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2017年02月28日大日乃光第2168号 貫主権大僧正様御親教
御霊告に従い建立の進む蓮華院伽藍は未来への贈り物 

友人が熊本城の再建で、本格的な木造建築を提案
 
私の盟友、石原靖也さん(インドネシアのガルット県対日経済顧問・熊本県環境会議議長)が「熊本城は何年かかっても本格的に木造で再建すべきだ!」というご意見をフェイスブックで発信しておられました。それに対して、私は以下の意見を書き込みました。
 
私は二十年前に、本格的な木造の五重塔を十数年の歳月をかけて建立した経験があります。他方で四十年前には鉄筋コンクリートの五重塔様式の、五重御堂の建立に携わった経験もあります。
 
それらの経験から、石原さんのご意見はもっともだと思いました。コンクリート製のお堂は、これまでに二回、全面的な塗り替え工事を致しましたし、既に数十年後の建て替えも検討しています。
 
その一方で木造の五重塔は百年後、二百年後には重要文化財、さらには国宝になる可能性は充分にあります。資金的にも時代の相場を考えると、体積こそコンクリート製は大きいのですが、ほぼ同じくらいの経費で建設することが出来ました。
 
一般の方、更には専門家でさえも木造での建設の方が数倍の経費が掛かると思っておられる方が多いと思います。しかし、私のこれまでの経験では、これらの木造建築は意外に安く建設出来ました。
 
木造五重塔の建設に当たっては、昭和の末に先代のご指示で、元青森営林局との交渉を経て、川内営林署との随意契約で、五重塔用材約八百本の丸太を購入しました。
このために、かなり安価に木材が調達できたのでした。
 
誇りと関心と浄財で造る未来の子孫への贈り物
 
経費問題に加えて、建設が終わったその後の文化的な価値、そして何と言っても県民の誇りの問題としても、県民・国民の関心と浄財を集めて本格的に木造で建設すれば、熊本城は遥かに夢と希望をもたらし、未来の子孫への贈り物になるに違いないと確信します。
 
五重塔建立のその十四年後、つまり六年前には、約四百年前に焼失した南大門の再建を果たしました。以来玉名市築地の地元の人々を始め、多くの玉名市民の方々に「南大門春まつり実行委員会」のメンバーとして参画していただいています。(「春まつり」は毎年四月二十九日に開催)
 
その第一回の実行委員会で、元玉名公民館築山支館長の荒木巖委員長がこんな話をされました。「熊本城は誰の物でしょうか?清正公さん?細川さん?いえ、熊本市民、熊本県民のものでしょう!この南大門はまだ新しいので蓮華院さんのモノ、川原さんのものモノと思われるでしょうが、「南大門春まつり」を盛り上げて、私たち皆のモノにしようではありませんか!」と言われたのです。
 
この様に熊本城も、一人でも多くの県民・国民の心と浄財を集めて皆のモノにすべきです。何と言っても木造で本格的に、更には広く国民からも、加えて世界の人々からも浄財を集めながら、十年二十年の歳月を掛けて建立し続ければ、県民を超えて国民の、さらには地球市民のモノにさえもなると思います。
 
開山上人様の薫陶を受けて歩んだ蓮華院中興の道
 
私は昭和五十一年の三月十五日に高野山から帰ってきました。その後一年と九ヶ月という短くとも貴重な、開山上人様からのご指導を頂きながら、この上もない僧侶として、祈祷師として生きる指針を与えて頂きました。その後、奥之院の落慶大法要を経て、奥之院での日々の修行、その後本院で副住職として先代を支えながら、本院の整備に努めてきました。
 
そんな中で現在は蓮華院の中興を越えて、更なる未来に向けての佛法の輝きを増すために、多宝塔を建立中です。塔そのものは来月にも竣工するでしょう。今後は塔内の荘厳に取り掛かります。その一方で、自らも若い時から続けてきた日々の修行に励んでいます。
 
僧侶としての生き方、役割とは?
 
そしてまた、先日ある方が以下の意見を述べておられました。「法力を持つからといって、私は別に人と違う特別な人間というわけではありません。農家が米を作る。漁師が魚を捕る。大工さんが家を作る。それと何ら変わりません。私は米を作れませんし、魚も捕れませんし、家も作れません。それぞれの職にあってできることです。ですから、私が法力を持っていても当たり前のことで、別にすごいことでも何でもありません。
 
実はこの考え方は佛典にあるのです。ある方がお釈迦様に尋ねました。『お釈迦様、僧侶という存在は大変に尊いと思うのですが、いかがでしょうか?』それに対してお釈迦様は、『それは違いますよ。農夫は田を耕して、その日の糧を得る。同じようにして、僧侶は人の心を耕して、その日の糧を得る。耕すものが違うだけのことですよ』そうお答えになられるのです」このお方のご意見、どう感じられましたか?
 
願い事の成就に必要なこと
 
私達僧侶は、時には佛法の教えを基に、人としての生き方を説き示し、時には密教の法力によって人々の苦しみを少しでも和らげ、さらには病気の平癒や様々な願い事の成就を祈り続けます。
 
その時に当山では、御本尊皇円大菩薩様と開山上人様に、一心に心を込めて祈ります。その中に「自分」への慢心や驕りの心が少しでも入っていては、祈りは成就しません。あくまで虚心に、無心に、淡々と祈る事が大切です。
 
そんな中で、時には御本尊皇円大菩薩様から御指示が下ります。私はその声を虚心に全身で受け止め、その御指示通りに様々な事を実行しているだけなのです。その結果が本格木造の五重塔建立であり、南大門の再建であり、多宝塔の新造なのです。
 
いよいよ春がそこまで来ています。私達は心の窓を開け放ち、心の目を見開いて、雄々しく明るく日々を送りたいものです。合掌




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