2002年4月2日第151号
幸福ニュース

【素晴らしい人生を送るための考え方】

今回は、京都セラミック株式会社名誉会長の稲盛和夫氏の書かれた『稲盛和夫の哲学』(人は何のために生きるのか)(PHP研究所発行)より、素晴らしい人生を送るための考え方を紹介させていただきます。人生を根本的に考えてみたい人や、幸せになりたい方にお勧めの一冊です。

【素晴らしい人生を送るための考え方】

全宇宙に存在するものすべてが存在する必要性があって存在している。そして、すべてが相対的な関係のなかで存在する。つまり、縁があって存在するのである。

人間は存在するというだけではない。世のため人のために貢献することができる。人間は「地球全体のことを思うこと」ができる唯一の生きものです。他の動物、植物にはそれはできません。だからこそ、人間が価値ある存在として、世のため人のために一生懸命努力するという使命を果たすことが大切なのです。

あらゆるものを生成発展させていこう、進化させていこうというのが宇宙の法則。宇宙には愛が偏在している。すべてのものをなりたたせる『存在としかいいようのないもの』が宇宙の意志である。

人生というものは、ひと言でいえば、「心を高めるプロセスである。」人生は心を高めるための修練の場である。

死ぬときまでにどれだけ人格、品性を高めたか、そのことだけが人生の勲章あり、事業で成功する、学問で博士号をとる、組織で高い地位に就くなどということはあまり価値がないのです。貧乏であっても、病気をしていても、自分の心を鎮め、少しでも高い人間性をつくっていこう。

普通なら、貧乏や病気になれば心がすさむでしょう。しかし、「貧乏でもいいではないか、三度三度の飯がなんとか食べられるのだから」と思ってみれば、人生観はいっぺんに変わります。生きる勇気が湧いてきます。

人間は自由を手に入れたがゆえに、その自由の使い方によって悪にもなり善にもなる。お釈迦様は人間が本能むき出しのままに生きれば、つまり自由でありすぎれば悪をなすことがあると知って、「本能を抑えること」「欲望を抑えること」「足るをしること」「持戒をすること」を説いた。

お釈迦様の教えた「目覚め」・・・・『六波羅蜜』(ろくはらみつ)
 布施(ふせ)・・人様のためにつくしなさい。(人助け)
 持戒(じかい)・・足るを知って戒律を守りなさい
 忍辱(にんにく)・・耐え忍びなさい
 精進(しょうじん)・・働きなさい。(努力)
 禅定(ぜんじょう)・・心を鎮めなさい
 智慧(ちえ)・・仏様の視点で考えなさい

尊い自由は包丁のようなもので、使いようによっては人を善にも悪にもする。自分にとっての自由が他人に悪となることがある。まだ、個が形成されていない幼稚園のときから、自主性を尊重するというのは、勝手気ままに育てるのと同じである。そういう教育の結果が、何才になっても自己の欲望を抑えられない子供たちを生むことにつながっている。

青少年の問題で最初に考えるべきは、「心というものをつくるために何をなすべきか」であり、基本となるのは、「われわれ人間は自己の欲望を抑え、辛抱をし、そして働くということが、心をつくるために必要なことだ」ということを教えることです。そして、特に布施(人助け)と持戒(やってはいけないこと)を若い人に教える必要がある。

運命と因果応報の法則
運命は宿命ではなく、因果応報の法則により変えることができる。つまり、善きことを思い、善きことを行うことによって、運命の流れをよき方向に変えることができる。

われわれが善き意識をもったとき、宇宙に充満する「すべての生きとし生けるものよ、よかれかし」という意識・・・「創造主の意識」といってよいかもしれませんが・・・と合致します。そのような美しい個人の意識は、宇宙の意識と波長が合い、すべてがうまくいき、物事が成功、発展へと導かれていくのです。

生きている間にどのくらい世のため人のために貢献したか、つまり生きているときにどのくらい善きことをしたかが、万人に共通する魂の価値である。

人それぞれのコースをたどって生き、人生が終わるわけですが、どのコースをとろうとも、それは「人間性を磨くために創造主が与えてくれた道だった」と理解すべきだと思う。

成功さえも試練である。成功して有頂天になり、鼻持ちならない人間に堕していく者もいれば、成功が自分の力だけでなしえたものではないことを悟って、さらに努力を重ね、自らの人間性を高めていく人もいる。

人生で苦難と幸運のどちらの試練に遭遇しようとも、つねに謙虚に前向きに対処できるかどうか、それによって、先ほどもいったように、その人が天国のような人生を生きるのか、地獄のような人生を生きるのかが決まってくるのです。

憎しみ、恨みは恐ろしい反作用をもっていて、その当人の心を傷つけ、切り刻みます。いや、心だけでなく、肉体までも切り刻むのです。恨みつらみは水に流せばよいといっても、なかなかそうはできないのかもしれません。許せないものを許すということは、人生において最大の修行でしょう。しかし、人間性を高めるためにも、「許す」ということが、大事になってきます。

悩みから脱却する方法
第一に、悩む暇があったら誰にも負けない努力で働く。第二に謙虚にしておごらない。第三に毎日反省する。反省するのは悩むこととは違います。第四に足るを知って、生きていることに感謝する。第五に自分よりも相手によかれという利他の心をもって生きることです。

西郷隆盛があそこまで成長できたのは、島津斉彬に育てられたのもさることながら、度重なる苦難を経験したことが大きかった。松下幸之助も自分の家が没落したために、小学4年の終了を目前にして学校をやめ、丁稚奉公にだされた。しかし、そういう境遇をひがまず、めげずに前向きに努力したからこそ大成できた。

西郷のような情と大久保のような理性と冷徹さが事業には必要である。大事なことは、最初の段階では理性で考え、実際の対応において情をつけることだと思います。

労働を通じて「人間の心をつくる」というのは、現在の日本人にはとりわけ重要なことだと思います。本来労働とは、たんに報酬を得るためだけのものではありません。とくに貧しい時代であれば、働くということ、勤勉に勤めることが、自己の欲望・・休みたい、怠けたい、遊びたいというような欲望・・を抑えることにつながり、それが結果として、人間の心を鍛えることにもなった。働くことの目的を生きる糧を得ることにとどめず、人間の心をつくるためであると再定義してもよいのではないか。

もともと善と悪があるのではないのです。根は同じところ・・愛から始まっています。その愛の使い方によって、善にもなり悪にもなる。自己愛に終始した場合に悪をなし、他者を思うという愛に目覚めたときに善となる。善悪の分かれ目とは、自己を愛する「愛」と他を愛する「愛」のあいだにあるのです。

自然界は普遍的な愛にあふれ、全体としては共生しています。それは、自分だけ繁栄したのでは必ず相手を破滅させて、自分も将来は疲弊してしまうということを知っているからだろうと思います。ですから、仏教にある「足るを知る」という考え方が共生を実践するためのキーワードになるのです。

苦労するのは生きている証拠。災難に遭うのは、過去に作った業(ごう)が消えるときです。業が消えるのだから、喜ぶべきです。

善き想念とは「世のため人のため」という想いである。善きことを思えば善きことが起こり、悪いことを思えば悪いことが起こる。ならば、善きことを努めておもうようにしましょう。

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感謝・明朗・愛和・喜働・利他・善想が幸福へのキーワードのようですね。合掌

【坂村真民詩集】

《 念ずる 》

念ずるのだ
 念ずれば
 花ひらく
八字十音の真言を
一切衆生の胸に
点火することを
念ずるのだ

念ずるのだ
あの人この人の処へ
タンポポのように飛んでいって
慰め励ましてゆくことのできる
そういう人間になり
そういう詩をつくることを
念ずるのだ

念ずるのだ
大きな病気にもかかわらず
人に迷惑をかけず
世尊のように
涅槃に入ってゆける
自分になりたいと
念ずるのだ

念ずるのだ
この家で
あと二十年
詩精進のできるよう
諸仏諸菩薩
大詩霊さま
大詩母さまに
念ずるのだ

【仏語集】

 貪(むさぼ)りと瞋(いか)りと愚かさという三つの毒に満ちている自分自 身の心を信じてはならない。自分の心をほしいままにしてはならない。心を おさえ欲のままに走らないように努めなければならない。(四十二章経)

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第143号 ベスト・パートナー

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