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2023年04月11日大日乃光第2367号
「お帰りなさい」の笑顔で迎える六月大祭は信者さんの里帰り

「お帰りなさい」の笑顔で迎える六月大祭は信者さんの里帰り
 
八百五十五年大祭に向けて
 
今日は、蓮華院で最も大切な行事である六月大祭についてお伝え致します。
 
コロナ自粛解除後に向けての一歩前進として、六月大祭の「前行」としての十二日の「功徳行」と「大梵鐘お身ぬぐい式」は、令和三年以来再開して来ましたが、お寺全体としては国の自粛要請に従う方針で、これまであまり強く勧める事は致しておりませんでした。
 
信者さん方からもお寺の事を心配し、お参りを控えてこられたとか、我慢してこられたというお話を、寺務所の方より多く伝え聴いております。
 
そもそも蓮華院の信仰は開山上人様以来、何をおいても御縁日や準御縁日にお参りする事が中心でありますから、この方針にはずっと忸怩たる思いでありました。
 
令和五年の今年こそ、コロナ自粛解除後という事で、信者の皆さん方にあらためて「六月大祭」にお参りして下さいと、マスクを外した明るく元気な声でお伝え致したいと思います。
 
以前のように二日間に亘って、夜を徹しての早朝からのお参り等については、寺内での宿泊ともなればどうしても雑居寝という形にならざるを得ませんので、コロナによる自粛よりも、高齢の信者さん方の負担に配慮し、貫主大僧正様にご相談の上で、それはまだ今年は避けたいとの結論に至りました。
 
十二日の「功徳行」から大祭に参加される方や、遠方からお参りされる方は、それぞれがホテルや旅館などの宿泊施設をご自身で予約されて、お参りして頂きたいと思います。
 
それ以外については、通常の御縁日と同じ十時からの日程で、御遠忌法要のお参りを皆さん方と一緒に祈念致します。
 
「百万遍大数珠廻し」を再開
 
内容としては、十三日の十時から長めにお参りします。
 
まず僧侶衆で『理趣経』等を唱え、その後全体で『般若心経』をお唱えし、その間に護摩を焚きます。
 
その上で、これまで正月初まいりから御縁日と準御縁日法要で必ず実施してきた「百万遍大数珠廻し」を、六月大祭の御遠忌法要の中で執り行います。
 
コロナ前のように、「光明真言」に入るや大・中・小三連の大数珠を本堂の広い外陣いっぱいに三重に広げ、信者さん達がその数珠を下から捧げ持ち、読誦に合わせ、上下させては押し頂いて左隣りに送る。この「百万遍大数珠廻し」を六月大祭で再開します。
 
また御法話の後の洒水加持では、ぜひマスクを外した明るい笑顔で、喜びの口元を貫主大僧正様に間近に見て頂きながらお受けして頂きたいと思います。
 
歴代の天皇陛下が疫病退散祈願のために般若心経を写経し奉納されてきた故事に倣い、蓮華院でも疫病退散のために奉納写経を皆さんに勧めてまいりました。また遠方にお住まいの信者さん方が、移動の自粛によりお参り出来なかった頃は、その般若心経をせめてものお身代わりとして、皇円大菩薩様の御宝前にお供えしてお参りして来ました。
 
今、コロナ禍は終わりましたが、奉納写経につきましては、これを良き勝縁として、お寺の新たな伝統となりますように、今後とも引き続き継続して行きたいと願っております。令和五年の六月大祭は、この様に執り行います。
 
御誓願の凝結した六月十三日
 
さて、ここからは六月大祭で功徳行にもぜひ参加して頂きたいので、功徳行について貫主大僧正様がお伝えして来られた内容に則ってお伝え致したいと思います。
 
六月大祭は、奥之院での前行としての「功徳行」に始まり、「龍火くだり」を経て本院での大護摩祈祷、御遠忌法要と、夜を徹して厳修して来ました。
 
中でも御遠忌法要は、全国の信者の皆さんの信仰の発露、信心の結集としての法要であり、蓮華院にとって、そしてまた信者の皆様にとって最も意義深い法要なのであります。
 
それは、六月十三日が、御本尊皇円大菩薩様の衆生済度の御誓願が結実した日であるからです。皇円大菩薩様が「末世の衆生を救いたい!」という大慈大悲の御誓願を以て、その身を龍神に化身された特別な日なのです。
 
最も大きな「功徳」のある日
 
この六月十三日こそ、皇円大菩薩様の御心が最も高まった日であり、最も功徳のある日であり、そして最もご利益を頂ける日であります。そしてまた、お礼参りに最も相応しい日でもあるのです。
 
この六月十二と十三日は、十一月三日の「奥之院大祭」や、「南大門春まつり」の四月二十九日のような「祭日」ではありません。しかも梅雨前の天候不順な日です。このように、必ずしも条件の良くない中で大法要を執り行うのです。
 
しかしそんな中でお参りやお礼参りを行うからこそ、より一層大きな功徳と意義のあるお参りになるのであります。
 
この日にお参りされる事は、その他の十三日御縁日を全て合わせたお参りよりもはるかに「功徳」があり、「ご利益」のある祥月ご縁日なのであります。
 
「ご利益」を頂く条件を作る
 
ここまで「功徳」という言葉を何度も使ってきました。そして大祭の前行として行う修行も「功徳行」と名付けられています。
 
そもそもこの〝功徳〟という言葉はどんな意味なのかを、ここで少し説明致します。
①優れた徳性、良い性質、価値ある特  質。つまり、善を積んで得られる福  徳の事。
②幸運の原因、福祉のもとになる良き  行い、優れた結果をもたらす能力。
③善行の結果としての良き報い。また、  良き行いを実行した結果、得られる  恵み。
④ご利益、優れた点、利徳の事。
などと『佛教辞典』には解説されています。
 
つまり「功徳行」と称する当山独特の修行は、虚心に修して頂くことによって、知らず知らずの内に良き結果をもたらし、ご利益や福徳を授かり、慈悲のお恵みを頂ける修行ということなのです。
 
さらに詳しく説明すると、まずは良き結果、つまりご利益を頂く条件としての心構えや心身の状態を作る事そのものが功徳であり、また、そのご利益や福徳に恵まれることも「功徳」と言うのであります。
 
つまり、ご利益や福徳を頂く条件を作る事を「功徳を積む」と言い、ご利益やお恵みを頂く事を「功徳を頂く」と言い習わしているのです。
 
皇円大菩薩様縁の「功徳院」
 
そして、これはまことに有難いことなのですが、皇円大菩薩様が生前学僧として人生を過ごされた、高野山と並び称される程の日本を代表する霊山が比叡山です。その比叡山で法然上人をはじめ数多のお弟子さん達を育てられた住房が、なんと「功徳院」なのであります。
 
この「功徳院」は、法然上人出家得度の由緒により現在は「金勝院法然堂」として、現在も比叡山の根本中堂のすぐそばに建っています。平成二十七年の八百五十年大遠忌慶讃第二回巡拝の旅では、貫主大僧正様が信者の皆さんと一緒にその「功徳院」でお参りされました。
 
六月大祭を心の故郷への里帰りに
 
今から四十五年前の開創落慶大法要の後、奥之院では毎月第一日曜日に、この「功徳行」を修し続けてまいりました。この修行の事を「功徳行」と名付けられたのは、先代真如大僧正様でした。誠に良い名を付けて頂いたと感謝致しております。
 
また六月大祭で必ず上映してきた映画、『龍神の説法』の中に、奥之院を建立するに当っての、開山上人様のこんな言葉が残されています。「信者の皆さんが功徳を積む所として、奥之院を建立したのであります…」まさに〝言い得て妙〟であります。
 
その意味をさらに突き詰めて申し上げれば、来たる六月大祭では「功徳行」を自ら修して、目には見えないけれども大きな功徳を積み、皇円大菩薩様の広大無辺の御霊力を頂いて下さい。そして数々の福徳と御利益を授かって頂きたいものであります。
 
これから『大日乃光』の誌面にて、六月大祭に向けてご案内を続けて行きます。全国の信者の皆様の六月大祭へのお参りを、貫主大僧正様はじめ教師・準教師、寺内職員一同、「お帰りなさい」の気持ちで心よりお待ち致しております。
 
信者の皆さんも、ぜひ心の故郷への里帰りのお気持ちでお参り下さい。 合掌




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