1998年1月20日第19号
幸福ニュース

新しい価値観の創造

現在、世界中の経済がおかしくなっています。そしてこの頃、このようなジョークがはやっているそうです。ある国の経済という船が沈没して救命ボートに乗り移らねばならなくなった時、イギリス人は、Gentlemanというと犠牲になる。アメリカ人は、保険がある人が犠牲になる。ドイツ人は、船長命令だからと言うと従う。イタリア人は、美人のために犠牲になる。フランス人は、プライドが高いので逆にいうと犠牲になる。そして日本人は、みんなで渡れば恐くないと 皆乗ろうとするので、ボートが沈没するそうです。

笑い話はともかくとして、現在、世界が経済だけでなく、いろんな面において曲がり角にあるのは確かなようです。 この混乱状態から抜け出すためには、新しい指針や思想、価値観が必要になってきているのではないでしょうか。

戦前、日本は儒教の価値観に基づく社会でした。敗戦により、神国日本とともに儒教は葬りさられ、経済中心主義、即ち、お金中心の社会になり、エコノミック・アニマルとさえ言われるようになりました。現在、それも行きづまり、新しい価値観が求められています。

今後の価値観は、これが唯一絶対というのではなく、複数の多様化した価値観になると思われますが、その中で、中心になる一つが{MORE and MOREから小欲知足へ}の価値観の転換ではなかろうかと予測されます。

今まで人類は、{もっともっと}ということで文明を進歩発展させてきました。もっといい物を、もっと豊かにと、その結果、地球の環境を非常に悪化させ、あと百年ぐらいで人類をはじめ全ての生物が生存できないような星に地球はなろうとしています。

小手先の対策では、問題の根本解決にはつながりません。とてつもなく困難だとは思いますが、人類の今までの価値観をひっくり返すような考え方でなければ、人類の滅亡はくい止められないのではないでしょうか。

昨年、京都で環境問題に関する国際会議が開かれ、オゾン層破壊や酸性雨や地球温暖化対策として炭酸ガス等の削減で画期的な合意が成立しました。各国でスムーズに批准されるかどうかまだ予断をゆるしませんが、人類の住める地球を残す為の大きな第一歩だと思います。また、事態はそこまで切迫しているということでしょう。

地球村( http://www.chikyumura.com/ )を提唱されている高木善之さんという方がおられます。地球村とは、地球と調和する永続可能な社会という意味です。氏の提案される地球村の基本概念は次の様なものです。(以下、高木善之著 [オーケストラ指揮法]、[転生と地球]より 一部抜粋)

{永続可能な社会の特徴}

1、[資源の有限性][生存環境の保全]を基本とする政治経済
2、生存環境の保全を優先し、経済は可能な範囲内で安定させる
3、資源や環境の保全を義務付けその保全コストをモノに含ませる

{基本理念}

◎ 非対立(抗議しない/要求しない/主義主張しない/気づくまで待つ)
◎事実を伝える/具体的な提言をする
◎ 自分のできることを実践する(無理をしない/押しつけない)

{4段階を経て2050年の目標}

1、環境調和型、自給自足の小規模な社会へ移行
2、住民主権、住民参加、情報公開
3、4R(必要最小限、再利用、再資源化)
(Refuse,Reduce,Reuse,Recycle)

4、拡大経済から安定経済ヘ移行 そのために

環境アセスメントの実施、
環境保全コストの導入、
環境破壊に対する政府補助の廃止と課税、
環境保全に対する財政支援、
食料の自給自足に向けて政策転換、
企業責任の強化(廃棄物の回収と再利用の義務付け…リサイクル法の強化)、
無公害型社会(クローズドシステム)、
売上拡大や事業拡大に制限、
土地の所有、売買、相続に上限設定、
貯金や相続に上限設定

お金や財産への執着は囚われから起こる。
過剰な競争も囚われから起こる。
お金がないと生きられないという因われ。
でも本当は食べ物、水、空気がないと生きられないのに。

経済の拡大こそ幸せ、という囚われ。
経済は無限に拡大できる、という囚われ。
(仮に、世界の資源消費が毎年5%ずつ拡大すれば、百年後には132倍に達する。地球を132個、どこから持ってくるつもりなのか。)

自分たちの時代は大丈夫だ、という因われ。
将来は何とかなるだろう、という囚われ。
私たちは何と多くの囚われに囚われているのだろう。
すべての悩みや苦しみ、すべての争いや破壊も囚われ。
無限の経済拡大という囚われが人を不幸にし地球を破壊している。
大切なのは、その囚われから開放されること。

このままいくと、世界は崩壊する。多くの人が[もっと豊かになりたい]と願って競争しているから。平均的日本人は貧しい国の人たちよりも100倍のぜいたくをしている。それでも[まだ足りない]と頑張っている。

でも本当は[もっと豊かになりたい]わけではない。本当は、幸せになりたいだけなのだ。幸せが何かわからなくなったから、幸せを見失ってしまったから。

幸せは難しいものではない。幸せはあなたの中に常にあるのだ。 あたりまえのことがありがたいのだ。

それに気付かず、[幸せのようなもの]を追っている。 だから幸せに気付けばいいだけなのだ。

モノを求める競争がみんなを不幸にしている。モノはすでに十分持っていることに気付くこと。多くの人がこのことに気付けば、競争も破壊も終わる。世界は崩壊を免れることができる。

子供たちに必要なのは家やお金や財産ではない。子供たちに必要なのはこの美しい地球なのだ。

誰もが、いつか誰かがやるだろうと思っている。でも誰かが始めなければ何も始まらない。

あなたが変わることによって、周りが変わり世界が変わる。あなたが、この世界を変える一人になるのだ。毎月一回でもいいのです。自分のできる範囲で出来る事から、気長に始めましょう。

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