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大日乃光






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2019年01月29日大日乃光第2230号
信者の皆さんと分かち合う節分星まつりの大いなる功徳

大寒の候に寒行三昧の昔日を振り返る
 
一年で一番寒い季節を迎えました。皆さん風邪など引かないよう元気でお過ごし下さい。
少し前には日本各地から寒稽古や裸祭などの、寒さに立ち向かい、打ち勝つような催しのニュースが伝わっていました。
 
私もかつては寒中の水行をしたり、敢えて寒さに立ち向かうようなこともして来ましたが、今は「年寄りの冷水」になってしまわないように、余り無理はしない様にしています。それでも、気持ちだけは寒さに負けない気迫で日々を送る様に心掛けています。
 
二月の節分が特別な理由
 
さて、来たる二月四日は「立春」です。その前日が「節分」になります。
 
節分は「冬至」や「大寒」などの二十四節気の中の立春、立夏、立秋、立冬の前日の事なので、本来は年に四回あるのですが、昔からこの二月の節分が運気の大きく変わる節目の時期に当たるので、日本古来の行事の日として今日まで伝わってきました。
 
明けて四日の立春は「八十八夜」や「二百十日」など農業の起算日に当たり、新しい運勢の始まりを告げる正月に相当します。
 
そこで前日の節分は、年の瀬の大晦日に除夜の鐘を撞いて来たる年の除災招福を祈ったように、かつては一年納めの大祓いを行なっていました。これは中国を経由して伝わった暦や運勢学から来ています。
 
宮中では古来からこの日に「追儺式(ついなしき=厄祓いの儀式)」が行われて来ました。それが江戸時代からは「豆まき」として庶民にも広まり、現在まで伝わっています。
 
私は二月一日から三日まで、普段の早暁の御祈祷の前に「星供護摩」を、全国の信者の皆さんの為に開運の意味を込めて、三座の護摩を焚きます。これは大難を小難にし、小難を無難にする為の御祈祷です。
 
運勢をつかさどる九つの星
 
全ての人はその生まれた年月によって「一白水星」から「九紫火星」までの星のいずれかの星の元に生まれます(本命星)。これは生涯変わりません。
 
今年(二月四日から)は「八白土星」の年に入るのですが、皆さんそれぞれの生まれ星がどの方角に定まるかによって、おおよその吉凶が決まるのです。これは毎年この節分の直後に変わりますので、その年々の吉凶は順送りに変化して行き、全ての人の吉凶が変遷していくのです。その意味では、この運気の吉凶は平等に変化しているのです。
 
それでも今年が凶の人は「何とか少しでも悪くならない様に」と思い、または吉の人も「更に運気が良くなる様に」と思われるのが人の常です。このように多くの人々の「少しでも運気を上げたい」という切実な願いから、節分の星まつりの行事が古来連綿と続いているのであります。
 
それでは、既に当山に星まつりを申し込まれた皆さんは、この節分をどんな心構えで過ごしたら、より開運に繋がるのかを少しお話し致します。
 
節分に当たっての心構えは心の中の「鬼」を退治すること
 
先ずは、この「節分」が一年の中で一番運気が変わる時期である事をしっかりと心に納めて過ごしてください。例えば大晦日から元旦を迎えた時のように、厳粛な緊張感を持って過ごして頂きたいものです。
 
毎年奥之院では、この時期に一番近い日曜日に「開運節分豆まき」を厳修致します。先ず大梵鐘の真下に豆をお供えし、至心に祈願を込めた後、大梵鐘を撞いてその波動で豆をお加持し、加えて錫杖でのお加持の後に、年男・年女の皆さん方にも参加して頂いて豆まきを致します。
 
その前に必ずこんな法話を致します。「これから『鬼は外!福は内!』と大きな声と共に豆をまきますが、そもそもこの鬼とは何でしょうか?
 
赤鬼・青鬼と角の生えた鬼を想像されるかもしれませんが、本当は私たちの心の中にある『貪・瞋・痴』の『三毒』に代表される悪い心が鬼なのです。自分のものではないのに欲しがる貪りの心(貪)、不必要で理不尽な怒りの心(瞋)、そして物事の道理のわからない無知な心(痴)などです。
 
これらの三毒から百八煩悩と言われる多くの煩悩が生まれ、様々な諍いや争い、数々の悩み苦しみが生まれるのです。この人間の悩み苦しみの元が鬼にも例えられる『煩悩』なのです。
 
ですから『鬼はー外!!』とまかれた豆をご自身の心の中の煩悩に当てて、心の中のわだかまりを追い出してください。まかれた豆を我先に取り合うのでは貪りの心にもなってしまいますから、充分に心して下さい。
 
そしてその代わりに『福はー内!!』で感謝の心、反省の心、奉仕の心など、良き心構えを自分の心の中に取り込んで下さい。このことによって貪りの心を奉仕の心に、怒りの心を優しく穏やかな心に、真実に暗い迷いの心を謙虚で真面目な広い心に転換して下さい。
 
更にこのように心を転換する為には、日々の生活の中で具体的な良き習慣を一つでも多く身につけて、それを毎日思い起こして続けることが大切です。習慣が変わると人格が変わり、人生まで変わるのです。これが究極的な開運への道なのです。
 
例えばなるべく一回でも多く『ありがとう』と言いましょう。一回でも多く笑顔で接しましょう。そして一回でも多く笑いましょう。更には一回でも多く周りの人に親切な行動を具体的に実行しましょう。
 
このように表に現れる良き習慣を身に付けることが、福を呼び込む最大の事柄なのです」
おおよそこのような話を致します。
 
二月三日は奥之院で三つの「功徳」を重ねよう
 
今年の節分は幸いにも日曜日に当たりますので、毎月第一日曜日に行っている「功徳行」も、節分豆まきと前後して厳修致します。
 
信者の皆さんは是非とも「準ご縁日」と「節分豆まき」と「功徳行」の重なる二月三日にはご家族の皆さん、更には友人知人を誘って奥之院にお参り下さい。
 
このように友人知人を誘ってお参りされる事は、佛様への御縁繋ぎであるばかりでなく、福を呼び込む大きな「功徳」でもあります。そして自ら「功徳行」にも参加されて、より確実な開運厄除けの節分にして下さい。
 
正月に並ぶ一年の良き転機を呼び込む節分に当たり、全国の信者の皆さんの更なる開運と除災招福を、三日間の星供護摩祈祷で至心にお祈りいたしますと共に、皆様にとって幸多き日々が続きますよう、心から祈念申し上げます。合掌




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