ホーム > 幸福ニュース > 幸福ニュース一覧

幸福ニュース
過去の幸福ニュース






幸福ニュース

2011年03月25日第508号
母、そして嫌いな父への内観

 今回は初めて内観をさせていただきました。母、祖父、祖母について特に内観をさせていただいて、最初は家族に対して恩があるのは当然だと思っておりました。
 けれども、次第に今まで自分が思っておりました以上に、家族が自分に対して、どれだけの事をして下さっていたのか気付くようになりました。
 正直に言いますが、半畳しかない空間がとても辛く、トイレと風呂と就寝時以外は出れませんので、初めはその事ばかり考えておりました。特に風呂までの廊下と浴室の広さに感動させられました。
 来る前に前もって、他の方の内観体験記を読ませて頂きました。「涙が出てきた」と書いてあったのを、僕は「涙なんか出ないだろう」とただ漠然と考えておりました。
 しかし、二日目にして夕食のハヤシライスを食べながら、テープを聞いておりました時に、急に母に対してのあることを思い出しまして、涙が出て止まらなくなってしまいました。
 部屋のゴミ箱が二日目にしてティッシュで一杯になってしまいました。そして、体験記の一文を思い出しまして、自分は間違っていたなと反省いたしました。
 母に対して以前から感謝をしておりました。けれども内観を通してそれがいっそう深まったと感じております。いかに自分を考えて行動してくれていたか、毎日どれだけ自分を心配してくれていたのかが、解りました。解ったと言いましても、それは一部にすぎず、まだまだ自分には考えの及ばない所まで恩はあると思います。
 そして自分は、それだけのことをしてもらっておきながら、何もして返していないことに気付き、深く反省しました。母が買ってくれた物、作ってくれた食事、連れて行ってくれた場所、それは、祖父と祖母に対しても同じです。
 それから、先生に頂きました資料に「嫌いな人の事でも内観してみるとよい」と書かれてありましたので、父に対する内観をする事にしました。
 父の少ない思い出から調べていくうちに、意外にしてもらった事の多さに気付きました。今まで母ばかりで、父の事は何一つ考えていなかった(かんがえないようにしていた)自分でした。
 けれども、父の事について調べ、気付いて、父の事を『許せた』と言いますと、少々上からの言葉になりますので、ホッとしたと言いますか、少しスッキリした気分でおります。
 また、他の内観者の面接中の記録のテープを聞かせて頂きましたが、特に『子に対する父』という題名のものに感動致しました。自分自身がまだ子供でありますから、親からの子に対する気持ちが解りませんでした。
 けれども、「子供には全てをもらっているが、それを返しきれ ていない」というその方の深い言葉に、なるほどと言わざるをえませんでした。自分がもし子供を持ったら、このように接しなければならないと思いました。

 一週間半畳の生活でしたが、不便することもなく、食事もおいしかったです。家族への思いも深まりました。お世話して下さったお寺の方々へ感謝したいと思います。内観に来て良かったです。

坂村真民詩集
姿勢
万巻の書を読んでも
その姿勢が正しくなかったら
何の価値もない
大切なのは
人間を見る眼の
人間に対する姿勢の
正しさにある
真実さにある
純粋さにある

仏語集
世は常に燃えている。貪(むさぼ)りと瞋(いか)りと愚かさの火に燃えている。この火の宅から一刻も早く逃げ出さなければならない。(法句経)


幸福ニュースを定期購読されたい方は、下記の登録フォームからお申し込み下さい。
費用は無料です。毎月3回、Eメールにて幸福ニュースが自動配信されます。


メールマガジン登録
Eメールアドレス(半角英数字)
 


メールマガジン解除
Eメールアドレス(半角英数字)