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2021年10月18日大日乃光第2320号 貫主権大僧正様御親教
「柴燈護摩道場で信者一同の祈りを結集しよう」 

「柴燈護摩道場で信者一同の祈りを結集しよう」
 
今日はようこそお参りなさいました。ここ数日で朝夕はすっかり涼しくなりましたが、九州ではまだまだ厳しい残暑が続いています。
 
さて、九月末日に全ての都道府県における緊急事態宣言とまん延防止等重点措置がようやく解除されました。
 
ちょうどあと一月で奥之院大祭の日を迎えますが、すでに誌面にてお伝えしてきました通り、残念ながら横綱を始め大相撲の関取衆はお参りを見送られました。
 
飛龍旗小学生相撲大会も開催されませんので、昨年同様、一般の参詣者が殆ど見られない、本当にお参りだけの大祭になると思っております。
 
その分、お寺としてお参りに真剣に取り組むつもりで粛々と準備を進めております。
 
「ただいま」「お帰りなさい」でお迎えする奥之院大祭
 
奥之院には広大な空間があり、柴燈護摩道場に間隔を空けて席を設えますので、信者の皆さん方は、一般の人がいない分、逆に大きな声で御宝号や『般若心経』を唱えて下さい。
 
皇円大菩薩様のお力に一同の祈りを結集し、国家安泰、世界平和、一願成就、諸願達成に加えて、近年の豪雨災害の犠牲者追悼と被災地の早期復興を祈り、またコロナ禍終息、犠牲者追悼、感染者の病気平癒を一緒に祈りましょう。
 
信者さん方は皇円大菩薩様のふるさとにお参りするわけですから、里帰りをしたつもりになって、奥之院に「ただいま!!」と声に出してお参り下さい。
 
すると、普通に挨拶をするよりも、帰って来たという喜びや実感が心の底から湧いて来ます。故郷への里帰りは、やはり嬉しいものです。ぜひそのお気持ちで、大祭に臨んで下さい。
 
僧侶、職員一同、「お帰りなさい!!」とお迎えしますので、よろしくお願い致します。
 
毀誉褒貶な白鵬の実像とは
 
さて、奥之院大祭では毎年横綱に土俵入りを奉納して頂いてまいりました。コロナ禍前の令和元年に横綱土俵入りを奉納頂いたのは、白鵬関と北勝富士関、隠岐の海関の三力士でした。その白鵬関がつい先日、九月末日に突然現役引退表明されました。
 
皆さん方もよくご存じの通り、白鵬関は相撲人生の後半で「横綱としての品格に欠ける」などと批判され、横綱審議委員会からも叩かれていました。
 
その白鵬関には平成十九年以来、横綱としては最多となる七回の土俵入りを奉納して頂きました。
 
白鵬がどういう人かと言えば、私は横綱本人に何回もお会いして会食したことがありますし、お話もしています。その印象を一言で言えば、白鵬は日本人よりもよほど日本人らしいと思っています。
 
白鵬は、相撲道として「後の先」を目指していたそうです。先にぶつかるよりも、相手が出て来るのをギリギリまで待って、引き寄せて相手を打ち負かす。後の先、つまり後から攻める。白鵬本人からこの話を直接伺いました。
 
南大門に祀る広目天の心象モデルを、平成二十一年に務めて頂いた時の事です。大相撲の京都巡業中に、今村九十九先生の工房に、私が迎えに行きました。
 
横綱と並んで座ると、「自分は双葉山を目指している。横綱として素晴らしい方で、相撲も人間性も尊敬している。私はその双葉山の真似をして『後の先』で相撲に挑みたいと思っています。けれども立ち遅れると負けるので、ついついつっかけてしまうんです」と話されました。また稽古場では本当に真摯に稽古をされていました。
 
南大門の四天王に刻まれた雄姿
 
大祭で白鵬が土俵入りを奉納される時には、福岡場所前に、まず場所全体のお世話をされる理事長の八角親方に挨拶に伺い、その後宮城野部屋に挨拶に向かい、稽古を見終わって食事をします。
 
するとまず宮城野親方が「おかわりどうぞ」と注いで来られるんです。横綱も所謂お尻が軽く出来ておられて、自ら進んで人をお接待されます。人に対して何を為すべきか、何をした方が良いのかをいつも考えている人です。話も非常に大らかで会話も豊富です。
 
平成二十三年四月の南大門落慶法要の時は、残念ながら白鵬は来られませんでした。当時、白鵬は貫主大僧正様の提言に従って、天皇陛下(現在の上皇陛下)に続いて東北に入り、東日本大震災の復興支援活動に力士会会長として尽力しておられました。
 
白鵬は後に八月に個人的にお参りに来られて、自身が心象モデルを務めた広目天を拝まれて、本堂でもお参りをされました。
 
好評だったバター塩ちゃんこ!?
 
これは笑い話です。ちゃんこと言えば鶏肉が多いですが、なぜかと言えば、相撲部屋の縁起担ぎで「鶏は手をつかないから負けない」「牛や豚は手をつくから」と、昔から鶏がよく使われてきたのです。
 
白鵬が宮城野部屋に入った時は体重がたったの六十二キロしかなくて、何とか食べさせて太らせなければならないと、元関取のマネージャーが工夫して白鵬を大きくされました。
 
奥之院大祭でも宮城野部屋ちゃんこを出しましたが、鶏のつくねの中に生姜や味噌や、色々混ぜ込んで鍋にします。
 
二子山ちゃんこの方が簡単で安くて美味しいので、私がそのちゃんこ番をして白鵬に二子山ちゃんこを出した事があります。そして横綱と話をしました。
 
「横綱、ちゃんこどうですか?」「おいしいね!」「これね、実は二子山ちゃんこなのです」「うちのちゃんこがもっとおいしいよ」「何がありますか?」「バター塩ちゃんこ」
それまで作ったのは味噌味ちゃんこでしたが、バター塩味ちゃんことは、さすがモンゴル出身力士です。
 
この白鵬のバター塩ちゃんこも奥之院大祭でチャリティーバザーに出し、参詣者やちびっ子力士達に好評を頂きました。
 
一隅を照らす灯火になろう
 
白鵬は勝負に拘ってきました。どうしたら体を壊さずに、どういう稽古をすれば負けないように勝てるのか、一所懸命研究されました。ですから最多優勝四十五回などの歴代最多記録を更新されたわけです。
 
今、炎鵬と石浦という小兵な力士が宮城野部屋にいますが、この二人は白鵬を慕って入門されたそうです。
 
初めて大祭で横綱土俵入りに来られた頃は、宮城野部屋は横綱を入れて七人でした。今では倍以上と、強くなりたいという若い力士が横綱を目指して入って来られています。
 
後継者を育てる、信仰を次の世代に引き継ぐという点で、宮城野部屋の今日の隆盛には大きなヒントがあると思います。
 
それは身近な人から慕われる人に、まず自分がならなければいけないという事です。貫主大僧正様が常々仰って来られたように、若い人たちに、そのような姿を背中で見せる人にならなければいけないという事です。
 
大祭前で今年は相撲関係の催しがありませんが、今日は少し肩の力を抜いて、白鵬の引退を機に所謂「世間知」、世間の印象とは少し違う見方を、私自身が実際に体験した過去の見聞を元に話してみました。
 
これからも皆さんと共に、世間の風調に過度に踊らされる事のないように、佛教で言う八正道の「正見」、正しく見て判断する事を心がけて行きたいと念じております。 合掌




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