2001年2月14日第112号
幸福ニュース

【 チーズとRe−Boot 】

今回は、常に先見性のある仕事をされ、本を著してこられた大前研一氏の{Re−Boot!}と、スペンサー・ジョンソン著{チーズはどこへ消えた?}(スペンサー・ジョンソン著)を紹介させていただきます。

今後の日本とIT革命について、今後日本でどういう変化が起こるのか、また、IT社会の特徴や何が大事になるのかが、詳しく論じられています。また、そういう変化にどう私達は対応していけばいいのか、人生の指針として、皆様の将来設計の参考に大いに役立つ内容です。

【 Re−Boot! 】(ゼロからの出発)(大前研一著、PHP研究所)

{Re−Boot}(リ・ブート)とは、コンピューター用語です。画面がフリーズ(動かなくなること)した時に、一度電源を落として再起動させることをいいます。つまり、オールクリアーして、ゼロからやり直しをして再出発することを意味します。

現在の日本は猫も杓子も{IT革命}だと騒いでいるが、現在は真の革命が登場する前の露払いの時期にすぎない。

{四つのI}がダイレクトに国境をまたぐようになってきた。
  情報 Information
  投資 Investment
  産業 Industry
  個人・消費者 Individual

ITの最も大きな特徴は{ボーダーレス}であり、そこには{国}という概念はない。 IT社会になれば、個人と日本以外の国との関係が問題になってくる。

先生より教師
現在のように大きく変化している時代には、先に生まれた人の方が誤った知識を身につけているということも起こる。死ぬまで人に教えられるよう努力することが重要である。

これからは、ネットワークの拠点はコンビニではなく、個人そのものになるだろう。 2005年には世界中で10億の受・発信基地ができると考えなくてはならない。 基本的にいま財布に入っているものは、すべて携帯電話やICカードに置き換えられる。

ネットワークの拠点は、腕時計やパソコン、テレビでもよい。使い勝ってに応じて、あらゆるものをネットワークに組みこめばいいのである。要するに、人間の数か、それ以上に端末の数だけ拠点がある時代になる。

ネットワーク社会は{中抜き}の世界をいとも簡単に実現してしまう。

顧客のニーズを深く満たしてくれる{専門店}でなければ勝ち残れない。{一人勝ち}の社会である。

IT社会は弱肉強食の社会であるが、一方では、基本的にフェアな社会でもある。何故ならば、性別や肌の色によって差別されないからである。

本当にIT化を進めていくためには、法体系を変えねばならない。日本国内という概念がなりたたないのが、IT社会なのだ。中核となるサイバー法は、電子署名法、マルチメディア知的財産法、遠隔医療法、コンピューター犯罪法、電子政府法等が考えられる。

ITの究極は、情報が透明になり、世界でいちばん安くて良質なものを、個人が自分の選択で購入できるということだ。個人が力を持って、究極の選択ができるようになるということは、その中間にあるものが、すべてなくなるということである。生き残れるのは、ITではできない温かい人間性をもった{ひとこと}アドバイスのできる専門家だけということが考えられる。

単純メモリー型の人間は21世紀には役立たない。21世紀に必要なのは、{見えていないものを見て、創り上げていく力}であり、{わからないときには、どうやって答えを見つけるかのアプローチを考える力}即ち、{構想力}なのである。

{Re−Boot}{一度オール・クリアーしたうえでのゼロからの出発}が必要なのは、日本人一人ひとりである。

現在の大ベストセラー、『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン著、扶桑社)は、ある迷路で起こった出来事をめぐる物語です。

ある国に、2匹のねずみと2人の小人が住んでいた。迷路があり、食料と幸せになるためにチ ーズを探しています。探していたチーズが見つかり、安住を決め込むのだが、ある日突然そのチーズがなくなり、大慌てする。

単純なねずみたちは、新しいチーズを見つけるためにさっさと行動に移るのだが、知恵のある小人たちは、チーズが消えたことの検証ばかりして、なかなか新しいチーズを探しに行こうとしない。しかし、小人のうちの1人が怖れを乗り越え、勇気を出して迷路を探し回り、ついに新しいチーズを見つけた。

チーズとは、私たちが人生に求めているもの。例えば、仕事や家族、財産や安定などを指している。迷路とは、会社や地域社会、家庭など、チーズを追い求める場所のことである。

物事を簡潔に捉え、柔軟な態度で、すばやく動くこと。問題を複雑にしすぎないこと。恐ろしいことばかり考えて我を失ってはいけない。小さな変化に気づくこと。そうすれば、やがて訪れる大きな変化にうまく備えることができる。

変化のメリットを考え、変化に早く適応すること。遅れれば、適応できなくなるかもしれない。最大の障害は自分自身の中にあり、自分が変わらなければ何事も好転しない。

仏教では絶対ということはありません。10年前はいいことでも、現在ではよくないということも起こります。

昔は、使い捨てが奨励されていました。今は、できるだけ、リサイクルや再使用しようという世の中になってきています。先進国では、エネルギーや水資源の見直しが始まり、アメリカでは、行政もダムの見直しを始めています。21世紀は、人口と食料と水とエネルギーが大きな問題になることが予見されます。

まことにお釈迦様がおっしゃられたように、多くの因と多くの縁をもとにして、果が生じ、その結果が次の因となり、また多くの縁と結びつき、次の結果を生じるという、無常(常に移り変わる)の状態が宇宙の真理なのです。

帝釈天の宮殿にかかるとてつもなく大きく美しい帝釈網は、一部のごくわずかなゆらぎが、遠い末端まで影響を与えるという喩えによく使われます。これは、インターネットの網の目が世界をおおい、一部の動きが世界中に影響を与え、逆に世界の動きが、今まで以上に速く直接、各個人まで影響を与えるということと同じです。ですから、これからは、日本だけを考えていては駄目で、常に世界を意識する必要があるとも言えるでしょう。

その変化の中で、変わるものと変わらないものを見極めながら、自分自身が変わっていく。それが、これからの世の中で、幸せになる一つの要因かもしれないと感じたしだいです。合掌

【坂村真民詩集】

《 一切無常 》

散ってゆくから

美しいのだ

毀(こわ)れるから

愛(いと)しいのだ

別れるから

深まるのだ

一切無常

それゆえにこそ

すべてが生きてくるのだ

【仏語集】

ものの姿を見て、これに執着するのは、迷いの心を招く原因となる。もしも、ものの姿を見ても執着しないならば、はからいは起こらない。 さとりは、このまことの道理を見て、はからいの心を離れることである。

正しいことさえ執着すべきではなく、捨て離れなければならない。まして、正しくないことは、なおさら捨てなければならない。

無量の因縁によって現れたものが、永久にそのまま存在すると信ずるのは、常見という誤った見方である。また、全くなくなると信ずるのは、断見という誤った見方である。

これらはすべて人の執着から見た姿であり、すべてのものは、もともとこの執着の姿を離れている。(楞伽経)

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バックナンバー

第111号 ゆるしは幸せへの入り口

第109号 あたりまえが実は有り難い

第107号 インド珍道中記(2)

第105号 人間関係

第103号 夫婦の危機

第110号 家庭での教育

第108号 21世紀にむけて

第106号 インド珍道中記(1)

第104号 人生の宝物と仕事

第102号 生きるー極限の中でー

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