2003年5月28日第196号
幸福ニュース

【ただしい人から、たのしい人へ(1) 】

 今号は、小林正観著『ただしい人から、たのしい人へ』(弘園社)を紹介させていただきます。神奈川の坂井先生のお薦めで読みましたが、私の今までの人生で、一番感動した書物です。皆様も是非是非お読みください。著者の深い人生洞察が伺える本です。

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【ただしい人から、たのしい人へ(1)】

(A)エピソード

 30才のとき結婚しました。3年間は子供ができませんでした。33才のとき、子供を授かりました。待望の子供(長女)が生まれましたが、智恵遅れの障害児でした。

 別室に呼ばれて、私は医師からこのように宣告されることになります。「この子は先天的な障害児です。手術によっても、薬によっても、リハビリによっても治ることはありません。」

 目の前が真っ白になりました。それから半年間、私は色の付いていないモノクロの風景を見ることになりました。私の目は色を識別できなくなってしまったのです。

 半年たって読んだ新聞記事の一つに、このようなものがありました。「新生児の600人に1人は、障害を持つ子供が生まれる。あなた方も20才になって、将来結婚をするであろうから、その生まれる子供に障害児が生まれてくる可能性もある。そういうときの心構えを持っていた方がよい。」というようなとても短いコラムでした。

 私にとっては、この小さなコラムが救いでした。こう思ったのです。「うちに生まれてきてよかったね。私は障害がある子をいじめたり差別をしたりはしないし、私の妻も優しい人だから、いじめたり差別をしたりはしない。あなたは、そういう両親を選んで生まれてきたんだね」と。

 そう思った瞬間に、半年前に失っていた「色」が戻りました。風景に色が付いたのです。瞬間の出来事でした。

 半年間、私は苦しんでいました。悩んでいました。なぜなら、生まれた子供を受け入れることができなかったからです。しかし、そのとき、目の前に乗り越えるべき大きな障害や障壁が立ちふさがっていると思っていたものが、実は幻であったということに気が付いたのでした。

 私自身が障害や障壁だと思っていた大きなものは、私の認識だけの問題だったのです。

私が「赤ちゃんあなたは、よかったね」と思えた瞬間に、その問題は消滅していました。努力や苦労をして乗り越えたのではなく、乗り越えなければならないと思っていた障害や障壁が、その瞬間に消滅したのです。乗り越えたのではありません。乗り越える必要がない状態になったのでした。

 生まれてからわずか半年後に、この子は私に大きなことを教えてくれました。悩み・苦しみというのは、実はその目の前の現象を否定し、受け入れないところがら生じているのだということを。

(B)3秒で悟る法

 どんな問題をも解決することができる「3秒の方法」があります。わずか3秒で悟ることができるのです。

 『3秒で悟る方法』
   1秒目、過去のすべてを受け入れる。
   2秒目、現在のすべてを受け入れる。
   3秒目、未来のすべてを受け入れる。

 悩み・苦しみというのは、自分が問題だと思う現象を受け入れず、否定し、どうしてもそれを認めることができない、というところから発生しているようです。私達は、目の前に起きている現象を認めれば、楽に生きることができます。

 私たちは、世の中に起きる現象は中立である、ということを勉強しているグループです。現象について批判を加えるのではなく、それが実は喜びや幸せであるというとらえ方もでき、さらにその現象について手を合わせて『ありがとう』と言うこともできる、という見方を勉強し、訓練しています。

 私達の目の前に起きている現象に「良い」とか「悪い」という性格付けはなされていないようなのです。つまり、「幸」や「不幸」というのは、すべてそう思う人が決めていることであり、宇宙的に「これが幸で、これが不幸である」という意味での「幸」や「不幸」は存在しないように思います。

(C)神と悪魔

 悪魔は、人々が仲良しで、お互いに笑顔で、隣り合った人を助け、温かい空気の中で共に生きていく、ということを大変嫌います。敵意と憎しみのあるところにだけ悪魔は住むことができるからです。

 それに対して、「自分ができることは周りの人にしてあげよう」とか「手を貸せることについては手を貸してあげよう」、あるいは「できる限り自分が喜ばれる存在になろう」という心を持っている人が増えると、悪魔は住むところがなくなって、とても困ります。ですから、まず自分の心の中から敵意や憎しみを取り去ることが大事です。

 かなりの人格者でも、最後に残るのは、「正義感」「使命感」から来る「怒り」「憎しみ」があります。それさえも捨て去らないと、本当の平安は得られません。

(D)執着とありがとうの奇跡

 執着が強い人には、なかなか奇跡が起きないようだということです。トイレ掃除にしても「ありがとうの奇蹟」にしても、「そうならなくていいけど、なってくれたら嬉しい、楽しい、幸せだ」と思うこと(執着をなくすこと)が、宇宙とつながることになるようなのです。

 執着を強く持っている間は、宇宙とはなかなかつながりません。宇宙の無限なる支援を得たいと思うのならば、執着を捨てること。「そうでなくてはならない」というこだわりや、とらわれを捨て、そこからいかに切り離されるかということがポイントであるようです。

 「こうであらねばならない」「どうしてもこうしたい」「私はこうでなければならない。家族もこうでなければならない。社会も、宇宙もこうでなければならない」という「ねばならない」をたくさん持っている人を「ねばねばした人」と私は呼んでいるのですが、「ねばねばした人」「粘着力の強い、執着の人」ということにほかなりません。そして、ねばねばと執着している人は、なかなか自由に気持ち良く上に伸びることができず、そのために天や宇宙と手を結ぶことができない、という構造になっているような気がします。

 過去のことをクヨクヨする必要もないし、未来のことを心配する必要もない。ただ「念」を入れて生きていけばよい。「念」という字は「今」の「心」と書く。つまり、今、目の前にいる人、目の前に起きていることを大事にして生きていけばよい。

 力を抜いて生きること。頑張って、執着して「そうでなければイヤだ』と思っている時は、そうならないんですよね。結局、力を抜いておまかせした途端に、あれほど望んでいた子供を授かったということは、神様が私にそういう法則を教えてくれているのだと思います。

(E)光と闇

 「光り」と「闇」は等分に力を持って闘っているわけではなく、力で言うと、100対ゼロなのです。「光り」が100で、「闇」の力はゼロ。「闇」は「光り」に対抗する力を、全く持っていません。ですから、「闇」に向かって歩いて行く「私」が「光り」であれば、そこは「光る」のです。

 口からはいつも「嬉しい」「楽しい」「幸せ」「愛してる」「大好き」「ありがとう」が発せられ、笑顔と優しさにあふれているとしましょう。その「明るい人」(「光り」)が歩み入って行くところは、すべて「光り」に満ち、「明るい」ところになってしまうのです。「世の中を暗い暗いと嘆くより、自ら光って世の中照らそう」

 また、病気がちの家族の間では、怒りの言葉、どなり声、否定的な言葉、皮肉っぽい言葉などが飛び交っています。これに対して、病人が一人もいない家族の方では、『ありがとう』とか『幸せ』とか『夕焼けがきれいね』というような、温かい言葉や会話が交されているように思います。生きていることを肯定し、楽しんでいるからでしょう。このように、家族の間で常に温かい言葉や喜びの言葉が交されていると、なぜか病気が少ないようなのです。(続)

本の発行所:株式会社 弘園社
〒430-0942 静岡県浜松市元浜町214
電話・FAX(053)471−0114

【坂村真民詩集】

《 試練 》

試練は

鞭ではない

愛なのだ

慈悲なのだ

【仏語集】

 世界はそれ自体の実体を持っていない。心のはからいをなくす道を得なければならない。外の形に迷いがあるのではなく、内の心が迷いを生ずるのである。(仏昇とう利天為母説法経)

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