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2020年03月16日幸福ニュース第810号
『感染症パニックを防げ!リスク・コミュニケーション入門』(上)

『感染症パニックを防げ!リスク・コミュニケーション入門』(上)
(岩田健太郎著、光文社新書)
 

新コロナウイルス肺炎が世界中で猛威を振るっています。感染症対策に関し何が大事なのかを、エボラ出血熱やSARSやバイオテロを扱った感染症専門家が書かれた本です。単に感染症対策のみならず、リスク・コミュニケーションの原則と技法と実例が書かれていますので、多くの人々の参考になる本です。
 
1.感染症は単に病気を治療するのみならず、同時に「パニック」と対峙する事が治療に劣らず重要な事である。即ち、リスク・コミュニケーションが非常に重要なのである。
 
2.リスクに対しては、パニックになってもよくないし、不感症になってもいけない。恐れすぎても、楽観的過ぎてもよくない。感染症という専門領域と、リスクコミュニケーションという専門領域の両方から考える。
 
3. リスク・コミュニケーションの目的は、リスクを正確に把握し、正しく対応する事、即ち、リスク・マネジメントにある。データは次々と更新し、新しい情報に基づいて新たなコミュニケーションを取る。
 
4.リスク・マネジメントにおいても「なんのために」は常に問い返さないといけない大切な命題。ちょっと油断すると、「対策の為の対策」「手段の目的化」「頑張っているというアリバイ作り」になってしまう。
 
5.リスク見積もりで大事な事
リスクを見積もる(リスク・アセスメント)時は、2つの点に注目する。「リスクが起きる可能性」と「起きた時の影響の大きさ」の2つで、「起こりやすさ」と「起きると大変」をごっちゃにしないことが大事。リスク・コミュニケ――ションでも、両者を区別して説明することが肝要。
 
6.リスク・アセスメントは幅を持たせて予測、見積もりする。リスク・マネージメントも一つの計画だけに固執するのではなく、いくつかの予測シナリオに基づいて、複数の対策計画と選択肢を持っておくことが大事。
 
7.リスク・コミュニケーションの3つのポイント
誰が聞き手なのか?(聞き手と聞き手の懸念事項)
状況はどうなっているのか?(現状把握)
なんの為にやっているのか?(目的)
 
8.リスクマネジメントにおいて、間違えたことよりも、「間違えて、それをすぐに認めない事」のほうが、後々のダメージは大きい。
 
9.危機下のクライシス・コミュニケーションでは、可能なすべてのツールを用いて、聞き手に行動を促す事が大事。「何を伝えるか」と「それが伝わって、相手がその気になっているか」が大事で、なるべくシンプルにまとめる。
 
10リスク・コミュニケーションにおけるプレゼンテーションを効果的に行う為に一番大切なのは、プレゼンテーションの目的をはっきりさせること。日本人のプレゼンテーションで一番問題なのは、「何が言いたいのかよく分からない」のが多い。リスク・コミュニケーションの目的は、あくまでもリスク・マネジメントの最適化なので、それに関係ない情報はバッサリと切り捨てる勇気が必要。
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自己啓発・社員研修・生徒指導に心理療法「内観研修」
4月6日(月)15時~12日(日)15時、(個室、8名まで)

蓮華院誕生寺内観研修所ホームページ
http://www.rengein.jp/naikan/
(電話0968-72-3300  Eメールnaikan@rengein.jp
 
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お寺でコーヒー飲んで、悩み問題解決、リフレッシュ!
2020年4月18日(土)12時半~16時半

会場:蓮華院誕生寺本院(熊本県玉名市築地2288
要予約(先着8名)、参加料千円、

(大きく高天井の本堂で瞑想、内観は個室使用)
https://www.rengein.jp/notice/?id=20190311144606
(電話0968-72-3300  Eメールnaikan@rengein.jp
 
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11リスク・マネジメントとは、「自分の知らない領域の自覚」から始まる。既存の知識で片付けようとすると、失敗する。もし、エボラ出血熱が日本に入ってきたら、どのような問題が生じるかを問い続け、色々な可能性を想定するために質問を重ねていく。
 
12答えが出ない問題と取っ組み合う力が必要。「患者の立場になったら、どういう所で困るだろうか」という「イマジネーションを伴う質問」が必要。その為に、学校教育の段階から、「答えが出ない問題」と取っ組み合う事、質問する事、「分かったふりをしない」事等の教育が大事。
 
13対策チーム運営
感染症の流行が起きた時は、絶対に、対策チームのメンバー全員を一時に同じ場所に集めてはいけない。余力を残し、最小限のメンバーで最大限の効果が出るような対応をする。翌朝になったら引継ぎをして、次のメンバーに残りの仕事を託す。充分な睡眠、体力の温存、ストレスの軽減は非常に重要。睡眠不足で判断を誤ったり、ストレスでスタッフの自殺を引き起こすようなことがないようにする。
 
14メディア対応が一番つらかったという声が多い。
メディアとは、時間の割き方について、あらかじめ約束事を決めておくのが良い。記者会見を行う時間も医療機関が設定すればよい。最悪の場合でも、一日一回やれば十分。最新の状況はホームページ上で毎日更新する。メディア対応に追われて疲弊し、本来の業務に支障が出ないように気をつける。
 
15医者自らは、例えば健康至上主義に陥りがちである自分の感情や信念や信条や価値観があることを自覚する必要がある。理想的には、主観的な自分を、もう一人のクールな自分が「鳥の目」で見ている、自らの主観を遠目で見て置くような態度が望ましい。リスク・コミュニケーターは、自分の価値観と相手の価値観、両方を大事にすると、効果的なリスク・コミュニケーションになる。
 
16リスク下では、人は情報を上手にキャッチする能力が著しく低下し、通常の半分も情報をまっとうに扱えなくなる。リスク下にある時は、短いメッセージ、通常は3つ以内のメッセージを繰り返し伝える必要がある。NHKの津波速報等を参考にするとよい。
 
 
17沈黙してはいけない。情報は提供され続けなければならない。積極的でくりかえされる情報提供は、デマ、流言に対する効果的な対策にもなる。デマやフェイクニュースは見つけたら、こまめに訂正する。
 
18多くのリスクは怒りを醸成し、その怒りはリスク・コミュニケーターに向けられる事もある。上手に怒りの感情を受け流すようなスキルが、リスク・コミュニケーターには必要。
 
19リスク・コミュニケーターは『聞き手』の方を向いている事が重要である。長い目で見ると、それが組織自身にとっても最良の選択であることを上司や同僚にも、前もって繰り返し伝えて置く。
 
20医療機関の場合、個人情報の保護と情報公開のバランスはいつも難しい問題であるが、基本的に、個人を特定しうる情報は一切公表してはいけない。
 
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21広報担当者にとって最も重要な事は、「後ろから刺されない」こと。上司・管理者の全面的な支持があって初めて、リスク・コミュニケーションは上手く行く。リスク・コミュニケーションは、組織の外で行う前に、先ず組織の中で行う必要がある。組織内での一貫性を持っておくことも重要。内的なコンセンサスを取り、外敵には見解は同じものに統一しておく。
 
22無関心(アパシー)も厄介である。特に組織のトップがリスクを理解しようとしなかったり、無関心だったりすると、リスク・コミュニケーションは非常に困難になる。情報隠ぺいに走ってしまった場合にも、有効なリスク・コミュニケーションは難しくなる。ロジカルにクールに上司を説得し、適切なリスク・コミュニケーションが、長期的には組織の利益となることを伝える。(続く)




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