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2021年08月18日大日乃光第2314号
「親が内観すると子供が登校する」

「親が内観すると子供が登校する」

蓮華院誕生寺内観研修所 所長 大山 真弘

 
ブーカの時代
 
二〇二一年八月四日現在、世界中のコロナウイルス感染者数は遂に二億人になり、死者数も約四百二十五万人となりました。また、日本の感染者数も累計約九十七万人、死者数約一万五千人となりました。
 
ワクチン接種により減少傾向にあったのが、デルタ型の流行により感染者数が各国で再び増加に転じており、なかなか一筋縄ではいかないウイルスに各国とも苦戦しているのが現状のようです。
 
東京は事実上、医療崩壊に近い状態です。コロナウイルス・デルタ型に依りワクチン効果が低下したために、世界中で感染者が再び急増しています。ついにイスラエルではコロナワクチン接種の三回目を打ち始めました。
 
しかし、今までのパンデミック、スペイン風邪等も三年で終息していますので、今回も集団免疫人口七割を獲得した来年中には終息するものと予想されます。
 
まさに現代はブーカの時代です。ブーカ(VUCA)とは、変動、不確実、複雑、曖昧の英語の頭文字を取ったものです。対処方法としてはウーダ・ループがあり、ウーダ(OODA)とは、観察、理解、決定、行動の事です。私たちも現状をあるがままに素直に観て、変化する事態に対処していきましょう。
 
一方、オリンピックも開催中で、多くの感動的なドラマがうまれました。勝者もあれば、敗者もあります。前回のメダリストが沈んだり、思いもかけない人が金メダルを取ったり、悲喜こもごもです。まさに人生山あり谷ありで、運命は巡る事を私達に示してくれています。
 
その一方で、スケートボーディングの様に楽しく明るくメダルを取った新人類たちも登場しました。「勝敗にこだわるよりも、上手く行っても失敗しても、仲間同士お互いに認め合って、楽しもうよ!」という新しいスポーツ文化です。

今までの根性もののスポーツ文化に一石を投じ、百メーター競争も元々は「かけっこ」という遊びだったことを思い出させてくれました。仲間と共に楽しむことが上手な新人類たちは、悩む事も少なく、うつ病にもなりにくく、明るい日本の未来を感じさせてくれます。
 
こういうコロナ禍の状態で、自宅でできるEメール内観をされて悩みを解決された方々がいらっしゃいます。「Eメール内観を始めてから息子が甲子園出場を決めたり、いい事ばかり起こる!」と喜んだ人もおられました。
 
また、子供の不登校で悩んでおられるご家族五人全員が一日内観に来られた事もあります。
今回はEメール内観された方の体験感想文をご紹介致します。
 
息子の不登校
 
今回、Eメール内観に申し込んだ理由は息子の不登校でした。

息子は小学四年生ですが、既に小学校に入学した当初から学校はあまり行きたがらず、今までの四年間、優しい言葉を掛けたり、怒ったりしながらも、登校したり休んだりの繰り返しでした。

私は息子の気持ちを無視して、とにかく「学校へ行かせること」ばかりを目的としていました。なぜ行きたがらないのか、理由がわからずイライラして当たることもありました。

あるときふと、もしかすると息子が不登校になっている原因は私にあるのではないか、ということに思い当たりました。

内観というのは以前より知人からお話を聞いていたので興味を持っていました。これを機に一度取り組んでみようと思い、自宅で出来るEメール内観に申し込みさせていただきました。
 
母親への内観
 
まず母親に対する内観から始めました。

母親は私が二十歳ぐらいの時に病気で亡くなっています。それまでも病気で入院生活などが多かった母親に対する思い出や記憶は、正直あまり残っていませんでした。それでも何とか思い出そうと、古いアルバムを引っ張り出してきて、記録をたどっていきました。
 
生まれてから半年間の手記が出てきて、初めて読みました。育児での苦労、どれだけ可愛がってくれていたのか、記憶ではもう忘れてしまったことがきちんと残されていました。子供の頃の写真を見ると、母からとても大事に大事に育てられたというのがよく分かります。
 
父親への内観
 
そして父親です。父についての内観は二回行いました。

父は私にとってとても近い存在でした。子供の頃から沢山遊んでくれた記憶もあります。いつも自由にやりたいことをさせてくれ、何か大きな決断をする時には必ずサポートしてくれていました。
 
結婚し、遠くに住んでいる今でも、それは変わりません。病気がちの母をずっと看病し、仕事を掛け持ちして家族を支え、母が亡くなった後も母親代わりを務め、今でも父の存在は偉大です。
 
生まれてから今に至るまで、私に掛けてくれた養育費を計算してみて驚きました。決して裕福な家庭ではなく、家族も多く、病気の母に掛かる医療費も決して少なくはなかったと思います。それでもずっと変わらず家族を守り続ける父には頭が下がる思いです。
 
子供への内観
 
次に行ったのは、息子についての内観でした。

実際に不登校になった息子についてですが、彼は私が何度怒っても、突き放しても、いつも愛情を示してくれていました。小さい子供であっても、一生懸命生きようとする姿、人に愛を示す姿を見せてくれています。
 
私が精神不安定になり、イライラをぶつける相手は思い通りにならない息子ばかりでした。彼は母親から愛されていない不安を抱え、学校という社会に出ることができなかったのかも知れません。
 
最後は長女について内観をしました。

長女は小学生です。彼女は手のかかる弟が生まれてから、我慢のし通しだったと思います。とても出来の良い子で我慢強い反面、いろいろな事を溜め込んでしまっているのだと思います。
 
離婚した私のお手伝いをたくさんしてくれます。ただ、息子に気が行き過ぎていて、彼女に愛情をしっかりと向けられていなかったと反省しました。
 
この内観を始めたのは息子の不登校でしたが、気づけば息子は楽しく学校へ行くようになっていました。あれだけ不調を訴えていた息子ですが、今では学校から帰ってくると「友達と遊んでくる!」と、元気よく毎日を楽しんで過ごせるようになりました。
 
内観をした事で何が変わったのかは分かりません。ただ、いろいろな気づきがあったことは確かです。知らない間に子供たちへの接し方が変わっていたのでしょうか。とにかく問題は解決していました!
 
父からの一番のギフト
 
最後に、私が父からもらった一番のギフトは自己肯定感ということを書きたいと思います。
 
父はとにかく子供の頃から沢山遊んでくれ、子供のために積極的に時間を割いてくれ、色々な経験をさせてくれました。希望する事があれば、無理な事でも肯定し、サポートしてくれました。そして、沢山スキンシップを取ってくれました。
 
こういったこと全てが、いまの自分を肯定する、そのままを愛せる原動力になっているのだと思います。こうやって最大限の愛を与え続けてくれた父に感謝します。
 
父に対しては、これからできる限りの恩返しが出来たらいいなと思います。心配ばかりかけた私だったので、安心させてあげるのが一番の親孝行かもしれません!
 
そして親になったいま、父と同じようなことが出来るか分かりませんが、子供たちが自分をそのまま肯定できるよう、そんな子育てに繋げられたらいいなとも思いました。
 
長くなりましたが、以上です。毎日必ずメールを返信し、いつも温かい言葉を掛けてくださりありがとうございました。
 
Eメール内観
 
Eメール内観は自宅で、自分の都合のいい時間に約三十分行い、こちらにメールするだけの簡単なものです。こちらも一日位でアドバイスやコメントをつけて返信します。これを毎日一回一ヶ月間繰り返します。そして、いつからでも始められます。
 
Eメール内観されたい方は、本院の方へメールやお電話やFAXをされて下さい。あるいは、内観研修所のホームページからお申し込みやお問い合わせもできますので、ご検討をよろしくお願い申しあげます。合掌

蓮華院誕生寺内観研修所ホームページ https://www.rengein.jp/naikan/
Eメールアドレス: naikan@rengein.jp
電話:0968-72-3300  FAX:0968-75-1065





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