清の政治家であり学者であった曾国藩（そうこくはん）の家訓に、「志あるを要す。恒（つね）あるを要す。識あるを要す。」とあります。

これは、
「志あるを要す。」まず、自分はどっちに行こうとしているかを決める。
「恒（つね）あるを要す。」何でも持続しないとものにならないということ。
「識あるを要す。」価値判断ができること。
ということです。

そこで、目標設定、人生設計が重要になってくるわけですが、３ＫＭ方式という目標設定の実践的なやり方を提唱して、成果をあげている土屋公三監修の『大いなる生き方』（サンマーク出版）を、今回は紹介させていただきます。

A)生涯幸福を求める３ＫＭ

個人(Kojin)、家庭(Katei)、会社（社会）(Kaisha)の分野にわたるトータルな人生設計（目標Mark)をもち、それを管理(Management)する手法を学びながら、継続的な意欲(Motivation)をみずからのなかから引き出し、健康的(Kenkou)、経済的(Keizai)、精神（心）(Kokoro)的な生涯の幸福を手にすることが３ＫＭの目標です。

B)ものの見方、考え方を変えると人生が変わる

1.プラス発想
ものごとは、すべてプラスに発想し、やればできるという積極的な心をもつ。
2.素直な心
感謝の心と素直な心をもち、感動できる豊かな感性を養う。
3.向上心
一生勉強だという向上心、学びの姿勢をもち続ける。
4.本質的・長期的・総合的な思考
ものごとを考えるときは、つねに本質的・長期的・総合（複眼）的にとらえる。
5.謙虚な心
すべての責任は自分にあるという謙虚な心でものごとを見る。

C)目標を立て、現在に最善をつくせ

1.三つのＭ
目標設定は、Meaningful、Measurable、Manageableで考えよ。
Meaningful:自分にとって「意味がある」目標。
Measurable:自分にとって明確で、「測れる」目標。（具体的、数字等）
Manageable:あなた自身が「管理可能な」目標。

2.思考の三原則
ものごとを考えるときは、つねに本質的・長期的・総合的（複眼的）にとらえる。
（顕微鏡、望遠鏡、双眼鏡の三つが必要である。）

3.継続する
３日で挫折したら、５日めからまた始めればよい。

D)１０００分の１運動
昨日の自分より、今日の自分を１０００分の１だけ向上させます。
一年間で１０００分の１Ｘ３００日＝３割アップ
（ロスをみても）
１０年間で１０倍、２０年間で１００倍、３０年間で１０００倍、４０年間で１万倍

E)逆境こそ、天が自分に与えた最大のチャンスである

1.小さな決断の訓練
逆境に立ち向かうには、日ごろから小さな決断をスピーディに行える訓練を積み重ねる。
2.ギリギリまで頑張る
「成功には、あと1メートル掘れ。」ギリギリのがんばりこそ大切。
（逆境はアンコの甘味をひきたてるまんじゅうの塩味である）

F)よい本、よい人、よい物に積極的に接せよ

1.一生勉強
プロとは、一人前になっても勉強をし続ける人である。
2.強固な意志
自分をコントロールできる強固な意志と、他人を受け入れる包容力をもつ。

G)専門知識・技術、または超一流のものを何か一つ身につけよ
どんなことでも、何かで一番になることで、大きな自信が生まれる。

H)自分の立場や環境に感謝の念をもち、現状改革にたゆまず挑戦せよ

1.感謝の心
まず自分の立場や環境に感謝し、素直に受け入れる心をもつ。
2.イノベーションの姿勢
現状を変えていく、改革の姿勢をつねにもつ。
3.みずからつくる
運命はみずから招き、境遇はみずからつくるものである。
4.習慣化の徹底
目標→計画→行動の習慣化の徹底で、夢は必ず実現できる。
5.己にうち勝つ根性
最大の敵は自分自身。己にうち勝つ根性をつけよう。

I)目標の具体的設定方法

分野：個人・家庭・社会の３分野（その他、任意に設定）で書き出す。
時間：１年後・３年後・１０年後・それ以上の長期（任意に設定）で書き出す。
それぞれ１０項目ずつ（任意）書き出し、優先順位をつける。
各項目の具体的行動も書き出す。
達成したイメージの絵や写真を作成し、毎日見る。
手帳に書いたり貼ったりして、毎日見る｡
（計画を立てるときはゆとりとロスをみる。逆に、実行はできるだけロスのないように。）

Ｊ）一年間の目標を月割りにし、それをまた日割りにする。毎日の目標を達成するまでは、やめない。
（ここが、一流とその他との分かれ目）

継続は力なり。

まず、スタートすることが大切です。大事なのは、日々実践することです。

人はまず問題を選ばなければならない。自分にとって何が第一の問題であるか、何が自分にもっとも押し迫っているものであるかを知って、自分の心をととのえることから始めなければならない。（箭喩経）