秀 多宝塔に捧ぐ 悠久の天 地 風 火 水」

 

会期: 2017年10月10日(火) 1日限り (午前10時オープン)
会場: 岡山天満屋(てんまや、デパート)5階 美術画廊

                        (直通電話  086-231-7523)
(〒700-8625 岡山市北区表町2-1-1 株式会社 天満屋 岡山本店)
  
「唐突に出現した一日限りの展覧会」
 
 年間の予定でびっしり組まれている天満屋の画廊が、どのように揺すっ て一日の余白を作り出してくれたのか、手品か魔法のよう。

 取りかかった熊本は玉名市の蓮華院誕生寺の多宝塔内壁装飾画の手始めはいつ頃だったか。お寺への意識ではなく内壁をどう組上げて行くか、 絵画としての空間をどんな構成にするかは、私だけの制作手順、命の証 を形にして行くだけの事。

 天・地・風・火・水、これは仏教だけの提言とは思わない。人間の、命の、生きる信仰全てが関わる基礎基盤。そして、これが今回の制作構成の柱です。

 どれ程の制作日数だったか覚えてもいない、ゆったり繋がった一本の棒が延々と続いている感じ。その中での日々、コツコツ、コツコツ。 それは楽しく豊かなものです。他事世事は全く受け付けていないよう。

 八分九分完成に近づいた頃、天満屋さんが訪れてくれ、アトリエを披露したところ、こんな大仕事をそのまま九州に送り出す手はない、是非にこの地、岡山でお披露目すべきです、と言う事で、書き出しの手品か魔法に繋がります。

 唐突に出現した望外のプレゼントに心から嬉しく感謝しています。 画家 高橋 秀


「火」の壁画



「運命の邂逅から未来への遺産へ」
 
それは、21年前の倉敷「菜の花」での衝撃的な高橋秀画伯との巡り会いから始まった。出会うなり「この方はただ者ではない。さながら現代の侍だ!」
おおらかな中にも古武士のような矜持を内に秘めた人柄にすっかり惚れ込んでしまった。
 
以来個人的な交流に加え、数度の天満屋での展示会や沙美海岸のアトリエに何度も足を運ぶ内に、その作品が持つ宇宙的な広がりや生命力に完全に魅了されていった。
 
高橋画伯に巡り合う一年前に、当寺では木造の五重塔を落慶していた。その塔内は世界最高レベルの五幅のチベット曼荼羅と12枚のタンカ(チベット仏画)で荘厳した。その後続けて6年前には南大門を再建し、引き続き密教建築の精華と言える多宝塔を建立している。(落慶法要は来年5月12日)
 
先の五重塔では、現代得られる密教美術の最高峰を駆使して内部の荘厳を調えているので、今回の多宝塔ではどうすべきかを御本尊に至心に祈る日々が続いた。そんな中で『高橋画伯に未来へのメッセージとなる作品を依頼せよ!』との啓示を得た。
 
早速高橋画伯のアトリエに伺いその旨を伝えると、画伯は「うん。まだ生きとったらね!」と承諾とも断りとも取れる第一声であった。以来三年間、先の依頼を続けた。三顧の礼ならぬ三年の礼がようやく叶い、足掛け六年目にして今日を迎えたのである。来年落慶する多宝塔は今後五百年、千年と建ち続け、その立ち姿と共に地・水・火・風・空を象徴する本作品が数億人、数十億人の未来の人びとに無限の贈り物を伝えて行くに違いない。感慨無量!
 
本日この作品をご覧になる全ての人々が、明日への勇気と意欲を得られるに違いない。御本尊皇円大菩薩の慧眼と不思議な邂逅に只々感謝である。
合 掌
真言律宗 別格本山 蓮華院誕生寺
中興三世 権大僧正 川原英照

 
高橋秀画伯 略歴(美術作家、倉敷芸術科学大学名誉教授)
  高橋秀オフィシャルサイト(http://shu.ehoh.net/)より転載(一部補足)
1930年 6月30日、広島県新市町(現福山市)生まれ。
1950年 画家を志し上京、武蔵野美術学校入学。学費不足のため半年程で通学を断念。
1951年 独立美術協会の緑川広太郎の内弟子となる。
独立美術協会第19回展に「築地風景」で初入選。
1961年 同会29回展に「月の道」他を出品、独立最優秀賞を受賞、独立美術協会会員となる。
  この年「月の道」で第5回安井賞を受賞。
1963年 イタリア政府招聘留学生としてイタリアに渡り、ローマ美術学校に在籍。以後ローマで制作活動を続けながら国際展に多数参加。単純な色彩と流線状の輪郭を持ったフォルムが組み合わされたレリーフ状のタブローを発表。
1968年 第8回現代日本美術展でT氏賞受賞。
1976年 ヴェネツィア・ビエンナーレ出品。
1978年 池田満寿夫監督の映画『エーゲ海に捧ぐ』の美術監督、スチール写真を担当する。
1981年 北九州市立美術館で「高橋秀展」開催。
1987年 芸術選奨文部大臣賞を受賞。
1988年 第20回日本芸術大賞を受賞。
1993年 ローマ国立近代美術館で「高橋 秀・ローマ30年」展が開催される。
  渡欧後は白、赤、黒など単一色で流線状の輪郭を持つフォルムの集合体によるレリーフ状の絵画を制作する。
1994年 紫綬褒章を受章。
1995年 倉敷芸術科学大学教授を務めるかたわら、精力的に制作活動を展開し、イタリア・ジェノヴァ、キオッソーネ東洋美術館にて「高橋 秀・黄金の魂」展が開催される。
2003年 渡伊40周年を記念して、翌年にかけて天満屋岡山店、福山店にて新作展。
2004年 4月、41年間暮らしたイタリアを引き上げ、倉敷・沙美海岸の一隅にアトリエと住まいを移す。また全国高校生現代アートビエンナーレ(倉敷芸術科学大学主催)、倉敷現代アートビエンナーレ・西日本(倉敷市・大原美術館・倉敷芸術科学大学共催)等を立ち上げ、沙美アートフェスト等のイベントを通して地域の美術文化普及に努める。
  マルセン文化大賞、2005年山陽新聞社賞。
  山陽新聞夕刊にコラム「一日一題」を7回連載。
  日本経済新聞文化欄に「私の出会ったイタリア美術十選」を10回連載。
2006年 夫人の藤田 桜とともに秀桜基金留学賞を設立。
2007年 天満屋岡山店、広島八丁堀店、福山店にて新作展。
2008年 岡山県三木記念賞を受賞。
2010年 岡山県文化賞を受賞。岡山県立美術館にて「高橋 秀・悠久への回帰」展が開催される。
2011年 ふくやま美術館にて「高橋 秀・全版画」展が開催される。
倉敷芸術科学大学名誉教授となる。
2013年 世田谷美術館にて「高橋秀の世界」展が開催される。
2015年 京都国立近代美術館の[琳派400年記念 琳派イメージ]展に出品。
  谷藤 史彦著「まつりばやしの中で - 評伝 高橋 秀」(水声社)が出版される。
2016年 広島県立美術館において「形と彩りの前衛 - 高橋秀を中心に」が開催される。