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2022年08月29日大日乃光第2347号
ご先祖様のご守護を授かり運勢を開く「先祖追善護摩供養」

ご先祖様のご守護を授かり運勢を開く「先祖追善護摩供養」
 
秋のお彼岸を前に先祖供養の意味を説く
 
いよいよ九月に入ります。今年は実に様々な出来事が起きましたが、すでに一年の三分の二が過ぎた事になります。この時期は八月盆と秋彼岸の中ほどになりますので、今回は先祖供養の意味とその功徳について、お伝えします。
 
そもそも「供養」という言葉は、「供えて養う」または「養う事を供える」と書きます。
では一体何を供え、何を養うのでしょうか?
 
お供えするのは「真心」と、それに伴う品物なのでしょうか。そして養うものは何なのでしょうか?
 
それは自分の生きる意味?
生の充実?
生まれて来て良かったという思い?
優しい心? 幸福? 愛情生活?
健康? 財産? 学力?…
 
人は生きている間に様々な願いを持ちます。しかしその願いは年齢を重ねるに従って、叶わないものになって行く事が多々あります。それは若い頃に抱いた夢が、歳を重ねるに従って色褪せて行くのにどこか似ています。
 
しかし逆に、年齢を重ねるに従って深く広くなって行くのが、父母やご先祖様への感謝の心ではないでしょうか?
 
今年のお盆前に、京都のあるお寺の伝道掲示板に次のような言葉が書かれているのをSNSで拝見しました。
 
見えなくてもお花を供えたい
食べなくても美味を供えたい
聞こえなくても話したい
ご先祖様への感謝の気持ち
 
十年前に還暦を迎えた私は、子供の頃より青年時代、さらには壮年時代の方が、より父母への思いが深まりました。そして父母を亡くしてからは格段に、父母への感謝の心を強く抱くようになりました。
 
今の私にとっては父母ですが、私の子供達、孫達にとっては、私の父母は既にご先祖様になっています。そして私と妻が数十年後にこの世から去ると、今の孫やひ孫達からは、私達夫婦は立派な?ご先祖様になる訳です。
 
この様に考えてみれば、「供養」とは、「真心と、その思いでお供えしたもので、自分の父母や先祖を大切にする心を養う」ということになりそうです。ここまでは一般的な供養の意味あいです。
 
氷山の一角に過ぎない顕在意識
 
初めて当山での先祖供養を始める方にお伝えしている事を、ここで少しお話ししてみましょう。一般的な供養から、少し踏み込んだ内容です。
 
氷を水に浮かべると、一割ほどが水面から上に出ます。いわゆる「氷山の一角」です。
氷山全体からすれば約一割しか水上に現れず、その九割が水面下に隠れているからそのように言い表します。
 
この九対一、または十対一の法則は、私達の脳の働きについても同じような事が言われています。どういう事かと言うと、私達は普段、脳全体の約十パーセントしか使っていないのだそうです。残りの九十パーセントが一体何をしているのか?どんな働きをしているのかは、未だに充分には分かっていないのです。
 
また、この十パーセントしか使われていない脳を、もし十一パーセントでも使える人がいたら、その方は天才的な頭脳と言われる事になるのです。
 
ここからは推測ですが、この十パーセントが私達の表層の意識としての、顕在意識(けんざいいしき)に相当するのではないかと思います。そして残りの九十パーセントが潜在意識(せんざいいしき)なのではないかと思います。
 
脳の働きという側面とは別にみても、人は日常生活のほとんどを「顕在意識」で判断しながら生活していると思われがちですが、実は、日頃はっきりとは意識していない無意識の意識とも言える「潜在意識」が意外と大きな役割を果たしていると思われるのです。
 
佛教の心理学とも言われる「唯識学派」では、過去の全ての記憶は、この潜在意識(佛教用語では阿頼耶識(アラヤシキ))の中に記録されていると云われます。
 
その意味では顕在意識を一とすれば、潜在意識は九から十ぐらいの影響力を持っていると思われるのです。
 
ですから例えば、表面的な意識、顕在意識で「今日からお酒をやめる!!」と決めたとしても、過去の飲酒の思い出や、お酒を呑んで友人との友情を深めたなどの記憶が、潜在意識やその人の肉体にしっかり残っている限り、なかなか禁酒が出来なかったりするのです。
 
このように顕在意識と潜在意識の一対九の関係が、人々の行動に深く影響しているのではないかと思います。
 
先祖供養の密教的な解説
 
ここまではある程度、科学的に根拠のあるお話です。ここから先は、私の修行体験や、先代、先々代から伝え聞いた事を交えてお話し致します。
 
水面下の氷のように私達を支えている、日頃何をしているのか分からない九十パーセントもの脳の働きを、ご先祖様の存在や、そこからの働きかけと考えてみて下さい。
 
長年、当山に「先祖追善護摩供養」をお願いして信仰を続けて来られた方々を氷山に喩えると、水面下の氷がきれいな結晶となって、水上に現れている十パーセントをしっかりと支えているような状態なのです。そして、その人の日常生活や心の安定を、ご先祖様がしっかりと支えて頂いている状態になっているのです。
 
この様な状態の人は、何体(何人)もの良き「守護霊」に護って頂いているようなものなのです。さらに信仰が深まり、功徳を積めば、皇円大菩薩様ご自身に守護霊の様な働きをして頂いている状態になります。すると何事も思い通りに事が運び、佛様に導かれて幸福で健康な日々を送る事が出来るようになるのです。
 
私がこれまで五重塔、南大門、多宝塔の建立を何の苦労もなく成し遂げられたのは、まさに皇円大菩薩様の御加護の賜でありました。
 
これとは逆に、先祖供養が充分に出来ていない人は、本来、守護霊になるべきご先祖様が「背後霊」のようになるとでも云うのでしょうか、何となく「運が悪い」「道が開けない」「家庭内がいつもゴタゴタしている」などといった状態から中々抜け出せない状態に陥りやすいのです。
 
ですから運勢を開く「開運」の意味でも、この様な方々には月決めで、人によっては十日間から十五日間、または二十日間から三十日間というように、毎月決めた日数の「先祖追善護摩供養」をお勧めしています。
 
今から始める先祖供養でご先祖様との〝もやい直し〟
 
以前、大願を成就されたある方が、お礼参りに来られました。この方は大きな決断をする前の半年間、この「先祖追善供養」を一日も欠かさず続けて来られました。そのお陰で大きな願いを成就されたのです。そして大変喜んでご報告して下さいました。そんな時は、私も他人事とは思えず、一緒に喜びを分かち合います。
 
また別のある方は、三年間の月参りと先祖供養のお陰で長年苦しんだ病気が全快し、人生を大きく開かれました。この様に申しましても、人にもよりますが、この月決めの先祖供養を始めてからしばらくは、それ以前よりもさらに運気が下がったり、調子が悪くなる人が、稀におられます。
 
それはその方のご先祖様方が、それまではその人に供養を全く期待されていなかった所に、改めて供養を始められたので、ご先祖様方が一気にその方を頼って来られるので、一時的に良くない事が起きたり、悩みが深まってしまうからなのです。
 
これは喩えて言えば、飛行機が離陸する時に、エンジン出力を一杯に上げて、燃料を最も使うのに似ています。
 
しかしそこを乗り越えれば、飛行機が雲を突き抜けて雲一つ無い空に出るように、平穏で満ち足りた、安定した生活に変わった方々がたくさんおられます。
 
先祖供養を続けていても、不都合な事が起きる事もあります。しかし、その不都合な状態にある方は、当山の「反省」「感謝」「奉仕」の三信条を日々の生活の中で力強く実践して下さい。その中で、様々な苦難を乗り越えて行って頂きたいと切に念じております。合掌




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