2006年5月5日第350号
幸福ニュース

【 日本の教育 】
(大山真弘記)

    先般の永田元国会議員の偽Eメール騒動をみるにつけ、日本の 教育のひとつの結果にがっかりした方も多かったのではないでし ょうか。

 永田元議員は東大を出て、大蔵省官僚となり、国会議員へと転 進した人物です。日本の最高学府を出た人が、資料が本物かどう かの基本的なチェックすらできなかったと言うことは、非常なシ ョックでした。また、自分自身の進退すら、主体的に決められま せんでした。高級官僚や、国会議員のレベルもここまで下がった のかと愕然とした次第です。

 また、ライブドア前社長の堀江氏も、こちらは東大中退ですが、 大きな犯罪を犯して、多くの人々や会社に迷惑をかけています。

 代表的なふたつの例を見るにつけ、日本の教育は、何か根本的 な問題を抱えているのではないかという思いを深くします。

 相対性理論で有名なノーベル賞受賞者のアルバート・アインシ ュタイン博士は、教育について次のように述べています。

Education is what remains after one has forgotten every thing he learned in school. The aim must be the training of independently acting and thinking individuals who see in the service of the community their highest life problem.

 「教育とは、学校で習ったすべての事を忘れてしまった後に、 自分の中に残るものをいう。そして、その力を社会が直面する諸 問題の解決に役立たせるべく、みずから考え行動できる人間を作 ること。それが教育の目的といえよう。」

 また、大前研一氏は次のように述べています。「21世紀は答え のない時代であるから、答えを教える今の教育は、社会に出たら 役にたたない」と。

 デンマークでの教育の理想は、「30人の生徒がいれば、答えは 30通りあるのが理想」ということらしいです。つまり、生徒が正 しく考える方法を身につけることに重点がおかれているのです。

 先日、テレビを見ていましたら、超有名塾の教え方は、答えが あっているかいないかだけ答えて、解説も解法も一切教えないと いうものでした。つまり、生徒は自分の力だけで必死に考えて解 くしかないのです。生徒も自力で解く楽しさを身に着け、自分で 自主的に勉強するようになっていくようでした。

 もちろん学校では、基本的な知識や集団でのルールやしつけ、 道徳教育は必要でしょう。しかし、今学校で教えている知識は今 や、メモリー・チップひとつに収まり、携帯電話でいくらでも必 要な情報が入手できる時代になっています。つまり、単に覚える だけの知識教育では不十分なのです。

 これからは、答えのない時代ですから、問題に直面した時に、 自分で考え、人とも協力しながら、調査、行動し、問題解決ので きる人間になれるような教育が必要なのではないでしょうか。

 文部省も文部審議会も、中学と高校を一緒にした5年間の新ら しい学校を作るぐらいの改革を行い、同時に教育内容も考える教 育への大転換を図る必要があるのではないでしょうか。

 中学生から高校生というのは、人の一生を決める非常に重要な 時期です。ですから、アメリカ方式の学制ではなく、また、中学 と高校で詳しさは違うが社会科目など2回ダブって教えるムダを 省き、途中で受験にじゃまされない5年間という期間を設けた戦 前の方式のほうが、人の成長に合っており、理にかなっているの ではないでしょうか。

 幼稚園も小学校も中学校も、2年早く始め、早く終わったらど うでしょう。少子化対策としても役立つし、労働力減少時代です ので女性の働きやすさの上からも、いいのではないでしょうか。 先生の再教育も必要でしょう。

 また、大学全入時代になり、大学生の質も低下し始めています。 それから、日本の大学の教育レベルは、世界的な水準からすると 低いとも指摘されてもいます。社会人の生涯教育を各大学がイン ターネットを利用して行うことも含めて、世界を相手に太刀打ち できる卒業生を出せるような、さらなる大学教育改革も行って欲 しいと思います。

 教育でも何事でも、先ず覚えて、真似して、創造するという段 階をふみますが、現在の日本の教育は、最後がどうも弱いようで す。考える力の養成が、日本が世界に伍して生き残るためには必 要なのではないでしょうか。皆さまはどう思われますか?

【坂村真民詩集】

《 春夏秋冬 》

四季折々の

花が咲き

四季折々の

鳥が鳴き

四季折々の

食べ物があり

四季折々の

着物を着

春夏秋冬の

声を聞く

こんな国が

どこにあろう

不平を言うな

みんなでもっと良い

国にしよう

明るい住み良い

国にしよう

どうも近頃

変な国になり

川を見ては

嘆くことが多くなった

川よ

この国を救ってくれ

【仏語集】

人の貪りも、愛欲も恐れも瞋(いか)りも、愚かさから来るし、人の不幸も難儀も、また愚かさからくる。愚かさは実に人の世の病毒にほかならない。(本事経)

-------------------------------------------------------

☆ご意見、ご感想、ご投稿をrengein@uproad.ne.jpへどうぞお寄せください。☆

【「幸福ニュース」無料購読申し込み 】

*あなたも メールマガジン「幸福ニュース」を購読しませんか。費用は、無料です。 下記に登録するだけで、E-MAILで毎月3回自動配信されます。

メールマガジン登録

電子メールアドレス(半角):
メールマガジン解除

電子メールアドレス:

Powered by Mag2 Logo

□インターネット・エクスプローラーでご覧になられることをお勧めします。□

バックナンバー

第348号 老後の為の内観

第346号 うつ病者の内観

第344号 19才男性の内観

第342号 ツキを呼ぶ魔法の言葉

第340号 究極の損得勘定Part2(2)

第349号 不倫

第347号 23才女性

第345号 摂食障害

第343号 家族との人間関係

第341号 祈りの有機農法

幸福ニュース・バック・ナンバー(第121号以降)

幸福ニュース・バック・ナンバー(第71号〜第120号)

幸福ニュース・バック・ナンバー(第1号〜70号)