1998年4月1日第26号
幸福ニュース

フォーラム【仏教カウンセリングの現在】

さる3月11日 東京港区芝の浄土宗大本山 増上寺で浄土宗東京教区青年会と教化情報センター21の会が主催してフォーラム{仏教カウンセリングの現在}がひらかれました。 いろんな分野、宗派の方々が出席されましたが、その一部を紹介したいと思います。

*第1部プレゼンテーション{仏教とカウンセリングをつなぐもの}*

現代は{苦が多様化}しており、対応、解決法も多様化する必要がでてきた。その中で、阪神大震災いらい、カウンセリングおよびカウンセラーの重要性が高まってきている。

本来、お寺は地域で相談所みたいな役割を果たしていたのではなかったか。それが今、忘れられている中、カウンセリング的活動をしている宗教関連施設を取材し、仏教との接点、共通基盤等をさぐり、今後の仏教活動にどう生かすか考えてみたい。

*第2部ビジュアルレポート{仏教カウンセリングの現在}*

〇佼正カウンセリング研究所
(東京都杉並区和田2−3−14 TEL 03-3381-1135)
(http://www.threeweb.ad.jp/~yellowp/kousei/ )

立正佼正会が運営している相談所および研究所およびカウンセラー養成所である。{その時代にふさわしい救い}をと言う事で設立された。

相談は無料であり、8割が信者関係の人、2割がその他である。予約していないと相談するのが難しいほどである。カウンセリングの他に、電話相談も受付ており、遊戯療法や箱庭療法もおこなっている。

ここの特色は、相談だけでなく2年間のカウンセラー養成講座があり、東京で年100名、大阪で年50名の卒業者を出している事である。特に阪神大震災後、応募者の数が3倍になったそうであり、カトリックのシスターも卒業したそうである。

{カウンセリングとは、人間が本来もっている自然治癒力を回復する事であり、仏教の癒しとカウンセリングの癒しが結びつくと、癒しの力が倍増する。}と、ここの所長さんはおっしゃられたそうです。

〇応典院{こころの教室}
(大阪市天王寺区下寺町1−1−27 TEL06-771-7641)

大阪寺町にある 大蓮寺の塔頭寺院で、劇場型寺院であり、信者、檀家はいず、会員制をとっている珍しいお寺である。本堂は140名収容可能で、法要のほか、劇や音楽等の発表会にも使われる。また、廊下で各種展覧会や、小部屋でセミナーや集まり、文化教室等も活発にひらかれており、NGO活動にも熱心だそうである。

学びと遊びと気付きの三角形の中で、{お寺を癒しの場}としてとらえており、活動の一つとして{こころの教室}を開いている。仲谷かよ子さんを中心とするエンカウンター・グループが運営している。カウンセリングや心理学の講座やお経を読む勉強会があり、箱庭療法もとりいれており、カウンセリング・ルーム、プレイ・ルームもある。

{カウンセリングは、一方通行ではなく相互作用であり、自分を確立し相手を確立していく交流作用である。}ということを強調されました。

〇真言律宗 蓮華院誕生寺 内観道場
(熊本県玉名市築地2288 TEL 0968-74-3533)
(http://www.uproad.ne.jp/rengein/)

スライドを使いながら、かなり詳しく蓮華院と内観について説明していただきました。浄土宗御開祖の法然上人の師匠、皇円大菩薩様の誕生され、御本尊のお寺であり、NGOや、地域興しに熱心であることも紹介されました。

貫主様、大梵鐘、五重塔や内観の写真も映し出され、内観が仏教の身調べを原点とする、世界に誇れる日本独自のカウンセリング手法であることが、強調されました。

また、一日のスケジュールや、内観者を菩薩様として深いお辞儀を面接の前後にする事、深い感謝を胸の奥深くで感じると自然に反省し始め、明るくなって帰る人が多い事等が報告されました。

〇日蓮宗 妙厳寺 {南無道場}
(千葉県夷隅郡大多喜町平沢235 TEL 0470-84-0411)

{南無の会}創設メンバーの一人である住職が壇信徒にかかわらず、自分の意志で来たい人に門戸を開いている。一般向けは常設であり、期限は特にない。子供向けのものは、定期的に開設している。

山の中にあり、軽作業やお参りをしているうちに自然に問題を解決していくそうである。自然の持つ人を癒す力と本人の持つ自然治癒力が、人に生きる力を与え、治していくそうです。

大事な事は、救済者願望(レスキュー・ファンタジー)に陥ってはならないということです。救ってやるのではなく、本人の持っている力を引き出してやる事です。来た人自身が自らを癒し、自分を発見する場、それが{南無道場}です。

〇真宗大谷派 浄栄寺
(横須賀市吉倉町1−30 TEL 0466-22-1823)
(http://www.butaman.ne.jp/USERS/~sony/)

最初、タウンページに{何でも相談室}の広告を載せた。現在はインターネットでも行っている。寺とは地域の相談室であり、お寺の原点は地域に根差していることであると考えている。

相談者は女性が多い。18〜27才と47〜55才の二つのグループにわかれるが、この頃は、後者からの相談が多い。相談では、こちらの姿勢が問われているわけであり、裸の自分で相談に乗る事が重要だと思う。

どこまで責任をとれるかと言う問題もあり、場合によっては、専門家につなぎ、専門家に委ねる事も大事である。専門家と連絡をとりながら、お寺の特性を生かすように心がけている。

以上、五つの現代版お助け寺が紹介されました。お悩みの方は一人で悩まずにご相談してみて下さい。きっと道が開けると思います。

【坂村真民詩集】
《 ねがい 》

よくやった
よくやったと
いつの日か
世尊にほめていただく
詩人になろう
そう念じて
その日
その時を
充実させて生きてゆこう
点火された灯りを
消さないように
足もとをよく見つめ
懈怠なく
一歩一歩
世尊に接近してゆこう

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*第6回全国 朴の大会が5月17日に坂村真民先生をお迎えして、先生の生誕地である熊本県荒尾市で開催されます。詳しくは、坂村真民詩集をご覧ください。

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