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2007年1月30日第375号
幸福ニュース

【 ガンと父と私(55才女性の内観) 】

 一日目の内観は、母について、してもらったこと、お返しした こと、迷惑かけたことをやりました。

 小学校前の事は、不思議と母の記憶がほとんどなく、祖母にち ゃんこやお布団をつくって頂いた事等が、かすかに思い出される 程度です。ちゃんちゃんこが鼻水で固くなっているのも思い出しました。 たぶん大家族の中で私をかまっている余裕もなかったのではない かと思います。家の棟上の時、おもらしをして泣いているのを母が見つけてく れたのを覚えています。大黒柱の近くだったような記憶がよみが えりました。

 実母と、25才の時に後妻さんに入った二度目の母の事は、私 のわがままが多く、そんなに問題はなかったです。むしろ、父の 実家に幼い頃はおり、お茶工場を経営していることもあり、人の 出入りは多く、小中学校とも、良い悪いは別にして、叔父の恩恵 で成績は良い方だったかもしれません。

 問題は、長年私の深い傷になっていた父の事でした。父の家庭 内暴力とセクハラの事は誰にも言えなかった。もう忘れていたと 思っていたが、ここ一年くらい心の中にふたをしておいたはずが、 時々グワッと出てきて、「ゆるせん。許せん。」となり、父の所 へ行ったが、80才の父の顔を見ると何も言えず帰ってきた。そ れで、内観を受けたいと思い、今回に至った。

 小学校前にお世話になった事、かすかではあるが、父が居間の ランプに灯りを入れて下さる顔と、私が少し離れた所で笑ってい る顔が浮かんだ。そのあと神棚を拝んで歩く父の厳粛な顔が浮か ぶ。その頃私がしてあげたことは、殆どないと思います。

 小学校の頃のことを思い出そうとするといやな記憶ばかりが浮 かび、内観にはならなかった。落ち着かず、私は集中力がないか らダメだと思った。ガンなので、皆の半分しか進まず、思い起こ すのは、いやなことばかりだったかもしれない。それでもと思い、 母や祖母の事を先に内観することにした。

 そうすると懐かしい気持ちと幸せな気分になり、父への内観を 進めることができた。まず、お世話になった事は、まだ、テレビ がない時代なので、低学年の頃は昔話を話してくれたと思う。高 学年では、毎日夜、外出しない日は勉強をみてくれた。本当はな ぐられるので、あまり覚えられなかったが、奇妙にその事は今ま で忘れていた。そしたら次々と思い出し、そういえば、推古天皇 に始まって、その時代時代に起こった出来事を毎晩私と弟に聞か せてくれた。

 させていただいた事は、その当時は、農繁期休み等があり、お 茶、田植えに隣町から手伝いの人達がくるので、その中に入って お手伝いをしたことです。それも自発的にではなく渋々で、農家 でない人がうらやましかったです。

 ご迷惑をおかけしたことは、田植えで苗を投げる時、餅米とう るち米とを一緒にまぜて投げてしまったことです。ほとんど見分 けがつかなかったので、父は困り果てたと思います。大変叱られ ましたが、その時は女衆がとりなしてくれて、叱られなかったの ですが、その後怖くて家に入れなかった。そして家の周囲の囲い の中でじっとしていて、八時頃だと思いますが、近所の人達が探 し回り見つけられ、その晩は叱られずにすんだが、ご迷惑をお掛 けしたと思う。

 父の殴り方はひどく、いつも5本の指のあとがつく。母が止め ると、母もすごく殴られるので、手出しはできず、殴られそうに なると、「お父さんに殺されるから、早く逃げなさい」と言われ、 逃げようとするがいつも間に合わない。いつもおびえる毎日の私 だった。お風呂にいれてくれてもいたずらされるし、本当にいや だった。

 でも内観時はいやな事を忘れていた。父は新聞は一面から読む し、聞けば知らないことがない位何でも知っていた。政治経済は もちろんのこと、数学も中学2年までに教えていただいた。

 でもまだまだ、私の気持ちはおさまらなかった。あまりおさま らないので、面接の方に伺ったところ、「許すしかありません」 とさらっと言われた。その時何か心が軽くなっていくのを感じた。

 それまでは、父の内観をやるたびに寝込むくらい重くのしかか ってきて困った。続けてやっていくうちに、全てのことは自分の 中にあると気付かせて頂き、楽になった。全て諸悪の根源は自分 にあり、一つの事を50年もうらんでいれば、どんな幸せも逃げ ていく訳だと思った。正に「自灯明」とは、この事かと思った。

 何故かそれから、ガンも嘘のように軽くなった。もちろん安心 はできないだろうが、今はこうして縁があったきっかけになった 「がん様」に感謝して、暇さえあればなでてあげています。

 また、娘の夢枕に毎晩出てきたというご先祖様が、「お母さん を内観させなさい」と言われたという、びっくりするようなご縁 でこちらに伺わせていただきました。本当にありがとうございま した。

【坂村真民詩集】

《 受難 》

お手紙ありがとうございました
わたくしは受難には慣れております
8才で父に別れてから
このことを知りました
そしてつぎのことも知りました
いよいよのところでどなたかが
救いあげてくださるということも
それでわたくしは今日まで
生き耐えてきたのです
受難が受難でなく
それはいたらぬわたくしの心を
ひらかせてくださる
大慈大悲であったと
受けとってゆくつもりです

けんめいに鳴いているこおろぎも
そのうちに息たえてまいりましょう
できるだけ相手を責めずに
わたくしも一世を終りたく思います

【仏語集】

智慧とは何であるか。四つの真理を知ることである。それは、こ れが苦しみである、これが苦しみの原因である、これが苦しみの 消滅である、これが苦しみの消滅に至る道であると、明らかにさ とることである。(パーリ、増支部)

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