2002年5月18日第158号
幸福ニュース

【心が満たされないあなたに】

  今回は、大和出版から発行された、海原純子博士著の『どうして「まじめな男」「頑張る女」が満たされないのか』を紹介させていただきます。一生懸命頑張っているのに、なぜか報われないあなた、また、夫婦仲がこのごろどうもという方、そういう人々にお勧めの一冊です。

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A.原因の一つに、男性の職業の選択肢が急速に減少し、女性の生き方の選択肢が急速に増加したことがあげられる。両者に共通するのは、自分らしさを生かせない場で、まじめに頑張りすぎて疲れてしまう、という現象である。

B.会社一筋人間は危険:
一番大切なことは、会社や職種を自分のアイデンティティにしないこと。自分と会社や職種とを同一化してしまう、会社一筋、仕事一筋人間ほどストレスに弱くもろい傾向がある。

C.仕事の世界の他に、2つの世界を持つとよい:

1)ストレスをサポートしてくれる人との世界:辛い時、その辛さを共有してくれる人がいると、人は救われるものなのだ。

2)趣味の世界:世間的な評価や損得の計算など関係なく、自分が心から楽しめる趣味の世界を持っている人はストレスに強く、加えて心が老化しないものだ。

D.働き盛りで急死する性格とは:
競争好き、何でも勝負にしてしまう、勝ち負けにこだわる、早口・早食い・早歩き、夜遅くまで仕事をすることに限りない喜びを感じる、道路が渋滞するとイライラする。

E.ストレス対策として:

1)自然とのふれあいを増やす、鈍い人を受け入れるゆとりをつくる、話し合える友人・家族が大切である。

2)落ち込んだ時には、とにかく体を動かす。最近は大人だけでなく、子供まで体を動かさなくなっている。

F.優秀な人が、ある日突然うつになる場合もある:

1)医学的にみると、感情を押さえつけ続けるのはあまり健康によくない。燃え尽き症候群などに陥る場合もある。

2)我慢し、感情を押さえ込む生活が続くと、体の免疫機能をつかさどるリンパ球の機能が低下する。怒り、悲しむ人はガンになりにくいという説もある。

3)「まじめ」も休みやすみにしなさい。

4)「歩く」こと、「食べる」ことを楽しんでいますか。

5)食べる物よりも、どんな心の状態で食事をするかが本当は大切だ。

G.子供の教育について:

1)「できること、得意なことが才能であり、できないことはコンプレックスになる」という誤解をもっている人が多い。楽しんで努力できることこそ本当の才能である。

2)子供にコンプレックスを植え付けたくないという時は、できるようにハッパをかけることではなく、「算数ができなくても、それであなたがダメな人ということではない」という言葉が大切なのである。

3)「教育とは、その子供がもっとも向いていることを見つける手伝いをすることである」(インドの哲学者クリシュナムルティー)

4)生き物との暖かいふれあいが人を癒す。登校拒否をくりかえしていた男の子が、夏休みに家族と森の中でキャンプをして、動物とふれあいを持ったことで心を開くようになった例がある。

H.もっと自分にあった生活をしたい、納得した生き方をしたいという欲求が病気を引き起こすことがある。

I.男らしさ、女らしさに起因するコンプレックス:
私達のコンプレックスの根が「自分が劣っている何か」に起因するのではなく、実は社会や親から要求されてきた「男女の役割分担による思い込み」によるものも多い。例えば、男性は学歴や収入などに、女性は容姿や可愛らしさなどにコンプレックスをもちやすい。

J.ささいなことにカッとなるメカニズム:

1)事前に不快なことがあり不愉快な感情がたまっていると、目の前のことに敵意を感じ取り、思わず衝動的に反応し攻撃してしまう。

2)「投影」というメカニズム
自分の中に生じた激しい怒りや攻撃性、敵意を、自分のものとして感じるのを無意識に避けて、相手が自分に敵意を持っていると感じてしまうこと。

3)「過剰反応」
その人が心の中に持っている「傷」が刺激されると、過剰に反応し、相手を攻撃する場合がある。子供のころから人に笑われたり、馬鹿にされていじめられたりした時、その「傷」を癒されないまま成長すると、人が自分を笑っているように感じた時、過剰に反応する。

4)不快な感情を心の中いっぱいにためておかない「クセ」をつけることが必要。不快な感情がいっぱいになったら、ちょっと一息、ひと呼吸入れて、その感情を追い出しておくことだ。また、普段から自分が過剰反応を起こす対象があったら、それに気付いておくことが大事である。

5)たえずグチを言っている人は、あまりカッときれることはない。問題は心の中に不快感情をためている人なのである。

K.おしどり夫婦の突然の離婚:

1)その原因
夫「仕事で忙しく、それでも週末は家族のために時間を作ってきたし、一生懸命仕事をすることで家族を支えてきたつもり」
妻「もっと一緒にいてほしかった」

2)欲求のすれ違い
男性が女性に求める欲求
a)性的充足b)遊び仲間であることc)魅力的であることd)内助の功e)賞賛の声

女性が男性に求める欲求:
a)愛情(心のつながりを感じるメッセージ)b)会話(愛されていることを実感できるコミュニケーション)c)誠実さと率直さ(安心感)d)経済的安定e)親子の交流時間(尊敬される父親になってほしい)

3)女性にとっては、いくら経済的安定があっても、他の4条件が欠けると、それは満たされない思いとなって心の奥にため込まれるのである。それをグチを言ったり、怒ったりできる妻なら問題はないが、「いい妻」ほどぐっとその思いをこらえ我慢するために、突然離婚になるのである。

4)コミュニケーション不足が最大の原因。お互いに相手が求めるものを知ろう。

L.親しい人ほど憎らしい?:

1)「山あらしのじれんま」2匹の山あらしは近づきすぎるとお互いを針で刺してしまい痛くてたまらず、離れすぎると寒くてたまらない。結局、ほどよい距離をみつけて一緒に暮らす。

2)大切なのは、お互いの距離感。つまり、違いを受け入れあうことができ、相手に対する要求を増やしすぎない、という関わり方を見つけることが必要であり、この距離感を会得するには、夫婦関係でも親子関係でも粘り強い努力が必要なのである。

3)理解されていないという不満から体調をくずすこともある。ふれあい、共感することで治る病は多い。共感は相手の話を聞くことから始まる。

M.心身症などの「身体言語」による症状を起こす人は、いい人と言われて、ノーと言えない性格の人に多い。また、いわゆる、いい子が犯罪で自己表現してしまう場合もある。

N.「ピーターの法則」:

1)課長という立場ならとても優秀な人が、部長になると能力をまるで発揮できない。無能力レベルに達するまで昇進することをいう。この場合、本人の才能が生かせないだけでなく、本人に過剰なストレスがかかる。

2)組織を活性化するのは、個人がその能力を発揮できるポジションに置かれた時である。

3)リストラ不安神経症の人は、つらい時をサポートしあえる家族とのふれあいをスタートすることが、一番の処方箋。

4)パーソナルスペース、パーソナルタイムを持ってストレスを乗り切ろう。

O.より豊かな人生:

1)更年期には、心のバランスも崩れやすい。男性にも更年期がある。更年期は捨ててしまった人生をもう一度考える時期。現在の人生にもうひとつの人生を付け加えてみてもいい。例えば、趣味やスポーツやボランティアなど。

2)ユングは一つの人生を生きるために抑圧したもう一つの人生を「影」として表現している。無意識の中に存在する影の人生を、今の自分の人生の中に統合していくことが、実はあなたをより豊かな人間に変えていくことにつながるのである。(終)

【坂村真民詩集】

《知らせよう》

せかせかと通り過ぎてゆく人に
知らせよう
一輪の花が
あなたを呼んでいることを

魚を釣っている人に
知らせよう
時には餌のない糸を垂れて
風の音や
波の音を
ほれぼれと聞くことを

働き疲れぐっすり眠っている人に
知らせよう
月が光り
星が輝き
あなたとあなたの家族とを
温かく守っていることを

病に苦しみ眠られずにいる人に
知らせよう
すべてを任せきることによって
不思議な力が生まれ
闇が光になることを

迫りくる死の恐怖に
おびえている入に
知らせよう
仏の説かれた輪廻の教えを
死は新しい生に
つながっていることを

【仏語集】

 心に好悪を起こして執着してはならない。好むこと、きらうことから悲しみ が起こり、恐れが起こり、束縛が起こる。(法句経)

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第157号 摂食障害

第155号 夫の浮気と息子の嫁

第153号 幸福になる法と不幸になる法

第151号 素晴らしい人生

第149号 エルトゥールル号の遭難

第156号 サラリーマンIT道場

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第152号 父への憎しみと許し

第150号 成功の哲学と悩みの解決法

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