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大日乃光






大日乃光

2024年01月27日大日乃光第2392号
節分星まつりの大いなる功徳を被災地の皆さんに分かち合おう

大寒の候に能登の被災地域に心を寄せる
 
毎年これを執筆している時期は、一年で最も寒い季節、「大寒」の候を迎えております。
信者の皆さん、どうか風邪など引かないよう元気にお過ごし下さい。
 
先の十三日の初まいりでは、遠方からも大勢の信者さんが本堂いっぱいにお参りされて、皆さんの明るい表情や元気な読経の声に接し、たいへん嬉しく思いました。
 
この時期の風物詩として、各地から寒稽古や裸祭りなど、寒さに立ち向かい、打ち勝つための伝統的な催しが伝わってきます。
 
皆さんも年齢相応に、過度な無理はしない様に心掛けて、気持ちだけは寒さに負けない気迫で日々を送って下さい。
 
今年はそれに加えて、連日、能登半島地震による被災地の厳しい惨状を目にされている事でしょう。北陸は豪雪地帯でありますので、被災された皆さんのご苦労が気遣われます。
 
お寺では、お正月から早速、れんげ国際ボランティア会(アルティック)を通じての被災者支援募金活動を開始しております。
 
未だ行方不明者の捜索が続く初動の段階でありますが、既に激甚災害に指定され、これから長期に亘る物心両面からの支援が必要となります。アルティックでは、現地に近い石川県小松市の那谷寺さんへの後方支援という形で支援活動を続けて行きます。
 
加えて、常々お伝えして来ましたように、私達は佛教者として、今まさに苦しんでおられる人々に少しでも寄り添い、慈悲と利他の心で実践して行きたいと思います。
 
二月の節分の特別な意味
 
さて、来たる二月四日は令和六年の「立春」です。そしてその前日が「節分」になります。
 
節分は「冬至」や「大寒」などの二十四節気の中の立春、立夏、立秋、立冬の前日の事なので、本来は年に四回あるのですが、昔からこの二月の節分が運気の大きく変わる節目の時期に当たるとされ、日本古来の行事の日として今日まで連綿と伝わってきました。
 
加えて二月四日の立春は「八十八夜」や「二百十日」などの農業の起算日に当たり、かつては新しい一年の始まりを告げる正月に相当したのです。
 
そこで前日の節分は、年の瀬の大晦日に除夜の鐘を撞いて来たる年の除災招福を祈ったように、かつては一年納めの大祓いを行なっていました。これは中国を経由して伝わった暦や運勢学から来ています。
 
宮中では古来からこの日に「追儺式(ついなしき=厄祓いの儀式)」が行われて来ました。それが江戸時代からは「豆まき」として庶民にも広まり、現在まで伝わっています。
 
私は二月一日から三日まで、普段の早暁の御祈祷の前に「星供護摩」を、全国の信者の皆さんの為に開運の意味を込めて、三座の護摩を焚きます。これは大難を小難にし、小難を無難にする為の祈祷です。加えて、今年は能登半島地震による犠牲者への追善供養と、被災地の早期復興を祈念致します。
 
運勢をつかさどる九つの星
 
全ての人はその生まれた年月によって、「一白水星」から「九紫火星」までのいずれかの星(本命星)の元に生まれます。これは生涯変わりません。
 
今年(二月四日の立春から)は「三碧木星」の辰年に入りますが、皆さんそれぞれが生まれ星の方位によって、おおよその吉凶が定まるのです。
 
これは毎年この節分の時期を境に次の運勢に変わりますので、その年々の吉凶は順送りに変化して行き、全ての人の吉凶が変遷していくのです。その意味では、この運気の吉凶は全ての人に平等に変化しているのです。
 
それでも今年が凶の人は「何とか少しでも悪くならない様に」と願い、または吉の人も「更に運気が良くなる様に」と願われるのが人の常です。
 
このように多くの人々の「少しでも運気を上げたい」という切実な願いから、「節分星まつり」の行事が古来より連綿と続いているのであります。
 
それでは、既に当山に星まつりを申し込まれた皆さんは、この節分をどんな心構えで過ごしたら、より開運に繋がるのかを少しお話し致します。
 
節分に当たっての心構えは心の中の「鬼」を退治すること
 
まずは、この「節分」が一年の中で一番運気の変わる時期である事をしっかりと心に留めて過ごして下さい。例えば大晦日から元旦を迎えた時のように、厳かな緊張感を持って過ごして頂きたいものです。
 
奥之院でも毎年この節分に最も近い日曜日に「開運豆まき」を厳修致します。まず大梵鐘の真下に福豆をお供えし、至心に祈りを込めた後、大梵鐘を撞いてその音声で豆をお浄めし、加えて錫杖でお加持をした後、年男・年女の皆さん方にも参加して頂いて豆まきを致します。
その前に必ずこんな法話を致します。
 
「これから『鬼は外!福は内!』と大きな声で豆まきをしますが、そもそもこの『鬼』とは何でしょうか?
 
赤鬼・青鬼と角の生えた鬼を想像されるかもしれませんが、本当は私たちの心の中にある『貪・瞋・痴』の『三毒』に代表される悪い心が鬼なのです。
 
自分のものではないものを欲しがる『貪りの心(貪)』、不必要で理不尽な『怒りの心(瞋)』、そして物事の道理のわからない『無知な心(痴)』などです。
 
これらの三毒から『百八煩悩』と呼ばれる数多の煩悩が生まれ、様々な諍いや争い、数々の悩み苦しみが生まれるのです。この人間の悩み苦しみの元が鬼に例えられる『煩悩』なのです。
 
ですから『鬼はー外!!』とまかれた福豆をご自身の心の中の煩悩に当てるつもりで、心の中のわだかまりを追い出して下さい。
 
まかれた豆を我先に取り合うのでは貪りの心にもなってしまいますから、充分に心して下さい。そしてその代わりに『福はー内!!』で感謝の心、反省の心、奉仕の心など、良き心構えを自分の心の中に取り込んで下さい。
 
この事によって貪りの心を奉仕の心に、怒りの心を優しく穏やかな心に、真実に暗い迷いの心を謙虚で真面目な広い心に転換して下さい。
 
さらにこのように心を転換する為には、日々の生活の中で具体的な良き習慣を一つでも多く身につけて、それを毎日思い起こして続けて行くことが大切です。習慣が変わると人格が変わり、人生まで変わるのです。これが究極的な開運への道なのです。
 
例えばなるべく一回でも多く『有難う』と言いましょう。一回でも多く笑顔で接しましょう。そして一回でも多く笑いましょう。更には一回でも多く、周りの人に対して具体的に、親切な行動を実行しましょう。
 
このように表に現れる良き習慣を身に付ける事が、福を呼び込む最大の条件なのです」
おおよそこのように話をしております。
 
二月四日は奥之院で二つの「功徳」を重ねよう
 
今年は二月三日の準ご縁日が節分で、その翌日、春の第一日目の立春が第一日曜日に当たります。この春の善き日に開運豆まきを行い、午後からも毎月第一日曜日に行っている「功徳行」を厳修致します。
 
信者の皆さん、是非「開運豆まき」と「功徳行」の重なる二月四日にご家族の皆さん、更には友人知人を誘って奥之院にお参り下さい。友人知人を誘ってのお参りは、佛様への御縁繋ぎになるばかりでなく、福を呼び込む大きな「功徳」にもなります。
 
更にぜひ「功徳行」の修行で功徳を積み、今年一年の運勢をより確実に開いて下さい。その上で、皆さん方が頂かれた福運や功徳を、少しでも能登の被災者と分かち合うお気持ちを持って頂きたいと念じております。
 
正月に並び、一年の良き運気を呼び込む節分に当たり、全国の信者の皆さんの更なる開運と除災招福を三日間の星供護摩祈祷で至心にお祈りすると共に、皆様にとって幸多き日々が続きますよう、心より祈念致しております。合掌




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