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2011年02月08日第505号
笑顔のある家族へ

 私は今回が始めての内観でしたが、最初は何をすればよいのか、内観に入るとは、どういうことなのか、意味が解らないまま、言われた通りに母に対する「してもらった事」「して返した事」「迷惑をかけた事」を考えておりました。
 幼少期については、記憶が少なく、親が残した写真の記憶を思い出して調べていたところ、十数年見ていないアルバムの写真が 次々に頭にうかんできました。父や母の幸せそうな顔や私の楽しそうな顔、写真に写っている皆が笑顔でした。そこから、頭の片端に忘れられていた記憶がよみがえってきました。
 誰からも愛されていた自分、与えられるばかりで、して返すという言葉など知らず、泣き笑い、怒ることが仕事だったような私 を自由に育ててくれた母に感謝しています。
 小学校に入学してからは、父の仕事を手伝うために働き始め、 私との時間は少なくなりましたが、私が熱中できるものを習わせたいという思いから、色々な事に挑戦させてくれました。
 最終的には柔道を選び、七年間一度も休むことなく、大会の度に優勝し、母は自分の事の様に喜んでくれました。この活躍も七年間送り迎えを続け、応援してくれた母のお陰だと思っています。
 いじめている子を見つけて泣かせた時は、一度も怒らず、何も知らない先生から、かばってくれました。
 そんな私は、母に対して何もお返しできませんでしたが、花の好きな母に、道端に咲いている花を持ち帰っては、喜んでもらっていました。
 小さい頃からわずらっていた中耳炎では、様々な病院で診てもらう事が多く、母の苦労など知らずに、受診後のごほうびのアイスクリームだけを考えている自分がいました。今考えれば、耳が聞こえなくなるかもしれないと医者に言われた母の心境を思うと、自分の身に変わってでも助けたい思いだったのではと感じました。小さい頃から母には迷惑をかけ通していると思います。
 中学に入学してからも、父と母は仕事に忙しく、私は一年二年と遊びに部活動に充実した生活を送っておりました。けれども、急に体調が悪くなり、病院で診てもらっても原因が分かりませんでした。ろくに食べられず、食べては吐き、勉強にも身が入らず、日に日にやせ細っていく私に対して、医者は受験前のストレスだと言うばかりでした。母もその言葉を信じ、高校入学まで耐え続けました。
 ある時、病名が明らかになった時に、治るという安心感と同時に、病気を見つけられなかった医者や親に対する憎しみが生まれました。入院中は親に対して強くあたり、親が悪いわけではないと心で思いながらも、毎日見舞いに来る母に感情をぶつけておりました。
 大きな病気を乗り越ながら、自分の不幸さを悔やみ、生んだ親を否定的に考えるようになっていました。それからは、あまり親の言うことを聞かず、自己中心的に生きてきました。
 父に対しても、記憶がある頃にはよく怒られ、口よりも手が出ることが多く、恐怖でした。私が病気の時でも、常にいるのは母親で、父が病院に来たことは一度もなく、父に対しての感情や思い出は忘れてしまいました。 調べた内容も、多分だとか、思うという事が多かったように思い ます。
 しかし、私にとって父は彼であり、否定する事はできません。今のままでは、死んだとしても多分泣かないでしょう。けれども、今から自分も歩み寄り、関係を修復することで、昔 の写真に写っている笑顔のある家族に戻れればよいと思います。この度は本当にありがとうございました。

坂村真民詩集
持病
夜中に目覚めて思う
持病ゆえに
印度にも行けない
中国にも行けない
でもこの持病を
少しも憎む気は起こらない
持病ゆえに
一所不動の樹木の心にも
入ってゆき
野に咲く一輪の花とも
心を通わせ
自分を大切にして生きてゆく
自愛の心も強くなる
そう慰めながら
また眠りにつく

仏語集
無明に覆われた眼で見れば、世間は意味の無い間違ったものとなるであろうが、智慧を持って明らかにながめると、そのままがさとりの世界になる。(仏昇とう利天為母説法経)


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