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2019年10月29日大日乃光第2256号 貫主権大僧正様御親教
奥之院開創四十一周年大祭熱祷の柴燈大護摩祈祷 

災いを転じて福となす秘法
 
今回の『大日乃光』が皆様方のお手元に届く頃は、奥之院大祭が目前に迫っている事と存じます。そこで今回は奥之院大祭の白眉であり、僧俗一体の最も真剣な祈りが捧げられる柴燈大護摩祈祷についてお伝えいたします。
 
柴燈大護摩祈祷は千三百年もの昔から伝わる密教秘法の行法で、これには二つの理論と実践が説かれています。
 
その一つは、佛様の智慧の火によって衆生(私達を含む生きとし生けるもの全て)の煩悩(苦しみの根本原因)の穢れを焼き尽くし、災いを除いて福を授かる、いわゆる「除災招福」「障害退散」などをお祈りするものです。
 
今一つは、様々な供物を佛様に献じ、供養することによって、佛様から様々なお恵みやお計らい、つまり御利益(現実的な功徳)を頂くという、二重の意味で有難いご祈祷なのです。
 
古式ゆかしき法儀炎と一体となる熱祷
 
奥之院大祭の柴燈大護摩祈祷は、午後一時から厳粛かつ勇壮に厳修されます。大導師である当山貫主、川原英照大僧正様が御影石造りの礼盤に着座されると、三通三下の太鼓が鳴り響き、法螺の音が三声、高く低く吠えるように長く尾を引いて遠近の山々を渡って行きます。あたかも小岱山の峯々の神々を呼び寄せるかのように力強く響き渡ります。
 
法儀は先ず宗務長光祐先生による古式にのっとった言上に始まり、法斧、法弓、法剣による四方の魔を断ち切る結界の作法が行なわれます。ついで阿伽作法師が「  (バン)字の浄水を以て、煩悩を断除し、諸佛の功徳が現れ、諸願を成就したもう」という意味の偈文を唱えながら、柴燈大護摩壇の左右から浄水を桧葉の上に振り注ぎます。こうして柴燈大護摩壇の浄化がなされます。
 
諸佛諸菩薩のお姿が
 
やがて山上に鎮座まします大佛姿の御本尊、皇円大菩薩様に向かって大導師、貫主大僧正様が「願文」を朗々と奏上されます。願文の奏上が終わると同時に、二人の点火師が作法に従って桧葉の大護摩壇の爐底から浄火を点じるや、大護摩壇からは濛々と白煙が昇ります。白煙は更に勢いを増し、入道雲のようにもくもくと盛んに吹き上がります。
 
古来、この煙は参詣者の心に感応し、大日如来様や諸佛諸菩薩様のお姿が現れると言い伝えられております。奥之院の柴燈大護摩祈祷に参列された多くの方々の目には、渦巻く白煙があたかも天に昇る白龍のように映ることでしょう。
 
やがて煙の中からパッと赤い炎が龍の舌のように現れ出すと見る間に、どこからともなく巻き起こる一陣の風に火勢が更に強くなります。白煙はたちまち火焔となり、うなりをあげ舞い上っては火の粉を四方八方に散らします。まさに「白龍・赤龍天に昇る」の壮観です。
 
身を包む白煙と炎はみ佛様のお加護
 
火は燃え盛り、太鼓は激しく打ち鳴らされます。道場内に整列される僧伽の方々も、シャクシャクと激しく錫杖を振られます。それに合せて信者方の読経の声はいやが上にも盛り上がります。
 
信者方の祈願の込められた添え護摩木を乗せた三方が貫主大僧正様の御前にうやうやしく運ばれます。貫主大僧正様はその一々に錫杖加持を加えられます。皇円大菩薩様の大威神力と祈願者の一願成就、萬願達成を願う心が加持感応し、一体となる瞬間です。
 
お加持を受けた護摩木は職衆僧伽によって燃え盛る爐中に投ぜられ、「罪障消滅」が祈られ、「一願成就」「萬願達成」が祈られます。合掌の信者方は流れる汗を拭きもせず、白煙に覆われ火の粉をかぶりながら一心不乱に『般若心経』を唱え続けます。まさに一大熱祷であり、無我の極致と言うべきでしょう。
 
お一人お一人の頭上に貫主大僧正様のお加持が
 
貫主大僧正様は、正面の皇円大菩薩様の御宝前にお供えしてある「護摩礼」に渾身の錫杖加持を加えられ、続いて一旦、護摩の火にかざされた錫杖で、今度は信者や一般参詣者お一人お一人の頭上に「お加持」を加えられます。
南無皇円大菩薩、南無皇円大菩薩…
 
貫主大僧正様は囲繞する数多の参詣者の頭上にシャクシャクと、不動明王のような厳しいお顔で錫杖を振ってお加持を加えられます。参詣列席の力士方の頭上にも、来賓の方々の頭上にも。感激の信者一同は、力強い太鼓に合わせてお加護を願い、さらに懸命に「南無皇円大菩薩」と御宝号を熱唱されます。まさに僧俗一体、加持感応の極致であります。
 
この後、貫主大僧正様の廻向文と、宗務長光祐先生の破壇作法としての、大御幣の一刀両断によって柴燈大護摩祈祷の熱祷は漸くここに終り、午後二時半、法儀は全て無事終了するのであります。
 
この後、大祭に華を添える横綱白鵬関の不知火型による奉納土俵入りが行なわれます。四股を踏む度に参詣者からヨイショ、ヨイショの声援が湧き上がる事でしょう。
 
お参りに大切な心構え
 
『大日乃光』を読まれている有縁の皆さん、そしてもちろん信者の皆さん方には願いを叶えて頂かなければなりません。願いは叶わなければならない。しかし願いを叶えるためには御本尊、皇円大菩薩様の御心に適わねばならないのです。
 
菩薩の御心とは何か?自分さえ良ければという自分だけの願い…そういうものから一歩を踏み出す。自分が辛い時にも悲しい時にも一歩踏み出す。そして周りの人達に対して、自分には何が出来るだろうかと、そういう思いを持って頂く。そうして日々の歩みを進めて行けば、少しずつ少しずつ地域が、日本が、世界が明るく良いものになって行くに違いありません。
 
これこそが、自分の願いを叶えるためにもとても大切な大事な事であると心の中にしっかりと刻み込んで、奥之院大祭への参詣に臨んでください。寺内一同で、心よりお待ちしております 。合掌




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