2001年11月20日第142号
幸福ニュース

【 小さな人助け 】

 ようこそお参りなさいました。遠いところからご参詣いただきましてありがとうございます。ここのご本尊様は皇円大菩薩様です。法然上人のお師匠様でございます。今日はこの仏様に御祈願してみてください。非常に力の強い仏様でございます。

 ただ、同じように参られても、ご利益たくさんいただける方、少ししかもらえない方、あるいは、ごくまれにではございますが、「あらー、バチがあたったわい。」という方もいらっしゃるようでございます。(笑い)

 どうしてそういう違いが生じるのか。やはり、皆様方の日頃の行いや心の持ち方の違いによって、ご利益も違ってくるのではないでしょうか。日頃、「仏ほっとけ、神かまうな」で、困った時だけ、「神様、仏様、助けてください。」とお願いしても、仏様も困るのではないでしょうか。皆様も、日ごろ疎遠にしている人から、突然「百万円貸してくれ」といわれても、二つ返事で「はいよ」というわけにはいかないのと同じですね。

 ではどうすればご利益をたくさんいただけるのか。やはり仏様の教えを実行する人にご利益はたくさんあるのではないでしょうか。では、何をすればよろしいのか。

 それは簡単です。「諸悪莫作、衆善奉行(しょあくまくさ、しゅぜんぶぎょう)」(悪いことをしないで善いことをしなさい」ということにつきます。「なーんだ、そんな事なら、子供でも知っているではないか」と反論した人がいます。唐の有名な詩人、白居易です。それに対して、中国のお坊さんは、「その通りだよ。でも、大人ほど実行するのが難しいのではないかい。」と答えたという話です。

 でも、「わかっちゃいるけどやめられない。」これが人間です。やれ、酒だ、男だ、女だ、地位だ、名誉だ、権力だ、仕事だ、ギャンブルだ、男の面子だ、女の意地だと、ついつい自分の考えにこだわって、自分で問題を起こして、自分で苦しんでいる、そういうところが人間にはありますね。

 これが国と国同士、あるいは、宗教と宗教同士になると、自分の方が正しいということで、ドンパチドンパチ、戦争になるわけです。

 そういう現状の中で、どうしたら、幸福になれるか。自分が幸せになろうと思ったら、まず、身近なまわりの人達を幸せにしましょう。そうすれば、あなた自身も幸せになれますよと仏法では説いています。

 こういう話があります。日本の中年の女性の方がインドに行かれた時のことです。お弁当を食べ残して捨てようとしたら、インド人のちっちゃな女の子が寄って来て、「おばちゃん、それちょうだい。」「ああ、いいわよ。」ということで、あげたそうです。そうしたら、「どうもありがとう。これで、明日のご飯が確保できた。おばちゃん、明日のご飯を心配しないですむっていうことは、とっても幸せなことだね。」と言ったそうです。・・・・・まだまだ、そういう人々が世界中にはいるということです。

 ちなみに当寺では、一ヶ月90食のうち、一食を抜きましょう。そして、それを世界中、まだ恵まれない人々を助けるために使いましょう、という運動を行っています。『一食布施』と書いて、「いちじきふせ」と読みます。

 現在の日本は飽食の時代です。狂牛病騒ぎも、仏様からの警鐘かもしれません。また、終戦直後の食料難を体験された方は別ですが、このごろの若い人々は、明日のご飯がないというようなことは想像すらできません。

 一ヶ月のうちたった一回です。好きな時に抜いていただいて、お子さんやお孫さんとお茶でも飲みながら、「世界中で、まだ満足に食べていない人は、どれぐらいいるんだろう。」(実は、3分の1の人はまだ満足に食べていないと言われています。)「日本の食糧自給率は、どれくらいあるんだろう。」「私達にできることは何があるんだろう。」というような話をしてみると、いいのではないでしょうか。

 他にも、私達にできる小さな人助けは、たくさんあるはずです。一日ひとつで結構です。小さな人助けを実行してください。それが、きっとあなたの幸せの素となることでしょう。『情けは人の為ならず。』です。合掌

【坂村真民詩集】

《 愛の鈴 》

愛の鈴を

鳴らしてゆこう

彼方の山に

ひびくまで

彼方の海に

とどくまで

すべてを救う

愛の鈴

《 不可思議 》

御利益を期待してはいけないが

御利益というものは必ずある

それを不可思議という

【仏語集】

 仏の智慧を信ずるのが信であり、貪(むさぼ)り、物惜しみする心を離れて、常に他人への施しを好むのが、布施である。さらに、因と縁の道理を知り、ものみながうつり変わる道理を知るのが、智慧である。 (パーリ相応部)

-------------------------------------------------------

☆ご意見、ご感想、ご投稿をrengein@uproad.ne.jpへどうぞお寄せください。☆

【「幸福ニュース」無料購読申し込み 】

*あなたも メールマガジン「幸福ニュース」を購読しませんか。費用は、無料です。 下記に登録するだけで、E-MAILで毎月3回自動配信されます。

メールマガジン登録

電子メールアドレス(半角):
メールマガジン解除

電子メールアドレス:

Powered by Mag2 Logo

女性のためのメルマガストア「ティアラオンライン」

□インターネット・エクスプローラーでご覧になられることをお勧めします。□

バックナンバー

第141号 内観で自己発見

第139号 一流スポーツ選手名言録

第137号 日本のより良い未来

第135号 『勝ち組』の構想力

第133号 説得術

第140号 幸福になる法と不幸になる法

第138号 仕事を楽しむ方法

第136号 不登校

第134号 笑顔と涙をありがとう

第132号 拒食症

幸福ニュース・バック・ナンバー(第71号以降〜)

幸福ニュース・バック・ナンバー(第1号〜70号)