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2021年01月27日幸福ニュース第854号
『感染症パニックを防げ!リスク・コミュニケーション入門』

『感染症パニックを防げ!リスク・コミュニケーション入門』
(岩田健太郎著、光文社新書)
 
新コロナウイルス肺炎が世界中で猛威を振るっています。感染症対策に関し何が大事なのかを、エボラ出血熱やSARSやバイオテロを扱った感染症専門家が書かれた本です。単に感染症対策のみならず、リスク・コミュニケーションの原則と技法と実例が書かれていますので、多くの人々の参考になる本です。
 
1.感染症は単に病気を治療するのみならず、同時に「パニック」と対峙する事が治療に劣らず重要な事である。即ち、リスク・コミュニケーションが非常に重要なのである。
 
2.リスクに対しては、パニックになってもよくないし、不感症になってもいけない。恐れすぎても、楽観的過ぎてもよくない。感染症という専門領域と、リスクコミュニケーションという専門領域の両方から考える。
 
3. リスク・コミュニケーションの目的は、リスクを正確に把握し、正しく対応する事、即ち、リスク・マネジメントにある。データは次々と更新し、新しい情報に基づいて新たなコミュニケーションを取る。
 
4.リスク・マネジメントにおいても「なんのために」は常に問い返さないといけない大切な命題。ちょっと油断すると、「対策の為の対策」「手段の目的化」「頑張っているというアリバイ作り」になってしまう。
 
5.リスク見積もりで大事な事
リスクを見積もる(リスク・アセスメント)時は、2つの点に注目する。「リスクが起きる可能性」と「起きた時の影響の大きさ」の2つで、「起こりやすさ」と「起きると大変」をごっちゃにしないことが大事。リスク・コミュニケ――ションでも、両者を区別して説明することが肝要。
 
6.リスク・アセスメントは幅を持たせて予測、見積もりする。リスク・マネージメントも一つの計画だけに固執するのではなく、いくつかの予測シナリオに基づいて、複数の対策計画と選択肢を持っておくことが大事。
 
7.リスク・コミュニケーションの3つのポイント
誰が聞き手なのか?(聞き手と聞き手の懸念事項)
状況はどうなっているのか?(現状把握)
なんの為にやっているのか?(目的)
 
8.リスクマネジメントにおいて、間違えたことよりも、「間違えて、それをすぐに認めない事」のほうが、後々のダメージは大きい。
 
9.危機下のクライシス・コミュニケーションでは、可能なすべてのツールを用いて、聞き手に行動を促す事が大事。「何を伝えるか」と「それが伝わって、相手がその気になっているか」が大事で、なるべくシンプルにまとめる。
 
10リスク・コミュニケーションにおけるプレゼンテーションを効果的に行う為に一番大切なのは、プレゼンテーションの目的をはっきりさせること。日本人のプレゼンテーションで一番問題なのは、「何が言いたいのかよく分からない」のが多い。リスク・コミュニケーションの目的は、あくまでもリスク・マネジメントの最適化なので、それに関係ない情報はバッサリと切り捨てる勇気が必要。
 
11リスク・マネジメントとは、「自分の知らない領域の自覚」から始まる。既存の知識で片付けようとすると、失敗する。もし、エボラ出血熱が日本に入ってきたら、どのような問題が生じるかを問い続け、色々な可能性を想定するために質問を重ねていく。
 
12答えが出ない問題と取っ組み合う力が必要。「患者の立場になったら、どういう所で困るだろうか」という「イマジネーションを伴う質問」が必要。その為に、学校教育の段階から、「答えが出ない問題」と取っ組み合う事、質問する事、「分かったふりをしない」事等の教育が大事。
 
13対策チーム運営
感染症の流行が起きた時は、絶対に、対策チームのメンバー全員を一時に同じ場所に集めてはいけない。余力を残し、最小限のメンバーで最大限の効果が出るような対応をする。翌朝になったら引継ぎをして、次のメンバーに残りの仕事を託す。充分な睡眠、体力の温存、ストレスの軽減は非常に重要。睡眠不足で判断を誤ったり、ストレスでスタッフの自殺を引き起こすようなことがないようにする。
 
14メディア対応が一番つらかったという声が多い。
メディアとは、時間の割き方について、あらかじめ約束事を決めておくのが良い。記者会見を行う時間も医療機関が設定すればよい。最悪の場合でも、一日一回やれば十分。最新の状況はホームページ上で毎日更新する。メディア対応に追われて疲弊し、本来の業務に支障が出ないように気をつける。
 
15医者自らは、例えば健康至上主義に陥りがちである自分の感情や信念や信条や価値観があることを自覚する必要がある。理想的には、主観的な自分を、もう一人のクールな自分が「鳥の目」で見ている、自らの主観を遠目で見て置くような態度が望ましい。リスク・コミュニケーターは、自分の価値観と相手の価値観、両方を大事にすると、効果的なリスク・コミュニケーションになる。
 
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16リスク下では、人は情報を上手にキャッチする能力が著しく低下し、通常の半分も情報をまっとうに扱えなくなる。リスク下にある時は、短いメッセージ、通常は3つ以内のメッセージを繰り返し伝える必要がある。NHKの津波速報等を参考にするとよい。
 
 
17沈黙してはいけない。情報は提供され続けなければならない。積極的でくりかえされる情報提供は、デマ、流言に対する効果的な対策にもなる。デマやフェイクニュースは見つけたら、こまめに訂正する。
 
18多くのリスクは怒りを醸成し、その怒りはリスク・コミュニケーターに向けられる事もある。上手に怒りの感情を受け流すようなスキルが、リスク・コミュニケーターには必要。
 
19リスク・コミュニケーターは『聞き手』の方を向いている事が重要である。長い目で見ると、それが組織自身にとっても最良の選択であることを上司や同僚にも、前もって繰り返し伝えて置く。
 
20医療機関の場合、個人情報の保護と情報公開のバランスはいつも難しい問題であるが、基本的に、個人を特定しうる情報は一切公表してはいけない。
 
21広報担当者にとって最も重要な事は、「後ろから刺されない」こと。上司・管理者の全面的な支持があって初めて、リスク・コミュニケーションは上手く行く。リスク・コミュニケーションは、組織の外で行う前に、先ず組織の中で行う必要がある。組織内での一貫性を持っておくことも重要。内的なコンセンサスを取り、外敵には見解は同じものに統一しておく。
 
22無関心(アパシー)も厄介である。特に組織のトップがリスクを理解しようとしなかったり、無関心だったりすると、リスク・コミュニケーションは非常に困難になる。情報隠ぺいに走ってしまった場合にも、有効なリスク・コミュニケーションは難しくなる。ロジカルにクールに上司を説得し、適切なリスク・コミュニケーションが、長期的には組織の利益となることを伝える。
 
23記者会見では、「現状分析」と「目標」を設定し、伝える。目標をきちんと理解してもらう事が重要。あとは、その目標から逆算して作り出した「計画」を開示する。記者会見では、「何を恐がり」「何を怖がらなくてよいか」を明確にする。。記者の質問やコメントは録音して、あとで、「言った、言わない」の問題が生じないようにする。必ずマイクを持ってもらい、質問を共有する。公表する内容は、本質的なポイントだけをまとめたA4一枚程度のサマリーを事前に作って置き、配布する。事態をメディアに理解してもらうように全力を尽くす。記者会見後は、そのサマリーを自らのホームページで発表し、可能であれば、全体の内容をYouTube等で発信すると良い。メディアによる情報の歪曲を防止できる。
 
24病院内でのリスク・コミュニケーション
組織内の会議でも、まず大事なのは「目標」を設定する事。そして、最終的な意思決定をする方法を決める。最終決定方法がどこにあるか分からないと、話し合って終わりという不毛な会議になりかねない。会議においては、必ず異論を言うチャンスを十全に提供する。エボラ出血熱のような感染症対策をテーマにする場合は、「今すぐ決めなければならない事」を先に決め、「後回しに出来る事」を後にする。理想的なのは、権限のある病院長がリーダーシップを発揮して、感染症対策チームに全権を委譲するのが良い。
 
25リスク・マネジメントの途中においても繰り返し、「目的」を明確にし、確認する。ともすると、日本人は「頑張る事」そのものを目標にしがち。また、部門間でお見合いして、仕事を譲り合い、漏れが生じない様に、感染症対策チームは目配りし、調整する。
 
26情報は隠蔽されるとパニックを導く、情報はきちんと公開されるべしというのが、大原則。一般大衆を無視せず、根気よく何度でも繰り返して、静かに説得していくのが良い。
 
27パニックになった人々を相手にするには。
リスク(危機)とそれに付随する怒りの両方を考慮して対話をする。先ず、何に対して怒っているかを明確にする。あまりに「大丈夫だ」が続くリスク・コミュニケーションも疑念が提示される原因になる。ネガティブな側面や懸念材料などを誠実に吐露した場合の方が相手は信用してくれる。懸念が無視されている場合も、怒りや敵意が生じる。通常の生活からの変更を要求される場合も、怒りを惹起しやすい。
 
28記者会見の時、明らかにこちらに非がない場合は、謝罪してはいけない。謝罪する理由が明らかでないのに謝罪してはいけない。逆に過度の正当化も良くない。記者会見では、クリアな頭脳と持久力が大事なので、記者会見の前は、十分に睡眠や食事と水分をとり、トイレにも行っておく。質問に対する回答は、できるだけ「結論から」言うのが基本。その後、理由や条件を提示する。
 
29プレゼンテーション
先ず、プレゼンターを決める。バックアップの為にもう一人予備のプレゼンターもいる方が良い。充分な準備が重要で、スライドより、トーク(話)が大事。トークを何回も練習しておく。事前に機器類はチェックしておく。アクシデントが起こった時の事も考えて、プレゼンできるようにして置き、取り乱さない様にする。「メッセージを伝えるのに何が必要か」が重要だから、相手に関連のある内容とスライドを使い、話をする。リスク・コミュニケーションではとにかく相手に伝わる事が最重要。質疑応答も大切にする。応えられない質問には無理に答えなくても良い。自分の専門外の事に関しては、中途半端なコメントはしない。分かっていない事、曖昧な事も正確に伝える。信用されるような見た目や態度も大事。
 
30メディアとの付き合い方
メディアに対して、インサイダー情報を流してはけない。メディアとつき合いながら、メディア側の


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