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2020年07月09日大日乃光第2278号 貫主権大僧正様御親教
日本再生の祈りを込めた皇紀二千六百八十年の六月大祭 

さて、今日の御遠忌法要では「日本を取り戻す」という話をしようと思っておりました。
数日前から、明治天皇の玄孫に当たる竹田恒泰という方のインターネット配信動画の閲覧を続けています。
 
日本の歴史について、『古事記』を中心として、最近の考古学、分子生物学、言語学などを駆使して、日本とは一体何なのか?日本人とは何なのか?日本人はどこから来たのか?その中で天皇陛下とはどういう御存在なのか?こういったことを百回以上に亘って話されています。
 
文明の先駆者だった日本人の祖先
 
日本の古代史には石器時代があり、縄文時代があり、弥生時代があって古墳時代になって飛鳥時代になってという流れがあります。
 
石器時代の中にも旧石器時代と新石器時代という時代区分があります。近年は出土した石器や土器がいつ頃のものか、炭素14の放射線を測定してプラスマイナス十六年程の高精度で年代が分かるようになってきました。
 
石を打ち欠いて作られた打製石器による旧石器時代は、日本では古く見積もって五万年前に遡ると推定されています。
 
次にその石器を磨き道具として完成させたのが新石器時代です。最近、この磨製石器の中でも世界最古のものは、日本出土のもので、およそ三万八千年前という事が分かりました。
日本以外で次に古いものはオーストリア出土で約二万五千年前。中国大陸では最も古くても一万五千年前です。
 
ですから物を作るという文化的な営みの人類最古の痕跡は日本にあり、文明を始めたのは日本人のご先祖様なのです。これは最近分かった事です。
 
さて、縄文人と弥生人ですが、両者は体格も顔つきも確かに違いますが、そのDNAを調べると、ほぼ百パーセント同じなのだそうです。私も皆さんと一緒で、少し前の教育では両者は違うと習ってきたのです。よく言われる大陸から渡ってきたのが弥生人という説は間違いだったのです。
 
日本人はいつも大陸から進んだ文化を学んび、発展させてきたという感覚があります。そういう時代も勿論ありましたが、遡れば、手を加えた磨製石器では逆に日本の方が相当に古いわけです。
 
豊かな国土を自ら維持再生し、平和に暮らして来た縄文人のDNA
 
では縄文時代の人々の生活はどうだったか。日本各地で争い事や戦争をした形跡が殆ど残っていない、平和な時代だったのです。
 
それは何故かと言えば、これは竹田恒泰さんの想像ですが、日本では山と海と川が隣接していて海の幸・山の幸が豊富にあったからだと言われます。例えば外国ではどこに行っても魚はせいぜい二種類位、多くても五種類というのが世界の常識なのです。
 
いかに豊かな海に恵まれているかという事ですが、その為には川が運んでくる山の豊かなミネラルが豊富だという事です。ではミネラルを生み出す山がどうして豊かだったのか?それは山の木々を一斉に伐採してしまわなかったからです。飛行機から見下ろせば、日本は殆どが見渡す限り森林です。地図で見ても国土の七十パーセントが森林です。
 
四大河文明発祥の中東、中国やインドにしても、ギリシャにしても、ヨーロッパにしても現在は殆ど禿山ばかりです。「文明の後には砂漠が残る」と、ある人が言いました。文明は木を伐って燃やして環境を壊し、やがて人間もその場所からいなくなってしまう。
 
しかし日本の場合は必ず植林をしてきました。そして山や川の恵みを頂いて来た。海にもたくさんの恵みがある。日本の近海で寒流と暖流がぶつかり、植物プランクトンが発生して、そこに動物プランクトンも集まり、そしてそれを食べる小魚が来て、大きな魚もたくさん集まる。そのお陰で互いに争ったり奪い合ったりする必要がなかったのだろうという説です。
 
こうして四万年近くも争い事をせずに助け合ってきた縄文人達のDNAは、そこで途切れたのではなく、そのまま弥生時代に繋がったのです。こうして連綿と現在の私達一人一人まで続いているのです。
 
さらにこのDNAの流れは天皇陛下とも必ずや繋がります。日本人の全てが、天皇陛下に繋がる血筋を持っているのです。天皇陛下は日本人の血筋のシンボルであり、日本人の原型のシンボルなのです。
 
世界の他の国々の皇帝や国王の統治のほとんどは庶民から収奪するものです。それに対して庶民・国民の幸せを祈る支配者は世界中で他に類を見ないのです。これもまた日本の天皇陛下の大きな特徴であります。
 
困難な時代に人心を和らげた神武天皇の日本建国の理念
 
さて、弥生時代の後期になると争いが特に九州で増えます。諸説ありますが、その頃火山の噴火が急激に活発になり、豊かな食物が採れなくなった。その為に方々で争いが起き始めたのではないかと言われています。
 
『古事記』と『日本書紀』の中に「神武東征」という話が出てきます。神武天皇は日向国(今の宮崎県)を出立し、苦難の末に畿内を制します。そして奈良の橿原に宮を造成されて、そこで初代天皇として即位されて、建国宣言の詔(みことのり)を発布されたのです。その詔の中心的なものは「多くの人々を一つにして、大きな家となし、皆で助け合って生きて行く。私はそういう国にしたい」という建国の理念なのです。
 
神武天皇が九州を出られる頃は、火山の噴火が非常に多く、世の中が騒然としてきた時代だったようです。神武天皇は「これはいかん!!」と一つの国に統一して、皆で助け合うような国にしようと、そういう思いで日本国を建国されたのです。それがまさに、今から二千六百八十年前に当るのです。
 
古い国や宗教の始まりには欠く事の出来ない神話や伝説
 
世界中で建国記念日、独立記念日など自国が生まれた日を記念して、大切な行事が行われています。
 
日本では「建国記念の日」が二月十一日になっています。これは神武天皇が橿原神宮で建国の詔を発布されて初代の天皇になられたのがいつだったのかという事を、明治時代に一所懸命研究して、その結果、西暦前六百六十年の二月十一日を「皇紀」として制定されたわけです。(現在は約二千年前と推定)
 
今この本堂の真南にある昔の円い門。これは田中寅吉さんという方が会社が倒産しそうな時に、何とか開山上人様の御指導や信仰の力で盛り返す事が出来た、そのお礼として奉納された門です。そこには皇紀二千六百年(昭和十五年)成就と刻んであります。ですから令和二年と元号で言うのも良いのですが、皇紀で言えば、今年は皇紀二千六百八十年でもあるのです。
 
日本の国の成り立ちを調べる上で、戦後すぐの頃は、『古事記』は神話であり史実ではないと言う歴史学者が殆どでした。
 
では神話は全て事実ではないというのであれば、キリスト教の『聖書』は否定されます。海が二つに割れた。神は六日間で天地万物を創られた。神は自らを模して土から人間の男(アダム)を創った。次に男の肋骨を一本使って女(イブ)を創った。これはまぎれもない神話です。
 
またイエス・キリストは聖母マリアから生まれた。しかしマリアは処女だったとされています(処女懐胎)。これはキリスト教における大切な大切な伝説です。この事を敢えて詮索せず、そういうものとして、イエス様やマリア様を尊い方として信じるからキリスト教は成り立つわけです。
 
伝説や神話は一切無視すべきであるという考え方は、世界的にみると極端過ぎるのかもしれません。今年は皇紀二千六百八十年と、過度に強調するのもおかしいけれども、そういうロマンがあっても良いのではないかと思います。
 
日本の元気を取り戻すために歴史に自信と誇りを取り戻そう
 
これが二十年前、三十年前だったら、例えば日本で出土した磨製石器は三万八千年前のもので、これは世界一古く、従って日本が世界で一番古い国である。こんな風に言えば、批判を受けたり危険人物と見なされました。
 
弥生時代に大陸から人が渡って来て国が作られた。弥生人は元々日本人ではないと言われてきた。そんな中で弥生人と日本人は繋がっていると言えば、そんな馬鹿な事は無いと批判された。
 
このように日本が素晴らしい良い国という説が出る度に、そんなことはないと、否定され続けて来ました。これは戦後の特別な事情です。しかし、これらは最新科学の成果なのです。
 
例えば自分の家には何代前にこんな偉い人が居たという話を見つけたら、家族の中で皆で共有して嬉しく思うはずです。過去の歴史に誇りを持ち、自尊心を高める事が全く無ければ、未来は暗くなりかねません。
 
その意味では子や孫達のためにも、私達はご先祖様の営みに対してもっと好意的に愛着を持って見つめる事が必要です。その上で、自らの使命感を持って子や孫に接していくという事がいかに大切かという事を、しみじみと実感する所であります。
 
困難な時代にこそ日本人の真価を発揮しよう
 
日本人が過去数万年に亘って、ずっと持ち続けてきた特性があります。それは互いに争い奪い合うのではなく、他人と睦み合い話し合い協力しあって苦難を一緒に乗り越える、そういう国民性を持っているという事です。
 
それは東日本大震災でも熊本地震でも発揮され、今回のコロナ禍の中でも発揮されている。これは世界中の人々が感心しています。中には日本に学ぼうと考えている人も少なくないと思います。
 
どうか、我々は先人の培ってきた歴史の積み重ねに感謝し、良くない事もそれを喜んで受け取り、希望を持って次の世代に繋いで行きましょう。その事が、まさに皇円大菩薩様の御恩に報いる事に直結します。
 
過去を尊び未来に誇りを繋げる事、これを信仰の新たな価値として、私は今日提唱したいと思います。過去に感謝するという事は、未来に希望をもたらすという事にも繋がります。
 
どうか皆さん、まだまだ困難な時が続きますが、それぞれが雄々しく乗り越えて、世界の歴史に良き伝統を残しましょう。また家族でこれまで以上に睦み合いながら、より良き家庭、より良き地域、そしてより良き日本を少しでも創って行きたいと思います。 合掌




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