2010年06月30日第483号
家族

今回の内観で、多くの事を感じ、今までの自分を冷静に見直すことができました。
内観に入る前まで、私は父と母に対して憎んでいた気持ちを持っていました。それは、両親の態度が姉と妹に対しては、とても暖かく、あまやかしたものであり、それとは違い、私に対してだけ、とても厳しく辛いものだったというものでした。
この気持ちは、妹が生まれてから現在まで、ずっと心に持ち続けていたものであり、それが次第に、私の妹に対する態度が、とてもひどいものへとなっていった原因でもあったのです。
しかし、内観を通して今までの自分を振り返ってみた今、何故そんなにも長い間、私を愛情いっぱいに育ててくれた両親と、私を姉としてしたってくれた可愛い妹を憎み続けていたのかが不思議に思えてきました。
まず最初に、母と父に対する内観をそれぞれ行いました。する と、今まですっかり忘れていた幼少時代の思い出が次々と浮かんできたのです。そこには、父と母が愛情いっぱいに一生懸命私たち3人娘を育ててくれた姿がありました。
そして、「お世話になったこと」「して返したこと」について調べていくうちに、気がついたことがありました。それは、両親が私をあまやかしてくれなかったという事実は一 つもなく、私自身が両親に甘えることをこばんでいたという事実があったという事でした。
私の妹には先天性の障害があり、しかも末娘だということで、 両親はひどく悲しんでいました。そして、妹に対して一生懸命手をほどこしてあげていたのです。
その様子をずっと見ていた私は、幼いながらにも、妹の事で手一杯である両親に迷惑をかけてはいけないと感じ、欲しい物をねだったり、わがままを言ったりする事を、できるだけ我慢しようとしていました。
このような事実が、次第に私の頭の中から消えていってしまい、 現在に至るまでの間に、両親が私を甘やかしてくれなかったという、ひねくれた事実へと変わってしまっていた事に気がついたのです。
その次に、妹に対する内観を行いました。妹との思い出は、そのほとんど全てにおいて、「お世話になったこと」であることに、正直驚きました。
妹の目となって自分自身を見つめ直した時に、妹にとって、私と姉はとても大きな存在であり、あこがれであった事に気がついたのです。事実、妹は何をするにも私と姉のまねばかりしていたと、母から聞いていました。
しかし、私の妹に対する態度というのはとても冷たく、姉妹愛のかけらも感じられないものでした。そこには、妹に父と母を取られたんだという憎しみが強くあったのです。
そこで、もう一度、妹の目から自分自身を見つめ直しました。 すると、自分は何も悪い事をしていないのに、姉(私)から、いつも怒られる。おやつを三等分に取り分けて、私に渡すと、ぶすっとした顔でひったくっていく。小学校の廊下などで私を見つけて、嬉しくて手を振ったのに、私は怒った顔でそっぽを向いて行ってしまう。
妹は何が悪くて、私の機嫌が悪いのか分からずに、父と母に相 談する。すると、その事で余計に私が怒り出してしまう。このような事実が見えてきたのです。きっと妹は、あこがれである私達(姉と私)に振り向いて欲しくて、必死で「お世話」してくれていたのです。
ここまで内観をした時に自然と涙が出てきてしまいました。父と母のあたたかい愛情に対して、障害を持っていながらも、一生懸命大きな背中を追ってきた優しい心を持った妹に対して、今までの自分が本当に情けなく、反省の気持ちでいっぱいになったのです。
今年、私は成人式を迎えます。今回の内観は、成人となる前に、今までの自分を見つめ直すとても良い機会となりました。これからは、新しい気持ちで、家族の一員として、妹をサポートしながら、日々の生活を送っていきたいと思います。
坂村真民詩集
変われ変われ
変われ変われ
大きく変われ
大慈大悲の
大詩母さまが
わたしのことを思って
この試練を
与えて下さったのだ
変われ変われ
美しく変われ
広い世界に出るために
すべてを包む
豊かな心を持つために
仏語集
ものの見方を正しくして、その原因と結果とをよくわきまえる。 全ての苦しみのもとは、心の中の煩悩であるから、その煩悩が なくなれば、苦しみのない境地が現れる事を正しく知るのである。
見方を誤るから、我という考えや、原因・結果の法則を無視する考えが起こり、この間違った考えにとらわれて煩悩を起こし、迷い苦しむようになる。(一切漏経)
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