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2010年10月11日第492号
若者の死

 一週間の内観研修を終えて、当初ここに来るまでは、正直この研修で一体何を得られるのだろうか、という軽い気持ちで挑んだような気がします。
 しかし、研修が始まって自分の人生のこれまでを振り返り、自分は周囲の方々によって本当に幸せな人生を送ってきたのだという事を感じました。と同時に、多大な御迷惑、苦労、養育費をかけて育ってきた事も感じましたし、嘘、偽りによって、心に傷を作ってしまった人がいるということにも気がつきました。
 両親に対しては、子を育てることの苦労や難しさをこの研修を通して教えていただき、今までの人生で自分が何をお返ししてこれただろうかと考えさせられました。
 これからの人生で自分も親となり、子を授かった時に同じように愛情を持って育て、また本人も大人になった時に感謝の気持ちをいだいてくれるよう、親からの愛情を受け継いでいきたいと思っております。
 兄弟に関しては、小さい頃からなかなか自分の思い通りにいかないことで傷つけてしまうような行動・言動をとり、迷惑ばかりかけてきたような気がします。これからは、また子供の頃に戻ったような接し方で兄弟で親孝行していければと思います。
 また、この研修生活に入って、体のほうにも変化が出てきた事を感じました。研修に来るまでは、日頃の疲れやストレスから、何か身体が重く、歩くことすらしんどいと感じておりました。こちらでの生活に入ってから、何か今まで重たい鎧をかぶっていたようで、その鎧を脱ぎ捨てたかのように軽くなり、体のだるさも取れました。早寝早起きの生活からだと思われます。
 また、特に感じられたのは、便通が非常に良くなったという事です。3日目あたりから毎日2回気持ちよくお通じができるようになり、食生活の重要性を思い知らされました。これまでの食生活でたまったものが、体への疲れやだるさの原因となっていたのではと気付き、改善すべき点であると思いました。
 5日目あたりの朝のお参りの際に、大山所長が言っておられた、「人間は動物や植物の命を与えてもらって生きている。」という言葉をお聞きしまして、内観をしながら、ある一人の女性の事を思い出しましたので、述べさせて頂きます。
 彼女は私の知り合いで、昔から私達兄弟とは仲がよく、よく遊んでおりました。彼女は去年25才で亡くなりました。白血病でした。
 彼女の葬儀に出席させて頂いた際、式場に入り、彼女の遺影を見てから出棺が終わるまで、私は涙が止まりませんでした。身内の祖父母が亡くなるというものとは訳が違って、25才という若さで亡くなった彼女の気持ち、ご親族の気持ちを考えると、たまらない気持ちになったのです。
 昨晩考えた、余命6ヶ月で何をするかという設問。彼女も病気を知らされた時に同じように残りの人生を考えていたに違いないであろう。25才の若さで死を宣告されたという事は、どのような心境だったのだろう。母親は、父親は、兄弟はどんな心境だったのだろう。そう考えると悲しくてたまりませんでした。
 今、日本というこの国では、非行に走る若者、薬物に汚染される者、無差別で人を殺す者、親が子を殺め、子が親を殺める。あるいは、生きていても仕方がないと、自ら命を絶とうとする者もいます。非常に恐ろしい国を我々が作り出しているという現実を実感しながら生きています。
 彼女の他にも、色々な病気、事故で、命を絶たれる若者がいる中、しっかりと生きていく事が、私たちの使命ではないかと、今回の出来事を通して痛感致しました。

 私自身は偉くならなくてもいい。人生を楽しく全うして終われれば後悔はしないと、心に感じた研修でした。一週間どうもありがとうございました。

坂村真民詩集
爪のように
伸びるのは
爪ばかりではない
ほっておけば
欲の皮も
伸びてゆく
だから時々
爪のように
切って捨てねばならぬ

仏語集
利他の願いを立てる事によって、執着を離れ無常を悟る。おのれの為になると同時に、他人をも利する行為を実践し、人々と共に慈悲に生き、この世俗の生活の足かせや執着にとらわれない。(無量寿経)


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