ホーム > 大日乃光 > 大日乃光一覧

大日乃光






大日乃光

2024年01月19日大日乃光第2391号
三つの良き生活習慣の実践で、明るい未来を切り開こう!!

三つの良き生活習慣の実践で、明るい未来を切り開こう!!
 
躍進の年初に大災害を憂う
 
全国各地からお参りの信者の皆さん!新年明けましておめでとうございます。本年は辰年です。「躍進の年」、「発展の年」と言われています。私自身六度目の年男を迎えました。
 
今年は元日に能登半島地震が勃発し、地震によって亡くなられた方々が二百名以上(一月十日現在)に及ぶと報道されています。また二日には、被災地への救援に向かう海上保安庁の航空機と日航機が衝突事故を起こし、五名の海保職員が亡くなられました。
 
新年早々、このような大災害と大事故が起きた事は日本の歴史上聞いた事がありません。
天のご意志が如何なるものか、測りかねるばかりです。
 
 
大災害にも光る日本固有の美風
 
こんな悲痛な出来事の中でも、海外のマスコミ等からは、これまでの東日本大震災などの時と同じ様に、日本人と日本社会の冷静な対応を称賛する声が多く聞かれます。
 
また二日の航空機事故でも、日航機乗務員の適切な誘導によって全員が無事に避難出来た事について「奇跡だ!」「ミラクル!」等と、こちらも大絶賛の声が世界に溢れました。
 
この震災と衝突事故で犠牲になられた方々に対し、心から哀悼の誠を捧げると同時に、毎朝の御祈祷の中で、犠牲になられた方々の供養も務めております。
 
既にご存知の方も多いと思いますが、能登半島地震の発災直後には、世界各国から緊急支援の申し込みが寄せられました。
 
特に台湾からは、その日の内に百六十名もの支援部隊を編成して待機していたとも聞きました。しかし被災地の交通の寸断や、被災地域が限られている等の事情により、当面は日本国内で充分な対応が出来るとの判断で、海外からの支援には深い感謝を伝えると共に、「支援は当分見合わせて欲しい」との返答をしたという事です。
 
これらの海外からの支援の申し出は、本当に有難く嬉しい限りです。それは我が国が、海外の災害に対してこれまで幾度も親身になって支援して来た事が、多くの国々からの支援の申し出に繋がっているに違いありません。
 
これも日本が世界からとても高く評価されている証ではないでしょうか?まさに昔から言い習わしてきた『情けは人の為ならず』であります。
 
明朗な姿勢が佛教徒の生き方
 
本誌の元旦号でお伝えしました様に、令和十年を目標に、奥之院に鎮座まします御本尊皇円大菩薩像の蓋堂(おおいどう)建立を発願致しました。奥之院の開創五十周年を前に、今後五年間で、この蓋堂完成に向けて励んで参りたいという決意を改めてこの場で申し上げます。
 
所で私自身が高く評価している識者や言論人の方々は、本年の我が国の内外の情勢に関して、あまり明るい予想をしておられません。それでも、私は敢えて明るく輝かしい未来となるよう一心に念じております。
 
私達一人一人の人生においても、心の持ち方次第で明暗が左右されると、これまで何度も伝えてきました。ですから私達自身が少しでも明るく、爽やかな表情や心掛けを持ち続ける事によって、家族や周りの人々に良き影響を与え、ひいては日本全体を明るく出来ると確信しています。そしてそれが、佛教徒としての私達の務めでもあるのです。
 
三信条と三つの良き生活習慣
 
さてここで、毎年この法座から年頭の法話でお伝えしている事を、改めてお伝え致したいと思います。それは、各家庭で皆さんに家族の約束として実行して頂きたい三つの事柄です。
 
まず第一には、「家族が互いに明るく朝の挨拶を交わし合いましょう」という事です。
 
一日が始まる大切な時間に、互いに明るく爽やかに良き挨拶を交わし合う事で、掛け替えのない家族の一体感をしっかりと確認し合って頂きたいのです。たとえ前夜に夫婦や兄弟で口喧嘩したとしても、朝の新鮮な空気や光と共に明るくにこやかな笑顔で、新たな気持ちで爽やかに、一日のスタートの挨拶を交わし合って下さい。
 
これは蓮華院の三信条の内の、「感謝」と「奉仕」に相当します。家族が互いに感謝し合い、互いに元気付け合う奉仕行でもあるのです。
 
二つ目には、家族で一緒に、時に一人であっても、三度の食事の前と後で、「いただきます」と、「ごちそうさま」を言い合いましょう。これはこの地球上の全ての生きとし生けるものへの感謝と、空気や水に対しても感謝するという究極の感謝行でもあります。
 
奥さんに料理をして頂いている方にとっては、直接的な感謝と慰労の言葉でもあります。
食堂やレストランでの食事や、コンビニ弁当などの場合は、目の前には居られない多くの人や社会の恩を感じながら、この「いただきます」「ごちそうさま」を言いましょう。
 
まさにこの言葉は感謝そのものであり、私達を謙虚な心持ちにさせ、さらには「恩返しせずにはおられない!」という気持ちに私達を誘ってくれる素晴らしい言葉なのです。
 
ついでながら、この日本特有の食事のマナーは、全てのモノに魂が宿り、全てのモノに守られているという、この大和民族の素晴らしく掛け替えのない特性を形作る大切な要素であると確信しています。
 
この「いただきます」と「ごちそうさま」から、私達日本人が世界から高く評価されている素晴らしい特性が生み出されていると言っても過言ではありません。
 
そして三番目の「履き物を揃える」は、自らを顧みる事にも通じます。
「自分はこれで良かったのか?」
「自分を見つめ直してみよう!」
という心持ちに誘ってくれる、とても大切な一瞬でもあるのです。
 
そしてそれは、公共の履き物を揃える時、目の前には居られない第三者に対する気配りとなり、他人に迷惑をかけまいとする公徳心、更には思い遣りの心や、おもてなしの心にまで通じる素晴らしい習慣でもあるのです。
 
日本人は思い遣り深い民族であるとか、おもてなしの心に溢れているなどと、世界的に高く評価されている理由の一つは、大げさに言えば、この履き物を揃える良き習慣にもその端緒が表れていると言えるでしょう。
 
これはまた、「自分が間違っているのでは?」と、自らを反省する良い機会にもなっている様に感じます。
 
どうか、信者の皆さん!
先の良き三つの習慣を、日々の生活の中で家族全員の家庭の習慣にして下さい。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、この良き習慣が日本を、世界を、良き方向に導く「黄金の習慣」でもあると確信しております。
 
「七佛通誡偈」の佛教の極意とは
 
「初まいり」に当たり、最後にもう一つ、皆さんに佛教の法話をお伝えします。それは「七佛通誡偈」という言葉です。
 
お釈迦様が覚りを得て、この世で佛法を広められる六代前の前世でのお話です。お釈迦様とその六代前から遡る前世の佛様達が、皆等しく大事にされていた言葉がこの「七佛通誡偈」なのです。
 
それは、
 諸悪莫作 衆善奉行
 自浄其意 是諸佛法(教)
というものです。
 
その意味は、
 諸々の悪い事は行わず
 多くの良き事を行い
 自身の心を清める
 これ佛法なり
という内容です。
 
この言葉にはこんな有名なエピソードがあります。
唐の時代の有名な白楽天(白居易)という詩人が、当時高名な禅僧であった鳥   禅師に、
「佛法の極意や如何に!」と問いかけた所、禅師が、
「悪い事をせず良い事をする事だ!」と「七佛通誡偈」の前半を答えます。
白楽天は、「そんな事は誰でも知っている」と言い返しました。
 
すると禅師は、
「三歳の子供でも知ってはいるが、八十才の老人でも実行できないではないか!」とたしなめられ、白楽天は謝ったそうです。そして回心した白楽天は、その後禅師から大いに学んだという事です。
 
毎年この時期には先の三つの習慣を必ずお伝えしておりますが、この逸話の白楽天のように「そんな単純な事は分かっている!」と思われる方が多いかもしれません。しかし知っていても確実に実行したり、習慣にまでなっているという方はまだそれ程多くはないかもしれません。
 
身・口・意の「三密」を実践しよう
 
また先の偈の後半は、まさに佛法の大切な要となる「自らの心を清める事」です。心を清めるためにはまず行動を清め、言葉を清めていけば、自ずと心も清らかになるに違いありません。
 
真言宗では身(動作)、口(言葉)、意(心)の「三密」をことさら大切にします。
三つの良き習慣の、一の「朝の挨拶」と、二の「食事の挨拶」は、口で行う「口密」に相当します。それらの言葉に心を込めて、相手に笑顔や感謝の気持ちを込めて、或いは食物にも感謝の心を込める事によって、あなた自身の心を清める事ができるのです。
 
三つ目の「履き物を揃える」は、身体で行う事ですから「身密」に相当します。こちらもただ漫然と揃えるのではなく、「履き物さんアリガトウね」と心を込めて実行すれば、心を清める良き習慣の一部になるはずです。
 
これらの良き習慣に言葉と心を添えて日々実践する事が、確実に佛法に適う生き方になるのです。そして、それこそが佛法(教)そのものなのです。
 
良き生活習慣の実践が佛道修行
 
佛教はあまり難しく考えず、日々の生活の中で心を込めて淡々と、さながら日々の朝夕のお参りの様に、良き習慣を実践して行く事に尽きます。それこそが心を清めて佛様に近づく確実な方法であり、佛道を歩む事に繋がるのです。
 
どうか先に示した良き三つの習慣を、日々家庭の中で子や孫達にしっかりと伝えていって下さい。更には新たな良き習慣を皆で話し合って決めて行かれる事もお勧めします。
 
「習慣は第二の個性」と言われます。家庭の良き習慣で家族の良き個性を育て、更には良き家風にまで発展させて下さい。
 
今日、それぞれの家に帰られたら、早速私のこの話を家族みんなで話し合って下さい。一年初めの今日の初参りを機に、新たな家庭生活の良き始まりにして下さい。
 
皆さん方が、今年も明るい未来を心に描きながら、力強く日々を過ごされますよう念じております。合掌




お申し込みはこちら 大日新聞(月3回発行)を購読されたい方は、
右の「お申し込みはこちら」からお申し込みいただくか、
郵送料(年1,500円)を添えて下記宛お申し込みください。
お問い合わせ 〒865-8533 熊本県玉名市築地玉名局私書箱第5号蓮華院誕生寺
TEL:0968-72-3300