2011年10月25日第530号
父との和解

内観という言葉も知っておりましたし、以前、体験談なども読んでおりましたが、私自身人から強く勧められるまでは、自分が受けようと思う所まではいきませんでした。
それは、自分の事は自分が一番よく知っているし、今迄の出来事や心に秘めている事を話すことに抵抗もあると少なからず思っていました。
内観をしながら感じた事は、このような考えを持っているうちは駄目だ、先に進まないと思いました。これまでの私は、自分を良く見せようという意識が強くあり、仮面をかぶっていたのです。
それを幼少期から現在に至るまで、父親、母親、弟といった具合に、して頂いた事、お返しした事、ご迷惑や心配をかけた事を屏風の中であれこれ考えているうちに、昔住んでいた家、台所、居間、そして近所の方々、風景、かわした言葉などが少しずつ鮮明に浮かび上がってきました。
その時は、気付かなかった相手の気持ちまで解ってきました。本当はこんな気持ちで、あの時私にこうしてくれたとか、「あの時言ってくれたのは、こういう意味だったんだーー。」と。
私が今回の内観で一番解決されたと思うことは、父親との関係です。父はとても厳しい人でありましたが、今は違います。それは、父親自身が早くに親を亡くし、5人兄弟の親代わりとなって生きてきた。
大変な苦労を背負って、自分の思い通りにならない青春時代を過ごしてきたことで、子供達には何も心配させたくないと思う、父の深い所からの思いが、良くも悪くも私に来ておりました。
私はそのような父の生い立ちを知りながら、本当に理解してあげようとも思わず、父親の愛情を解らずに今迄過ごしてきたように思います。
そして、父を嫌いだと思っていましたが、実は自分自身の事も嫌いだったんだということに気付きました。そのような感情を抱いている自分をどこかで拒否していたのかも知れません。父が生きているうちに気付かせて頂きましたことを心から感謝致します。今後は、これからのことを考え行動していきます。
内観して3日目、外に咲いているピンクの花が鮮やかに目に飛び込んできました。ハッとしました。お日様の暖かさも、痛いくらいのエネルギーを感じました。今迄、何となく見ていた木々やお日様の光がキラキラして見えました。何十年間も見てきたものなのに、別の感じを受けました。何か不思議な感じです。
私の日常生活は、起床もまちまち、食事もついお惣菜を買ってしまう私ですが、この1週間心のこもった手作りの食事を出して頂きまして、いかに自分がいつも手抜きの状態であるか、時間は沢山あっても、楽な方へ楽な方へといっている、怠け者の自分も再認識させて頂きました。
時間の使い方にしても、日々もったいない生活をしていることにも気付かされました。これから早起きしようと思います。内観に来る前に父が、「ちゃんと起きられるかねー。3日続くだろうか?」と言っていた言葉を思い出しました。帰宅したら、色々な事を報告したいと思います。
私にとりまして内観は、とても素晴らしく楽しいものでありました。本当にお世話になりました事を感謝申し上げます。皆々様の優しいお心がとても嬉しかったです。
坂村真民詩集
嘆くなら
嘆くなら
ただ一つ
愛の足りなさに嘆け
金がないとか
思うようにならぬとか
どこそこが痛むとか
そんなことよりもっと大事な
愛の足りなさに嘆け
人間生きている以上
いろいろなんぎなことが
つぎつぎに起きてくる
でもお任せしておけば
必ずよいようにして下さるのだ
だから人に対し物に対し
まだまだ足りない愛の浅さに
目覚めては思い
寝ては考え
自分を深めてゆこう
嘆きから喜びに変わってゆく
愛の人になろう
仏語集
信ずることによって仏と一体になり、我という思いを離れているから、わがものをむさぼらず、したがって生活に恐れがなく、そしられることをいとわない。
また慈悲を心のもととするから、すべての人に対して好き嫌いの思いがなく、心が正しく清らかであるから、進んであらゆる善を修める。(華厳経、十地品)
幸福ニュースを定期購読されたい方は、下記の登録フォームからお申し込み下さい。
費用は無料です。毎月3回、Eメールにて幸福ニュースが自動配信されます。
メールマガジン登録
Eメールアドレス(半角英数字)
メールマガジン解除
Eメールアドレス(半角英数字)