2010年10月26日第493号
複雑な家庭

内観を終え、これまで知らなかった自分があることに喜びを感じております。ここ数年の私は、家族や親戚、それ以外でも問題が多く、悩みが尽きませんでした。
内観初日は、母に対する自分について調べましたが、最初から涙が止まりませんでした。母の愛がどれだけ深かったのかを知った上で、中学1年時の私を振り返ると、何とも情けなく申し訳ない気持ちで一杯になりました。
その後、父の内観が始まりましたが、小学校時代を振り返る場面で、前へ進めなくなりました。それは、その時代に受けてきた親戚の言動に深く傷ついた自分が、頭から離れなくなってしまったからでした。
私は大山先生に、私の周囲には憎しみを抱えた人ばかりだと言いました。先生は今までのことを全てここへ置いていきなさいと言って、微笑んで下さいました。その時私は初めて気がつきました。私もその人達を憎んでいたのだと・・・。
15分ほど時間を頂き、境内を散歩しました。部屋に戻ると不思議と体が軽くなっており、その後内観に戻ることができました。
私の幼少期は、両親の夫婦げんかや、父のギャンブルによる借金、父の病気など色んなことがありました。しかし、私の両親はもっと複雑な家庭環境にあり、父は継母となさぬ仲であった為、早くから家を出ており、随分ぐれていた様でした。
この様に苦労したのは、私の両親だけではなく、その兄弟も同じだということが解ります。その中でも、自分だけが犠牲になったという人がいて、いまだに恩着せがましく、何かにつけて昔の事をほじくり出す人に、両親も私も振り回されていました。
今回の内観中テープを聞き、視点を変えるとその人達に対する見方も変わるとあり、その通りだと思いました。各々の今までの経験から起こる感情は、自分が変えようとしなければ変わりません。
今回私が内観したことで得たものを両親へ伝え、少しでも伝わるものがあれば、それがそのまま祖母の介護にも反映されるものと思っています。
神仏に愛される人は、人に愛を求める人ではなく、人を愛する事に心を致す人である。これは、昔から祖母が私達に教えてきてくれた事でした。
こんなに身近に私達のお手本となる祖母がいるのに、私達家族は祖母を大事に出来ているとは言えません。私達がここまで成長できたのは、祖母が共働きの両親を支えてくれたからなのに、私達は今何をしているのだろうと、淋しい自分がいます。
来年の秋には、祖母を連れて温泉旅行に行く計画を弟と立てていますが、それ以前に出来る日々の改善点について、両親と話し合いたいと思っています。
今回、内観療法を受けて、自分が変われたことが非常に嬉しい事であります。今までの私は、自分以外に非があるものと、物事を解決してきた自分勝手な人間でした。根本を突き詰めると、実は自分が原因だったことが殆んどで、本当に反省することばかりでした。
仏教では、過去を振り返ることで原因を探し、今後をより良い人生にしていく考えがあるとお聞きし、自分が実際に内観をしてみて、その素晴らしさが解りました。人だけではなく、その他の物に対しても、これからは大事にできそうな気がします。
私のこれまでの人生、足を止めることがなかった様です。今回足を止めてみて、今まで見えなかった沢山のものを得ることが出来ました。例えば、風の音がこんなに心地良いものだったのか、鳥の鳴き声や虫の音がこんなに心癒すものだったのかと・・・。
今回ここへ来れたのも、人との縁でした。めぐり逢いの不思議に手を合わせようとは、本当に思いもしませんでした。これからも、人や物との出逢いを大事にしていきたいと思います。
坂村真民詩集
第一信
(浜本佐代子に与えた詩)
自信を持ち前進せよ
どんなに苦しくても
じっと耐えてゆけ
幸せを心から祈っている
父と母とがいることを
つねに忘れるな
何か解決がつかない時は
わたしの詩集を読め
必ず道が開けてくる
仏語集
宇宙が永遠であろうとなかろうと、限りがあろうとなかろうと、生と老と病と死、愁い、悲しみ、苦しみ、悩みの火は、現に人の身の上に押し迫っている。人はまず、この迫っているものを払いのけるために、道を修めなければならない。(箭喩経)
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