2004年1月29日第220号
幸福ニュース

【 インド面白旅行記(1) 】

 1月8日から18日まで、国際援助の仕事でインドを東西南北に駆け巡るハードな旅行をしてきました。今回は、ダライ・ラマ法王への謁見とチベット亡命政府教育省とのチベットの「子供の絵本出版プロジェクト」の打ち合わせが主な目的です。

 8日の早朝熊本を発ちましたが、悪天候のためエアー・インディアが10時間遅れとの情報が、前日既に入っていました。そこで、成田空港で出発時間の確認とチェックインを済ませた後、時間が充分あるので、新宿にあるダライラマ法王日本代表部を訪問することにしました。

 お昼一時ちょうどに着き、早速、チョペ・ツェリン代表とルントック文化広報担当官にお目にかかり、法王様への連絡を再度お願いしました。その時、代表がインドのジョークを披露してくれました。「バス停留所にバスがやってきました。それを見て『すごい!時間どおりに来た!』と言ったら、隣りの人が『「昨日のバスだよ』と言ったそうです。」それを聞いて、皆「ワッハッハッ・・・」と笑っていました。ああ、仏ならぬ身、これが現実になろうとは、その時は知るはずもありません。

 さて、夕食をすませ、8時には出国手続きを終え、10時間遅れのエアー・インディア307便に乗り込みました。名古屋に住む日本語の流暢な面白いインド人もいて、にぎやかに話しながら夜10時の離陸を待ちました。ところが、11時になっても出発しません。誰か遅れているのかなと思い、本を読みながら待っていました。

 そのうち、「ゴン、ゴン、ゴン・・・」という音が聞こえました。そして、また1時間ほどが過ぎました。まだ飛行機は動きだしません。さすがに待ちくたびれ、眠くなってきた真夜中のちょうど12時、機長のアナウンスがありました。「この飛行機は飛べる状態にありません。乗客の皆さんは飛行機を降りて、ホテルへ移動してください。貨物室のドアが閉まりません。」という、誠にしまらない内容でした。さっきの音は貨物室のドアを無理矢理閉めようとした音だったのです。

 さぁー、眠い中、荷物をもう一度受け取って、再入国しました。何度も海外旅行している人も、「パスポートにこんなスタンプを押されたのは初めてだ。」とボヤイていました。(つまり、今回は、1回の旅行で二度出入国をしたわけです。)ホテルに着いて出発予定時刻を聞いても、翌朝6時に連絡しますとのことで、「まぁー眠るしかない。インド旅行はいつも待たされる事が多いなー。」と、機内ならぬホテルでの一夜となった次第です。

 翌朝聞くと、お昼12時離陸とのことで、まさに冗談通り、丸一日遅れの出発となりました。お寺に連絡すると「えー、まだ、成田なの。」「東京は遠いですからねー。」と言っていたそうであります。

 9日お昼12時ようやく成田空港を離陸しました。思わずバンザイしようとしましたが、頭の上の荷物コンテナーがまだ閉まっていません。あわてて、乗客全員で閉めてまわる騒ぎでした。私の席は読書用のライトもつきません。果たして、10日のダライラマ法皇との謁見に間に合うだろうかと心配しつつの飛行となりました。

 10時間のフライトの後、一日遅れで、夕方6時(現地時間、時差は3時間半)にデリー空港に着きました。デリー空港の表示はずーっと「ON TIME(定刻どおり)」になっていたそうで、日本からのEメールで初めて一日遅れを知ったそうです。

 さてホテルで早速打ち合わせて、翌朝3時半起きで、再びデリー空港から国内便で、インド大陸のど真中にある南のナグプール市に飛びました。この季節はインド中霧が多く、交通網に障害が出るのですが、この時は、仏様のご加護か不思議に霧がなく、無事定刻通り出発し、ナグプール市に到着できました。そこから車で1時間半のバンダーラ市へ移動します。

 バンダーラ市に近づくにつれて要所要所に警官の数が増えてきます。前回と違い警戒厳重な感じです。バンダーラ市の林野庁森林管理寺務所が法王の宿舎にあてられていて、お昼頃の到着を待っているとの事でした。ここから車で約2時間半の所にあるノルゲリン居留区の責任者、ゴンポ・タシ氏が出迎えてくれました。ホテルで僧衣に着替え、連絡を待ちます。

 1時に謁見ということで、急いで森林管理寺務所に行きました。インド情報省の厳しいセキュリティー・チェックに遭い、一時は法王を目の前にして会えないかという場面もありましたが、何とか通してもらい、謁見にこぎつけました。

 ついにダライラマ法王との謁見です。日本で言えば、戦前の天皇陛下にお会いするようなものですから、チベット人の通訳などはコチコチに緊張しています。挨拶の後、ゴンポ・タシ氏の説明で、「れんげ国際ボランティア会」が長年ノルゲリン居留区のチベット人家屋改修を行ってきた事が述べられ、法王から感謝のお言葉を頂きました。

 また、教育省のチベットの子供達への出版プロジェクトを援助している事を説明し、重ねて感謝のお言葉を頂き、法王様から、直接祝福のタカ(白い布)を首にかけてもらいました。ダライ・ラマ法王はお顔が非常に大きく感じられるような方で、お声は素晴らしく張りのあるバリトンで力強さがありました。

 無事謁見が終り、帰りにガソリンスタンドに下りた時、通訳のチュプテンのズボンのまたの所が大きく裂けているのに気がつき、「どうしたの」と聞いてみました。すると、先ほどの法王との謁見で最初に3回、五体倒地して挨拶したときに裂けてしまったと言うのです。思わず、皆吹き出して笑ってしまいました。

 翌朝いったんデリーに戻り、今度はチベット亡命政府教育省との打ち合わせのために、インド北部の山中にあるダラムサラ市に車で向います。途中チャンデガル市に一泊しますが、全部で12時間の自動車旅行です。

 チャンデガルはシーク教徒の町です。ここがインドかと思うぐらい、きれいな大都会です。商人の町でもあります。皆さんも頭にターバンを巻いた男の人の写真をみたことがあると思いますが、シーク教徒の男性は髪もひげも切りません、伸ばしたままです。ですから、シーク教徒の男性だけは、バイクに乗るとき、ヘルメットなしでいいということになっています。兵隊に行ってもターバンを巻いたままですし、神のご加護の方が強いので、ヘルメットをかぶらなくて、いいそうです。

 ダラムサラでは、教育省大臣招待の夕食会が待っていました。お酒の好きな宗務長先生はもちろん、私も、前回首相の時と同じように、アルコールが当然出るだろうと思って楽しみにしていました。ところが、飲物はチャイ(ミルクティー)やコーヒーやコーラだけなのです。「前首相の時は酒がでて、その時の酒好きの通訳には、ディナーが終わるまで飲んだらダメだぞと言ったら、首相がウイスキーを飲む時、本当にうらやましそうな顔をしていた。」というような話をして笑わせました。そうしたら、「今の首相はラマ僧だから、方針が変わって、お酒はだめになった。」と言われ、非常にがっかりでした。(続く)

【坂村真民詩集】

《 ロマン 》

宇宙は一個の

大きな白蓮華だという

壮大なインドのロマンが

わたしを仏の前に

ひれ伏させ

わたしの魂を

無限の彼方に

飛翔させる

【仏語集】

 病のないのは第一の利、足るを知るのは第一の冨、信頼あるのは第一の親しみ、さとりは第一の楽しみである。

 悪から遠ざかる味わい、寂(しず)けさの味わい、教えの喜びの味わい、この味わいを味わう者には恐れがない。

 心に好悪を起こして執着してはならない。好む事、嫌う事から悲しみが起こり、恐れが起こり、束縛が起こる。(法句経)

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