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2010年5月1日第477号
幸福ニュース

【 両親への恨みが消えて 】

 一週間の内観を行い、わだかまりをぬぐい去ることが出来まし た。

 過去をただ振り返り、してもらった事、して返した事、迷惑か けた事を考えるのではなく、思い出す。しかし、思い出したら、 そこで終えず、そのまま気付きや余韻を手探りに探し続ける辛い 作業でした。

 辛いのはただ思い出す作業で、単調なので、他のことを考えて しまったり、眠くなったりします。そこをいかに制止して、励むかという自分との闘いでした。しかし、そこを乗り越えて、新たな発見をした時の感動は素晴らし いものです。

 あやふやな思い出が鮮明になった時に、事実の持つ説得力が現 れます。自分の思い続けていた恨みつらみも、して頂いたことと、 お返しした事を比べると全く釣り合わず、それよりも、して頂い た事だけで振り返ると、有難いものでした。

 そのような繰り返しから、辛い印象も、思い出をきれいによみ がえらせる宝探しのようなつもりで、くまなく探すようになりま した。

 父は放任主義で、自分に対しても自由であれと常に申していま した。自分にしたら、いつも遠くから見守られているのかなと後 ろを振り返ると、実は全然子供の事など見ていないのではと思う ようになっていきました。

 妻の親は全く逆の対応で子供を育てたようで、妻は「ベタベタ 近すぎてうっとうしかっった。」と言ったのを覚えています。

 私の父は四人兄弟の末っ子です。幼い頃から祖父が溺愛する様 子を祖母や叔母から聞いた記憶があります。

 思うと、父はちゃんと節目節目の休みには、私達を遊園地など に連れて行ってくれた記憶があり、写真に他の兄弟と父と並んで 写っているイメージが浮かびました。決して見放していたわけで はなかったのです。

 父は自分が姉達よりも可愛がられ、お菓子も三人の姉と父で二 等分だった話からすると、妻の親のような可愛がられ方をしたの ではと思いました。  だから父はあまり子供にくっつかず、離れながらも見守る形を 選択したのだと思います。どちらの接し方も同じ愛の形なのだと 思いました。誤解が解けてすっきりとしました。

 父のような接し方で寂しい思いをさせないようにと息子とベタ ベタしすぎた自分ですが、子供が嫌がっているようなので、これ からは程々にします。

 実は、妻はこの事に気付いていたようで、再三私に忠告してく れていましたが、自分の中で納得が出来なかったために、父を恨 んでいました。少し考えれば分かる理由なのですが、自分で整理 する事が大切なのだと気付きました。

 母についても、十九才のときに私たちを残して家を出て行き、 父が許さず、離婚となりました。自分が子供を授かった後は、な おさら許せない感情が強くなっていきました。

 母とたまに会うと、母も実は家に戻りたかったというので、少 し解せない所がありましたので、調べてみました。

 保育園時に脱走したり、飛び降りようとして困らせたのも、弟 よりも振り向いてもらいたい表れで、母が大好きだったのでしょ う。

 動物のアップリケのついた手提げ鞄を作ってくれました。大学 の時には遠くから会いに来てくれたのに、滞在中一度も会わず、 帰ってきた下宿には、近所の学校でやっていたバザーで買った生 活用品が置かれていました。邪険に扱っても母はしてくれました。 愛情は確かにありました。

 父と母の関係に私達子供は全く関係なく、父が子供三人を可愛 がってばかりで、母に目を向けていなかったからなのかも知れま せん。もともと好きで結婚した訳ではないと聞いた事もありまし た。

 母の私に向けられた言葉も厳しいものでしたが、大人といって も完璧ではなく、生理の時もあるでしょう。こだわらず、かたよ らずで許し、昔のような仲に戻るつもりです。このような気付き は、お坊さんの説法や内観のテープから得た部分が大きいです。

 しかし、してもらった事を思い出し、胸が熱くなり、涙ぐんだ ことも事実です。内観という体験から生じた恩恵です。今、本当 に心の温泉に入ったような、いい気持ちです。

【坂村真民詩集】

『 軽くなろう 』

軽くなろう

軽くなろう

重いものは

みんな捨てて

軽くなろう

何一つ身につけず

念仏となえて

歩きまわった

一遍さんのように

軽くなろう

【仏語集】

 これはわが子、これはわが財宝と考えて、愚かな者は苦しむ。 おのれさえ、おのれのものでないのに、どうして子と財宝とが おのれのものであろうか。(法句経)

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