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2010年4月7日第474号
幸福ニュース

【 離婚の危機 】

 ここへ来る前に私が内観についてイメージしていた事は、3つ の質問を自分の中で繰り返し調べていく事によって、潜在意識を 呼び起こし、何らかの気付きを得ると、何か特別なものを得られ る様な漠然としたものでした。あまりイメージばかりふくらんでも、それを求めてしまうし、執着してしまうと思い、とにかく一生懸命やってみようと、こち らへ来させて頂きました。

 内観する理由としましては、配偶者といつからかすれ違いの生 活になり、夫から「私に対する気持ちがわからなくなった。」と 言われた事からです。去年3ヶ月間外国へヨガの勉強に行ってい た私が、帰国して突然つきつけられた言葉でした。

 それからしばらく経って、ある方から、外国での仕事の話をも ちかけられました。「これは何か縁がある事なのかも知れない。」 と、そう思う自分がいましたが、最終的な決断が下せない自分も おりました。本当に自分の心の中で、八割がた気持ちが固まりかけておりま したけれども、それが一番良い選択なのかを確かめたい思いで来 ました。

 私は母に2回、義父に1回、配偶者に3回、その母に1回、そ れぞれ内観させて頂きました。最初は淡々とその時期にあった出 来事を思い出させて頂きました。途中雑念がわいてしまう事、周囲の物音ばかり気になってしま う事も多くありました。ですが、そのような自分に気が付いた時 には、また真剣に取り組ませていただくという、その繰り返しで した。

 それが4日目を過ぎた頃から、周囲の音が全く耳に入ってこな くなり、少しずつですが集中させて頂くことができる様になりま した。それと同時に、内観して浮かんできた事実に合わせて、いかに 今までの自分が周りの方にして頂いたことか、迷惑をかけていた ことか、その多さを痛感させて頂く様になりました。

 母親の愛情を多く受けて育った私は、本当に母の事が大好きで した。結婚をして実家を離れた今では、母と食事する時間を取っ たり、誕生日のお祝いをしたりと、私なりにご恩返しをさせて頂 いているつもりでおりました。

 ところがいざ内観させて頂くと、私の一生をかけても返せない ほど、して頂いた事が多いことに気付かせて頂きました。そうして、ふと今までの自分の生き方を振り返りますと、自分 本位に好き勝手に歩んできた事に気付き、何故今まで気付くこと ができなかったんだろうと、涙があふれて、母に対する申し訳な さで、胸が一杯になりました。

「子に対する気持ちは、自分が母親にならないとわからない。」 と言います。本当にそうなのかも知れませんが、この内観を通し て、今まで生きてきた人生の中で、こんなにも母の真の愛情の深 さに気付かせて頂いた事は他にありません。

 配偶者に対しての内観では、一度目からご迷惑をおかけした事 が数多く浮かんできました。それだけ、結婚生活たった3年間と いう短い時間ですが、夫に苦労をかけ、とても我慢をさせていた 事が多かったんだと気付かさせて頂きました。

 一年ずつ思い起こさせて頂くに従って、「どうしてもっと優し くなれなかったんだろう。相手の素直な気持ちに耳を傾ける事が できなかったんだろう。」という気持ちばかりがわいてきました。

 夫に「思いやりが足りない。」と冷たい言葉を言ってしまった 自分自身の全くの思いやりの無さに、胸が痛くなりました。彼が どれほど忍耐強く、優しい心の持ち主か、今初めて真に気付かせ て頂いたように思います。

 内観を無事に終了させて頂き、何が大切なのか、何が幸福なの かを本当に気付かせて頂けたと思っております。これからは、も う一度夫とやり直したいという気持ちで一杯です。

 本当に大切なのはこれからだと思います。先生方に頂いた言葉 の数々を胸に、完璧すぎず、いつでも他のためを思って行動を起 こす事の出来るような自分になる為に、日々努力していきます。 本当に皆様にお世話になりました。ありがとうございました。

【坂村真民詩集】

『 まだまだ 』

まだまだ
信仰が足らぬ
まだまだ
修行が足らぬ
まだまだ
愛情が足らぬ

しんみんよ
砥部の砥石で
己れを磨け

(注:砥部は砥石の名産地)

【仏語集】

 人ははからいから、すべてのものに執着する。富に執着し、財 に執着し、名に執着し、命に執着する。  有無、善悪、正邪、すべてのものにとらわれて迷いを重ね、苦 しみと悩みとを招く。
                (蛇喩経)

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