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2018年12月08日大日乃光第2226号
「幸福になる方法、『幸福学』」 

幸せになりたいというのが、皆様を始め、世界中の人々の願いだと思います。

現在、アメリカや日本でも「幸福学」という新しい分野の研究が進んでいます。今回は、そういう最新の情報も踏まえながら、皆様に幸福になる有効な方法をお伝えしたいと思います。
 
大事な事とは
 
先ずは、自分の心の拠り所や信じるもの(つまり信仰)を持っている人は、少々の困難に遭っても、幸せ感を持続しやすいと言えるでしょう。また、チャップリンも言ったように、健康とある程度のお金があれば、幸せ感を持ちやすいと言えます。

そして、東日本大震災や熊本地震で何が一番大事かが明確になりました。物としては水と食糧ですし、精神的な事でいえば、人と人との「絆」です。

長生きするのに一番大事なのは人間関係であるという複数の論文があります。孤独は肥満や煙草よりも健康に悪いという研究データもあります。特に高齢の男性は気をつけましょう。このように定年後は、カネ、コネ(友人、知人)、タネ(趣味)が非常に大事だし、必要だと言われています。

次に、人の役に立つことをする、人助けをすると、幸福感を得られるということが、幸福学では明らかになってきました。「情けは人の為ならず」という諺にあるように、他の人に役立つ事がひいては自分の為になる訳です。

在家勤行次第に「三摩耶戒真言、おん さんまや さとばん」があります。その意味は、「仏様と自分と他人は同根である。即ち、同じ所から来ている」という意味です。ですから、他人をいじめる事は自分をいじめる事と同じで、他人を助ける事は自分を助ける事と同じ事になる訳で、その結果、幸福感が得られるというのもうなずけます。

自分一人だけ良ければいいという、自分ファーストの考え方や行動は、短期的にはいいかもしれませんが、長期的に見ると不幸になる方法なのです。反対に、人助けや人に与える事は幸せになるとても重要な秘訣です。

まず、体内にいいホルモンが沢山出て、免疫力が高まり、健康になれます。幸福感が増し、不安も減ります。顔にもつやが出て、しわも減り、若返ります。特に女性の方には効果的です。
 
四つの幸せ因子
 
日本の幸福学の権威、慶應義塾大学大学院教授前野隆司先生は次のように述べておられます。

短期的幸せは、地位財による幸せである。地位財とは、金、物、地位、美貌など他人と比べられる財の事を言います。長続きする幸せは、非地位財による幸せで、心の持ち方、考え方による幸せや、健康である幸せなどです。

前野先生は研究の結果幸せには四つの因子がある事を発見されました。それらは次のとおりです。

四つの幸せ因子と幸せになる呪文です。
一.やってみよう!自己実現と成長の因子。
二.ありがとう!つながりと感謝。
三.何とかなる!前向きと楽観。
四.あなたらしく!独立とマイペース。

一.やってみよう因子とは、夢や目標ややりがいを持ち、それを実現しようと行動し、成長していくことが、人の幸福感を高めると言うものです。人生とは、ある意味、自分の生きる意味や目的を探す旅であるとも言えます。人から言われたり教わった目的ではなく、自分で自分の生きる意味を見つけるのです。

もちろん、明確な意味や目的のない人生でもかまいませんが、干し柿を作ろう、新しい料理にチャレンジしようというような目先の小さな目標でも、結構楽しく何日かを過ごせるものです。

二.ありがとう因子とは、人と一緒に楽しんだり、愛情に満ちた関係を築くこと、人に喜ばれること、親切な行為をすることなどによって、私達は幸せを感じます。

ですから、「一食布施」でれんげ国際ボランティア会に寄付したり、隣近所の人に対して自分の出来る小さな人助けを考えて時々実行すると、満足感や幸福感を感じられるのです。

その延長線上で考えると、ご先祖供養も、ある意味人助けと言えなくもありません。困ってあなたを頼ってきたご先祖様を、皇円大菩薩様の救済力と大僧正様の御祈祷力によって救って頂くのです。それが、ご先祖様のみならず、回向としてあなた自身を救う事にもつながるのです。

三.なんとかなる因子とは、自己肯定感が高く、ポジティブでいられることで、やはり幸せにつながります。

信仰を持っている方は、仏様の力を信じているので、「仏様の力できっと何とかなる!」と思えますし、困難を乗り越える力の大きい方が多いと思います。絶体絶命の困難な状況に陥っても、信仰を持っている人は困難を乗り越え生き延びる力が強いという実例が昔から数多くあることは、皆さんも承知の事実です。

四.あなたらしく因子とは、他人と比較せず自分らしくやっていける人は、そうでない人よりも幸福だという事です。一般的に、他人と比較すると不幸になりやすいと言われています。自分をしっかり持ち、マイペースに人生を歩めるようになることが、幸せに生きる要因のひとつです。
 
瞑想やお参り
 
瞑想も精神を安定させ、健康になる為にいいと言われていますし、実証データもあります。

静かで安全な所で、背筋を伸ばして、ゆっくりと深呼吸するのです。吐く息を吸う息より長く、できれば、二倍くらいの長さにします。そして、自分の呼吸を数えるのです。十まで数えたら、また一から数え直します。目は半眼でも、閉じても結構です。呼吸に意識を集中する事で深い瞑想状態に入っていきます。

毎日一回、三分間~十五分間くらいされるとイライラしにくくなり、健康状態もよくなり、全ての面でいい効果が出てくることでしょう。是非、お試しください。

同じく、マインドフルネス瞑想法で言っている事も、「今に生きる」という事です。「色々と問題はあるけれど、それはとりあえず置いといて、今日自分の出来る事をやって、そのまま前進しよう」という方法で毎日を過ごすと幸せになれます。

信者の皆さんは、朝夕のお参りで「般若心経」や御宝号をお唱えされるのも一種の瞑想に当り、幸せになる立派な方法です。毎日、少しでも実行いたしましょう。

そして、寝る前にお経と御宝号を唱え、悩みや問題は全部仏様に預けお任せして、お休み下さい。そうすれば、ぐっすりと眠れ、翌朝目覚めると、いい解決方法が頭に浮かんでいることと思います。
 
感謝する事、赦す事、内観
 

一般的には次の事が幸せに近づく方法だと言われています。感謝する事、赦す事、執着を手放す事、こだわらず、受け入れる事は、幸せへの入り口。憎む事、恨む事、呪う事、仕返しする事は不幸への入り口です。

また、「全ては受け止め方次第、活かし方次第」です。悪いことでも、できるだけいい方へ受け止めて、いい方へ活用していく「陽転思考」を心がけましょう。

最後に、幸福感が増し、以前より楽に生きられる有効な方法があります。心理療法の内観です。今年は七月にカナダ人大学院生の内観や、中国山東省での内観学会、そして十二月にはイスラエル人も蓮華院に来て内観する予定で、世界中に広まりつつある内観を実感致します。

内観は人間の愛と憎しみを徹底的に掘り下げ、感謝と赦しの世界を作りだします。人は自分の中の鬼に気づくと仏様へと近づく事が出来ます。

憎む、恨む、怒る心を手放し、安定した平安な心、幸福を感じ取る力を強くするのに大変有効な方法が内観です。一人でも多くの信者の皆さんに内観を体験して頂き、幸せな人生を歩んで頂きたいと心から思います。合





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