2010年11月01日第494号
高校生の内観

私は内観をしに来るつい前日に、父から内観に行ってみろと伝えられました。だから、内観がどのようなものか、どんな所で一週間寝泊りするのか知りませんでした。
そんな状況から始まり、今一週間を終えようとしていますが、来る前と今現在の私の気持ちはまるで違います。
内観を始め、他の内観者の方のテープを聞きました。そこで内観のすごさを語られていたけれど、私はそれが本当かどうか、正 直信じていませんでした。しかし、何日間か続け、集中してやっていると、どんどんそれが明らかになってきました。
母に対して、日頃当たり前のようにしてもらっている事が、すごくありがたいと気付きました。当たり前と思いすぎて、それは母のするべき事だと思ってしまっていたので、家の手伝いなど殆んどという程した事がありません。
お弁当も友達よりおかずも多いし、盛り付けもきれいにしてあり、友達がいつも「いいな、いつも。」と言うのを、私は「何が ?」と思っていました。
けれど、もし母がいなくなったらと考えてみると、私は生活していけません。父がいても仕事が忙しいし、私は料理のひとつもまともに作れません。
母がいて、毎日毎日してくれている一つ一つが私の生活を作ってくれています。感謝の気持ちで一杯になりました。これが内観のすごさだと思います。
そして同時に、「私は母にこれだけしてもらっているけれど、私は母に何か感謝されるような事をした事があるだろうか?」と考えました。が、何もありません。逆に謝らなければいけないような事を沢山していたことに気づきました。
思い返していくと、母の辛さとか、どんな思いでいたかまで解ってくるようで、ひどい事をしていたと思いました。それでも母はいつもと変わらずに、そうじ、洗濯、料理、お仕事など、すべ てを一生懸命してくれます。私は母のような母親になりたいと今思います。
このような感謝の気持ちは、内観をして家族に対して強く感じました。同時に、テレビや携帯、本など家にある色んな物もありがたいです。
この一週間普段とは全く違った生活で、最初は正直不安があり、やっていく自信がありませんでしたが、意外といけました。そうなると、日常にあるテレビなどの物はプラスアルファーであって、ぜいたくな日々を送っていると思います。
今まで、何か辛いことがあったら、前向きに行こうとよく言って、過去は忘れていくものであると思っていました。
内観はそれと逆で、過去を振り返っていくもので、過去を思い出して、3つのことについて調べることで何が変わるのだろうかと思っていましたが、今は本当に内観に来て良かったと思います。
自分自身のだめな所がたくさんあり、それを改善していかねばと思っています。周囲の人はこんな私にいつも力を貸して下さって、そのお陰で私が今ここにいて、不自由ない生活を送れているのだと思います。
母に言った最低な言葉、父を無視していた日々、兄の病気を馬鹿にした事、姉を見下していた事、愛犬を都合よく世話してきた事。自分ばかり傷ついたフリをして、家族や周囲の人にはそれ以上に色んなひどい事をしてきた事に気づかされました。
これから、私に関わってくれている全ての人、物、そうでない ことにも、全てに感謝して過ごしていきたいです。
もう高校生だし、甘えてばかり、逃げてばかりの自分を捨て、 頼れる人間になりたいです。
まず一番に実行する事は、母の手伝いと、一日に3回良いことをするの二つです。
お寺に一週間泊まらせて頂いてありがとうございました。こんな規則正しい生活は初めてでした。料理は、バランス、栄養、おいしさ、全てそろっていて最高でした。
皆さん、一週間という短い期間でしたが、本当にお世話になりました。ここで気づいたこと、学んだことをこれからの毎日に生かして実行します。ありがとうございました。
坂村真民詩集
足あと
一詩一詩が
わたしの歩んできた
足あとだ
時にはまがり
時にはまよい
時には消えてもいた
まっすぐに歩くということは
なかなかむずかしいことだ
坂村という姓だから
平坦でないのは当然だろうが
これからも自分の足あとを
しっかりとしるして
こつこつ登ってゆこう
世尊の足あとを辿って
いちずに進んでゆこう
仏語集
家庭は心と心とがもっとも近く触れ合って住む所であるから、むつみあえば花園のように美しいが、もし心と心の調和を失うと、激しい波風を起こして、破滅をもたらすものである。この場合、他人の事は言わず、まず、自ら自分の心を守って、踏むべき道を正しく踏んでいなければならない。(本生経)
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