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大日乃光






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2022年01月28日大日乃光第2328号
信者の皆さんと分かち合う節分星まつりの大いなる功徳

連日、厳しい寒さが続きますが、信者の皆さんが風邪やコロナなどに罹らないよう、毎朝の勤めで真摯に祈っております。
 
先の正月初まいり法要も厳寒の中、またコロナ禍の中、ようこそお参りでした。当山独自のけむり護摩祈祷も無魔成満。お参りの叶わなかった全国の信者の皆さん方への法要中継も叶いました。これも偏に皇円大菩薩様の絶大なる御加護の賜物と、誠に有難い事と思っております。
 
二月の節分が特別な理由
 
さて「大寒」の次の節気は、もう「春を立てる」と書く「立春」です。今年の「立春」は二月四日、その前日の三日が「節分」に当ります。
 
春の始まりである「立春」は「八十八夜」や「二百十日」など農業の起算日に当り、またこの日を境に新しい年の運勢が始まります。
 
その前日の「節分」は運気の大きく変わる節目の時期に当たるので、昔から一年納めの大祓いを行う行事の日として今日まで伝わりました。宮中では古来、この日に「追儺式(ついなしき=厄祓いの儀式)」が行われました。それが江戸時代からは「豆まき」として庶民に広まり、今日でも各家庭に伝わっています。
 
運勢をつかさどる九つの星
 
全ての人はその生まれた年月によって、「一白水星」から「九紫火星」までのいずれかの星の元に生まれます(本命星)。これは生涯変わりません。
 
今年(二月四日から)は「五黄土星」の寅年に入りますが、皆さんそれぞれの生まれ星がどの方角に定まるかによって、おおよその吉凶が決まるのです。
 
これは毎年この節分の直後から変わりますので、全ての人のその年々の吉凶が順送りに変遷していくのです。その意味では、この運気の吉凶は平等に変化しているのです。
 
それでも今年が凶の人は「何とか少しでも悪くならない様に」と願い、または吉の人も「更に運気が良くなる様に」と願われるのが人の常です。このような多くの人々の「少しでも運気を上げたい」という切実な願いから、節分にはそれぞれの星を供養する「星まつり」の行事が古来より連綿と続いているのです。
 
「星供護摩祈祷」と私達の心構え
 
当山では二月一日から、この運気の大きな変わり目である二月三日の節分の日まで、全国の信者の皆さん方、そして多くの有縁の方々のために、密教秘法の「星供護摩」を三座焚いて御祈祷致します。これは「大難を小難に、小難を無難に」と転じるように祈ります。
 
この密教祈祷による「星まつり」に対し、それを申し込まれた方の中から、「私自身は節分に当たってどんな心構えが必要なのでしょうか?」とお尋ねされた事があります。それに対して、
 
「節分は運気の変わり目なので、開運の意味を込めて皆さんの為に祈りますが、あなたご自身も、これまでの生活習慣の中に何か一つでもよいから、新しい良き習慣を加えるか、あまり良くない習慣であれば思い切ってそれをやめる決意をなさってはいかがでしょうか?」
と答えています。
 
これは例えば、「これまでよりも三十分早く起きる」でも良く、「一日の始まりに朝日を拝む」とか、「朝日に向かって歩く」でも良いのです。
 
節分は、私達が何か新しい事を始めたり、心に決めて決意を新たにするのに相応しい時期でもあるのです。
 
開運の秘訣は「諦めない」こと
 
習慣は第二の個性です。良き習慣を続ける事が、運勢を少しずつでも開いて行く事に繋がるのです。この続けるという事が大切です。とは言え、なかなか続かないのもまた人間の性です。何度やり直してもよいのです。
 
一年の計を元旦に定めた方も、いま一度、この「節分」で挑戦してみるのもよいでしょう。
そして「諦めない」事が大切です。
 
今、苦難の只中に居られる方は、くじけそうになったり「もうだめだ!」と思われる事もあるでしょう。そういう時こそ、コツコツと続けて来た期間が長ければ長い程、目に見えない「何かに守られている」と感じる事が出来るはずです。これを一度味わえば、「自分は守られている」と感じる事が出来るのです。
 
進む方向が正しければ、どんなに意思が弱くとも、力が無くとも、諦めさえしなければ必ず道は開けます。
 
「恵方巻き」の本当の意味
 
平成十年頃に関西地方から始まった「恵方巻き」の風習は、今や全国に定着しているようです。
 
そもそも恵方巻きの「恵方」とは「歳徳神が居られる方角」という意味で、やはり「節分」を境に毎年変化します。
 
かつては自分の家からみて、その年の恵方にある寺社に参拝してその年の幸福を祈願する「恵方詣り」の風習がありました。それも大正以降、方位に関係のない「初詣」となり今日に至っています。
 
さて今年の「恵方」は「壬(みずのえ=北北西やや右)」の方角とされています。「恵方巻き」の風習では、そちらの方角を向いて、大口を開けて海苔巻きの寿司を食べると縁起が良いとされています。これは「縁起担ぎ」であり、「大口を開けて」食べる姿を、口を大きく開けて大笑いしている姿に見立てる所に意味があるのです。
 
「笑う門には福来たる」と昔の人はよく言ったものです。たとえば良い事、嬉しい事があったから笑っているのではなく「笑っていたから福が来た」と因果関係を逆転させるのです。
その反対が「泣きっ面に蜂」です。これも蜂に刺されたから泣くのではありません。泣いている所に、さらに蜂が刺しに来るのです。
 
「縁起担ぎ」の「縁起」という言葉は、もともと全ての物事には原因があり、縁が加わって結果として何事かが起こる、という佛教由来の考え方なのです。大口を開けて笑う事によって、逆に「笑う門には福来たる」と…明るい笑顔を作ることによって、心のあり方を明るい状態にする事が大切なのです。
 
実証された笑いの効能
 
先に良き習慣が運を開くと書きました。その一つとして、自分の方から他の人、周りの人々に笑顔で接するという事をぜひ習慣にして頂きたいと思います。
 
私自身、今年の一年の計の第二に「笑顔を増やす事」を立てています。毎日一回でも多く笑う事が、運勢を良くするための、とても大切な事であると確信しています。
 
笑う気にならなくても、鏡の前で笑顔を作り、声を出して大笑いしてみて下さい。この笑顔や笑いによって何かが変わって来る事は、科学的にも一部証明されています。
 
世界的な遺伝子工学の権威であられた故村上和雄先生は、笑いによって糖尿病の人の血糖値が下がるという事実を科学雑誌に発表されました。なぜ笑いが血糖値を下げる力を持っているのかは、まだ充分には解明されていません。しかし実際に血糖値が下がる事は証明されたのです。
 
心の働きが前向きな人は、周りの人びとの幸福を祈ったり、周りの人の役に立とうとされます。その心持ちこそが、その人自身をも幸福に導くのです。ですから先ず自分から笑いかけてみましょう。そこから小さな変化が現れるに違いありません。
 
運勢を開く感謝の心
 
次に運勢を開く大切な心構えとは、「感謝の心」です。
 
人生には様々な節目や転機があります。自分に都合のよい事には、どなたも感謝出来ますが、不都合な事柄にはついグチや不平不満を言ってしまいます。そんな時は、ご自宅の皇円大菩薩様のご分霊に向かってグチや不満を言ってみて下さい。またお参りのはじめに、親に甘えるように語りかけて下さい。
 
その後、一心に『般若心経』や『光明真言』を、そして「南無皇円大菩薩」と御宝号を何度も唱えて下さい。何度も唱える内に、様々な不安や悩みが軽くなり、楽になるはずです。御宝号そのものに「ありがとうございます」という感謝の思いを込めて唱えて下さい。この感覚を一度しっかりと身に付けると、開運へのゆるぎない道が開けます。
 
感謝の心を育む「ありがとう」
 
運勢を開く心構えを作る三つ目の方法は、日々の生活の中でなるべく「ありがとう」を口に出して言う事です。
 
人によってはこの「ありがとう」の代わりに「すみません」と言う方がおられます。しかし「すみません」では、心に前向きなものが生まれにくいのです。どちらかと言えば、心のエネルギーが抜けて行く方向に働いてしまいます。
 
笑顔・笑いが幸運を呼び寄せるように、有り難い事があったから「ありがとう」と言うだけでなく、逆に普段からできるだけ「ありがとう」と言っていれば、有り難い事が向こうからやって来るのです。
 
周りの人びとに一回でも多く、「ありがとうございます」「アリガトウ」と言いながら、運を開いて行きましょう。
 
二月六日は奥之院で運勢を開こう
 
来たる二月六日は、毎月第一日曜日に行っている「功徳行」を、「開運豆まき」と前後して執り行います。東京ドーム四個分以上もの広大な境内を存分に使い、できるだけ密接しないように豆まきを行う予定でおります。
 
信者の皆さんも、ぜひ二月六日には奥之院にお参りして、「功徳行」にも参加して、より確実に運勢を開いて下さい。
 
一年間の良き運気を呼び込む節分に当たり、全国の信者の皆さんの更なる開運と除災招福を、三日間の星供護摩祈祷で至心にお祈りいたしますと共に、皆様にとって幸多き日々が続きますよう、心から祈念申し上げます。合掌




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