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2025年04月30日大日乃光第2432号 貫主権大僧正様御親教
最も大きな「功徳」を積む六月大祭御遠忌大法要 

最も大きな「功徳」を積む六月大祭御遠忌大法要

八百五十七年大祭に向けて

毎年この時期に信者の皆さんにお伝えしておりますが、今日は蓮華院で最も大切な行事である「六月大祭」についてお伝え致します。

令和七年の六月大祭も、昨年と同じように執行致します。 まず十二日に「前行」として「功徳行」と「大梵鐘お身ぬぐい式」を執り行います。 その後ですが、以前のように二日間に亘り、深夜に至るお参りと、早朝からのお参りという形では行いません。 お参りされる方の中にご高齢の方が増えている現状を鑑みて、貫主大僧正様にご相談の上、信者さん方のご負担を慮り、今年もまだ昨年までと同じやり方にしようとの判断に至りました。

その代わりに、今年も夕方五時半頃から本院の本堂で夕勤行をお参り致します。功徳行に参加される方も、そうでない方もぜひご一緒にお参りください。 昨年もお参りが終わって、内陣から「お帰りなさい!」と振り向いた時、堂内にちょうど西日が差してきて、明るくにこやかに輝く皆さん方の笑顔が見られて、清々しい善いお参りとなりました。

十三日の日程につきましては、通常の御縁日と同じ十時から、御遠忌法要のお参りを皆さん方と一緒に祈念致します。 十二日の「功徳行」から大祭に参加される方や、遠方からお参りされる方は、今年から寺内でのご宿泊も出来るように致しましたので、事前に寺務所までご連絡ください。 ご自身でホテルや旅館などの宿泊施設をご予約されてお参りされる方も、共に年に一度の里帰りとしてお待ち致します。

三連三重の百万遍大数珠廻しを

八百五十七年御遠忌大法要は、十三日の十時からお参り致します。 まず僧侶衆で『理趣経』等を唱え、その後全体で『般若心経』をお唱えし、その間に大護摩祈祷を修します。 その後、皆で「百万遍大数珠廻し」を執り行います。

大数珠廻しは普段の御縁日法要と準御縁日法要でも執り行いますので、蓮華院のお参りでは定番となっておりますが、六月大祭ではぜひ大・中・小の三連の大数珠を本堂の外陣いっぱいに三重に広げて、たくさんの信者さん達と盛大に執り行いたいと思っております。

そして貫主大僧正様の御法話を頂き、洒水加持を頂きます。 洒水加持では、ぜひ貫主大僧正様には明るい笑顔を見せながらお受けして頂きたいと思います。 『般若心経』の奉納写経につきましては、今号に第三面として同封いたします。 お参りの叶わない方もお参りされる方も、皇円大菩薩様の御宝前にお供えしますので、ぜひ一巻と言わず何巻でもお納めください。

令和七年の六月大祭は、この様に執り行います。 コロナ禍が過ぎて数年が経ち、有難い事に、六月大祭や正月初まいりでは皆さん方のお参りが随分戻って来ていますが、まだ二重の大数珠廻しでした。 これがコロナ前のように三重の大数珠廻しが出来るように皆さんお参りになれば、以前のように盛大な、御心に適う大祭となる事でしょう。

御誓願の凝結する六月十三日

さて、ここからは六月大祭でぜひ皆さんに功徳行から参加して頂きたいと思いますので、貫主大僧正様が功徳行について伝えて来られた内容に沿ってお伝え致します。

六月大祭は、奥之院での前行としての「功徳行」に始まり、「龍火くだり」を経て本院での大護摩祈祷、御遠忌法要と、夜を徹して厳修して来ました。 この「龍火くだり」につきましては、信者の皆さんの中に足腰の弱っておられる方が増えている事と、道中の夜間の安全性も考えて、今年も中止と致しました。

そもそも奥之院が開創する前までは、奥之院から本院へと下る行道ではなく、手燭ボンボリを持って境内を練り歩き、五輪塔(通称関白塔)にお参りしてから本堂に上がってお参りするという形式でした。 そして随分以前は、選抜された若い信者さん達が手燭ボンボリを持ち、近くにある貴船神社にお参りして帰って来るのをお迎えするという儀式もありました。

牛若丸こと源義経が天狗から修行を受けたという伝説で名高い、京都の鞍馬寺の近くにも貴船神社があります。 玉名の貴船神社も、修験僧として江戸時代の「天狗の番付表」にその名を遺す皇円大菩薩様の誕生された蓮華院に縁のある社と考えられています。

御遠忌大法要は、全国の信者の皆さんの信仰の発露、信心の結集としての法要であり、蓮華院にとって、そしてまた信者の皆様にとって最も意義深い法要なのであります。 それは六月十三日が、御本尊皇円大菩薩様の衆生済度の御誓願が結実した日であるからです。皇円大菩薩様が、 「末世の衆生を救いたい!」 という大慈大悲の御誓願を以て、その身を龍神に化身された特別な日なのです。

最も大きな「功徳」のある日

この六月十三日こそ、皇円大菩薩様の御心が最も高まった日であり、最も功徳のある日であり、そして最もご利益を頂ける日であります。 そしてまた、お礼参りに最も相応しい日でもあるのです。

この六月十二日と十三日は、今年は平日の木曜日と金曜日で、十一月三日の「奥之院大祭」や、「南大門春まつり」の四月二十九日のような「祭日」ではありません。 しかも梅雨の頃で天候不順な日です。 このように必ずしも条件の良くない中で、最も重要な大法要を執り行うのです。

しかしそんな中でお参りやお礼参りを行うからこそ、より一層大きな功徳と意義のあるお参りとなるのであります。 この日にお参りされる事は、その他の十三日御縁日を全て合わせたお参りよりも遥かに「功徳」があり、「ご利益」のある祥月ご縁日なのであります。

「ご利益」を頂く条件を作る

ここまで「功徳」という言葉を何度も使ってきました。 そして大祭の前行として行う修行も「功徳行」と名付けられています。 そもそもこの〝功徳〟という言葉にはどんな意味があるのか、ここで少し説明致したいと思います。 『佛教辞典』には次のような意味が解説されています。

①優れた徳性、良い性質、価値ある特質。つまり、善を積んで得られる福徳の事。 ②幸運の原因、福祉のもとになる良き 行い、優れた結果をもたらす能力。 ③善行の結果としての良き報い。また、良き行いを実行した結果、得られる恵み。 ④ご利益、優れた点、利徳の事。

つまり「功徳行」と名付けられた当山独特の修行は、虚心に修して頂く事によって、知らず知らずの内に良き結果をもたらし、ご利益や福徳を授かり、慈悲のお恵みを頂ける修行という事なのです。

さらに詳しく説明すると、まずは善き結果、即ちご利益を頂く条件としての心構えや心身の状態を作る事そのものが功徳であり、また、そのご利益や福徳に恵まれる事も「功徳」と言うのであります。 つまり、ご利益や福徳を頂く条件を作る事を「功徳を積む」と言い、ご利益やお恵みを頂く事を「功徳を頂く」と言い習わしているのです。

皇円大菩薩様縁の「功徳院」

そして、これもまことに有難い事なのでありますが、皇円大菩薩様が生前学僧として人生を過ごされた、高野山と並び称される程の日本を代表する霊山が比叡山です。 その比叡山で法然上人をはじめ数多のお弟子さん達を育てられた住房が、なんと「功徳院」なのであります。

この「功徳院」は、法然上人出家得度の由緒により、現在は「法然堂」として、比叡山の根本中堂のすぐ近くに鎮座しています。 平成二十七年の八百五十年大遠忌慶讃第二回巡拝の旅では、貫主大僧正様が信者の皆さん達とご一緒に、その「功徳院」で至心にお参りをされました。

六月大祭を心の故郷への里帰りに

奥之院では今から四十七年前の開創落慶大法要の後から、毎月第一日曜日にこの「功徳行」を修し続けてまいりました。 この修行の事を「功徳行」と名付けられたのは、先代真如大僧正様でした。誠に良い名を付けて頂いたと感謝致しております。

また六月大祭で必ず上映してきた映画、『龍神の説法』の中に、奥之院を建立するに当っての、開山上人様のこんな言葉が遺されています。 「信者の皆さんが功徳を積む所として、奥之院を建立したのであります…」 まさに〝言い得て妙〟であります。

その意味をさらに突き詰めて申し上げれば、来たる六月大祭では奥之院で「功徳行」を自ら修して、目には見えないけれども大きな功徳を積み、皇円大菩薩様の広大無辺の御霊力を頂いて下さい。 そして数々の福徳と御利益を授かって頂きたいのであります。

これから『大日乃光』の誌面にて、六月大祭に向けてご案内を続けてまいります。 全国の信者の皆様の六月大祭へのお参りを、貫主大僧正様はじめ教師・準教師、寺内職員一同、「お帰りなさい」の気持ちで心よりお待ち致しております。 信者の皆さんも、ぜひ心のふるさとへの里帰りのお気持ちでお参り下さい。合掌




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