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2011年09月01日第525号
アルコール依存症予備軍

 今1週間の内観を終えて、やっと自分は暗夜に灯明を得たのではないかという、言い知れぬ喜びと期待に胸を膨らませています。
 その暗夜とは、人生すでに峠を越え、足元のおぼつかない暗い夕闇の山道を下って、果てはドス黒く横たわっている得体の知れない深い海に没していく崖っぷちに立っているような寂しく孤独なものでした。
 長い年月の間に積もっていた肉親との軋轢。その理解しがたい現状を、内観というツールによって謎解きのように明解にあぶりだしてくれることにまず驚き、次に、その単純な結論に唖然とする次第でありました。
 「生とは関係である」という言葉を聞く。仏法では縁というのであろうか。「他人との関係を通して真の自己を知る」ということも、またよく説かれていることであるが、ほんとのところ、自分は体得理解できていなかった。
 内観とはまさにこの他人との関係の中で、自分を見る。すなわち、相手を鏡として、自分の隠れた姿を写し出すということが、こういう事であったのかという事がよく分かった。
 内観という世界に出会ったのは、ほんの1ヶ月ほど前のことであるが、こういう方法論が存在していたことをもっと早く知っていれば、自分の人生ももっと変わったものになっていただろうにと思った。
 しかし、これからこの方法でもって心の掃除をし、かつてまだこの世のチリあくたにまみれていなかった少年のような心を取り戻して人生を歩めるならば、これ以上の喜びがあろうか。
 まだ遅くはないかもしれない。ふとそう思った。それは、夏の世の夢かもしれないが、現実に私は今そういう感じに浸っているのである。
 これから、その夢のような話の中に少し遊んでみたい。何故まだ現実ではないか。それは、まだ内観の深まりが浅いと思っているからです。
 1週間前に自宅を発つ前に体重を量ってから来た。体重54キロ、体脂肪16パーセントと出て、体内年令41才を示した。この41才は何か意味ありげな数字である。
 すでに亡き父母や他の祖先達は、焼酎で寿命を縮めた人以外はおおむね90才前後まで生き、長寿である。すると私もこの年令までは焼酎で短縮しない限り、いける感じがします。
 すると体内年令41才なら、あとはほぼ50年はいかなければ、90才にはならない。これは馬齢である。馬上の私は、内観を始めたばかりで、まだ落馬寸前の「アルコール依存症予備軍」という騎手ではあります。
 この騎手が、内観を行い、目覚めて、しっかり手綱を取って50年を走ってくれれば、老馬は90才、老騎手は120才である。
 近年のアンチエイジングの大方の見解では、人の寿命は現在のところ、120才で一致しているそうです。とすると、私の夏の夜の夢は、まことに現実(うつつ)になりうる可能性はあるのではないだろうか。
 もし、それが自然の理であるならば、しっかり老馬をいたわり、精進して騎手の目を開き、老馬をあやつることが天の運命であって、うかつに老馬の好まぬ酒を飲ましたり、騎手の目をくらますような戯れ言にうつつを抜かしている場合ではないだろう。
 ああ、その先、その先、騎馬はどこへ行くのだろうか。やがて翼が出、騎馬は光り輝く黄金の雲の中へ消えて行くのではなかろうか。
 かくの如く夏の夢は終わろうとしているが、集中内観後半は、私の目覚めを促すように雷鳴が走り、異様な2日間でしたが、最終日は何事もなかったように夏の太陽が降り注いでおります。

 生まれて初めてこのように静かで落ち着きの内省の日々を送れましたことに対して、ご住職様を始め、大山所長様や、女性スタッフの方々に深く深く御礼を申し上げる次第であります。有難うございました。 

坂村真民詩集
わたしの血のなかには
高さを求めるものは
一滴もなく
あるのは
深さを求める
不退の精進である
それは地獄の深淵を見た者の
宿命であろう 

仏語集
すべての苦しみのもとは、心の中の煩悩であるから、その煩悩がなくなれば、苦しみの無い境地が現れる。また、欲をおさえしずめることによって煩悩をしずめる。明らかな心によって、眼・耳・鼻・舌・身・意の六つに起こる欲をおさえしずめて、煩悩の起こる根元を断ち切る。(一切漏経)



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